~セト マザーシップ最深部前~
「確か・・・このポイントだよな・・・あ!」
目の前で人が倒れている。
どうやらビンゴだ。
「・・・それにしても。」
倒れていると言うだけで詳細は聞いていなかったが、デューマンか・・・。
スレイヴデューマンにされておきながら気絶だけで済むって、どんだけ運がいいんだろうな。
それにしてもまた女か・・・。
さっきの子といい、女の知り合いが多いとはノワールの奴も隅に置けないな。
「・・・。」
どうでもいいが目のやり場に困る姿だ。
戦闘服のようだが、黒のボンテージ風の服で露出も多い。
「全く・・・。」
目を逸らしても仕方無いので背負う。
・・・はいいが何処に連れてけばいいんだろ。
医務室・・・は危険かな。
目を覚ましたら何をするか分からないし、かといって倉庫ってのもな・・・。
「ノワールはこの奥かい?」
「?」
声がする方を見ると・・・。
「あなたは・・・!」
~ノワール マザーシップ最深部~
「邪魔だ!!」
スレイヴデューマンが何人も襲いかかってくるので片っ端から撃退する。
エスカならまだしも、他のスレイヴデューマンは戦闘に関しては素人同然の雑魚ばかりだ。
自爆の間合いにさえ気を付ければ無力化させるのは容易い。
しかしいくら雑兵とはいえ肉の壁にはなるようでウィルが逃げる時間稼ぎにはなっている。
だが此処はマザーシップの最深部、逃げようにもキャンプシップからかなり距離はあるし、逃げている方向は更に奥。
捕まえるのも時間の問題だ。
奴を捕まえてディスクと同時にウルク総司令に突き出せば、この馬鹿げた反逆者ごっこにも早々にケリがつく。
「・・・!」
何やら大きな入口の前に着く。
「いかにもな入口だな。」
ウィルが逃げたこの通路はほぼ一本道だった。
なら他に逃げ場も無いだろう。
追い詰めた。
「待っておれ、エスカの仇め!」
「ハイハイ勝手に殺すな殺すな。」
いい加減ツッこむのも疲れてきた。
さっさとケリを着けよう。
奥へと進む。
「・・・。」
部屋の中は何とも殺風景だった。
壁や床の内装は他と変わらず奥に何やら大きな水の様な壁があるだけの大広間だ。
その真ん中に、ウィルは立っていた。
隠れる場所が無いかと辺りを見渡しているようだが、無駄な抵抗だろう。
「やっと会えたな。」
「ヒィ!」
此方に気づくとウィルは腰を抜かしたのか、急に尻餅を着いたまま後退りする。
「ったく、手間かけさせやがって・・・。」
俺達が一歩一歩進むたび、ウィルは後退りし、次第に奥の装飾の壁に追い詰められる。
「もう逃げられん、覚悟するのじゃ!!」
「ヒィィ!!」
ウィルはこれからの事態を予測してか、身を縮めて防御姿勢を取る。
「今度こそ成敗じゃあぁ!!」
ネージュが制裁のイルグランツを放ったときだ。
「・・・。」
「!!」
ウィルが一瞬ニヤついた。
その直後だ。
ウィルの前に薄い光の壁が張られ、イルグランツは防がれる。
「な!?」
ネージュが口を開けて声を上げる。
俺も驚きは隠せない。
「やれやれ・・・テロするのは構わないけど、こんなとこまで来てドンパチやらないでよ、静かに演算したいのにさ・・・。」
奥の水の壁からその人物は出てくる。
「せっかくシップを任せるハイキャストを配置して専念出来ると思ってたのに。」
少年だ。
髪と目が青色で、口調は見た目に違わないが、どことなく大人びた雰囲気で言い知れぬオーラがあった。
「なんじゃ貴様!!邪魔をするのなら・・・!」
「待て!」
攻撃的なネージュに制止をかける。
「聞いたことがある。このオラクル船団の根源の核になっている存在・・・。」
まさか実際に目にする事になるとはな・・・。
「あんた・・・シャオか。」
~院長 民間居住区 孤児院~
通信端末から通信が入ったので端末を開くと、映像が開き、見知った顔が写る。
『ロイド院長、私だ。』
「・・・またですか。」
『言うまでもないが・・・。』
「何度言いに来ても同じです。」
『だがあれは・・・。』
「あの子は私が預かった子です。貴方がたのモルモットにするつもりはありません!もう来ないで下さい!」
通信を切る。
「先生・・・。」
「!!」
ラパンが部屋の出入り口に立っていた。
「ラパンか、どうした?」
「今の、誰?」
マズい、聞かれたか・・・?
うまく誤魔化したいが、ラパンは頭がいい。
下手に嘘を言えば怪しまれるかもしれない。
「研究所からだよ。」
・・・嘘は言っていない。
「どうしてそんな所から連絡がくるの?」
「いやなに、子供を引き取りたいと時々言ってくるけど、あの手の輩は人体実験に使うかもしれないだろ?だから断ってるんだ。」
これも本当だ。
「それ・・・私のこと・・・だよね?」
「・・・!」
核心を突かれて言葉に詰まる。
「な、なに言ってるんだよラパ・・・。」
「先生・・・私ね・・・分かったよ?」
「えっと・・・何が?」
「私がみんなに怖がられてる理由・・・。」
「え・・・?」
「いるんだよね・・・私の背中に・・・何かが。」
「・・・!!」
もはや言い訳のしようもない。
そう、私には・・・いや、『ラパン以外』には見えている。
彼女の背中には黒い霧状の何かがおぶさるようにくっついている。
その顔には眼とおぼしき赤い光が二つ。
まるで赤子のようだが、これを赤子と呼ぶにはあまりにも不気味だった。
「・・・教えて、私の背中には何がいるの?」
「・・・ああ、分かった。」
私は真実を彼女に伝えることにした。
~ノワール マザーシップ 最深部~
シャオは俺を見て爽やかに、かつ、不敵さを思わせる笑みを見せる。
「キミ、よく知ってるね。僕のことそんな風に知ってる人ってなかなかいないと思うけどな。」
「生憎、ダーカー狩るために色々情報を仕入れるようにしててな・・・つい余計な事まで知ってしまうんだよ。」
「ダーカーを狩るため、か。結構仕事熱心なアークスだね。関心するよ。」
「そりゃどうも・・・どうでもいいが、あんたに銃口向けるのは些かリスクが高そうだ。」
この少年は、言わばオラクル船団の核のような存在だ。
戦うことは愚か、殺すような事があれば、オラクル船団全てを滅ぼしかねない。
第一に勝てるかどうかすら怪しい。
見た目は少年だが、人間とは違う存在であるという情報すらある。
戦いは極力避けるべきだ。
「そう?じゃあ降伏して捕まる?」
「いや・・・。」
「逃げる?別に僕は追わないけど。」
「それもしない。」
「じゃあ、どうするの?」
「あんたがこうして現れたのは・・・寧ろ俺らには幸運かもな。」
「どういうこと?」
「あんたに『これ』を調べて貰う。」
データのディスクを取り出してシャオに見せる。
「おいノワール!!それウルク総司令に見せるんじゃないのか!?」
「いや、こいつならウルク総司令に見せるより手っ取り早い。」
「それは?」
「スレイヴデューマンの研究データが入ったディスクだ。そこのクソ研究員が禁止されてるにも関わらず勝手に進めた人体実験やら何やらまで全てこの中に入ってる。」
「ふーん、それを僕に確かめろと?」
「ああ・・・。」
「嘘です!!騙されちゃいけない!!」
「!」
シャオの横にいたウィルが急に叫ぶ。
俺達の前に立っていた時とは売って変わって被害者のような顔をしている。
「この男達は反逆者です!その目的はこのマザーシップにウイルスを送り込むことです!!そのディスクを調べようものなら、このマザーシップの機能が停止してしまう!!」
「・・・なるほど、そういうデマで俺達は反逆者の濡れ衣着せられてたわけか。」
全く用意周到なことだ。
そう言っておけばディスクを危険物として預かると言えば自分達の手元にディスクも戻って全て丸く収まり、尚且つ万が一俺達がディスクを証拠としてつき出した際に調べられるリスクも少ないわけだ。
しかもこいつ、さっきの一瞬の笑みから察するにシャオの事を知ってたな?
追い詰められた最後の手段として、味方につけるつもりか。
「貴様!!この期に及んで・・・!」
「待て、アホ!!」
ネージュがウィルに杖を向けるが、制止をかける。
「状況考えろ、今実力行使に出たらそれこそこいつの思う壺だ。」
「ぬぅ・・・。」
ネージュは杖を納める。
「話を戻そう。」
「そっちの言い分は?」
「反逆者っていうのは勿論そいつが仕組んだデマだ。余程データを見られたくないみたいでな。此処に来るまでにもかなり邪魔された。キャンプシップに爆弾仕掛けられたり、このアホの保護者を洗脳してけしかけたりな。」
「それこそ嘘です!!キャンプシップが移動中に爆発したのなら此処に来られるはずがない!!第一、この男は噂にもあるほどに命令無視の常習犯です!アークスに対し、反抗的な意志があるのは明白です!!」
「・・・。」
確かにウィルの言った事には一理ある。
放棄されたアークスシップに不時着出来たなんて確率が低すぎて信憑性は全くないし、後者も事実だ。
そんな臆測をつけられても言い訳は出来ない。
「この男はいつも狂ったようにダーカーを狩り続ける戦闘狂です!前にも似たような男がダークファルスを復活させたという記録さえある!この男の考えていることは我々の常軌を逸している!!狂っているんです!!信じちゃいけない!!」
「・・・。」
ああ、そうだ。
俺は狂っているさ。
ダーカーを狩る以外に何も見えて居ないような男だ。
否定は出来ない。
俺は・・・。
「ノワールは狂ってなどおらん!!!」
「・・・!」
ネージュの言葉に場が静まり返る。
「ノワールは・・・わしがアークスになったばかりの頃、命を狙われてたところを助けたのじゃ!!」
「おい・・・今そんな話をしてる場合じゃ・・・。」
「それにこやつはな・・・此処に来るまでに困ってる者に自分のサポートパートナーを貸し与えたり・・・わしの大事な仲間を助けたり・・・今こうしてディスクを届けようとしとるのだって・・・ダーカー狩るのに関係ないのに人助けでやっとることじゃ!!」
ネージュは顔を伏せて拳を握りしめ、何やら震えている。
「狂っとるのか・・・? こんな奴が本当に狂っとるって言うのか貴様はッ!!」
ネージュは顔を真っ直ぐに正面に上げて怒鳴る。
顔は真っ赤になり、その目は今にも泣きそうなほど涙ぐんでいた。
「調べてみたらいいんじゃないかな。」
「!」
後ろから女の声がするので見てみると、ニューマンの女が部屋に入ってきた。
管制や、ロビーの職員が着るような制服だが、出で立ちから普通の職員には思えない。
「ウルク!」
「私はそのノワールって人の事、信じてみたくなった。」
「あんたが・・・ウルク総司令?」
「その子の担架、すごく良かったよ!」
俺が質問を投げ掛けると、返事変わりに屈託のない笑みを俺に向けてくる。
「ったく・・・このアホは・・・。」
どう反応していいかも判断がつかず、ネージュに当たるが、思ったように怒れない。
「どうでもいいけど、ウイルスがあるかもしれないみたいだよ?そこの科学者君の言い分を聞く限りは。」
「シャオ君自身が調べればいいじゃん、そんなの!」
「え”?」
「シャオ君ならウイルスがあったとしてもそれ取り除いて調べられるでしょ?」
「全く・・・。」
総司令の言葉に、シャオは溜め息を吐く。
「ホント、ウルクって感情任せかと思ったら意外な所で活路開いてくるよね。」
「フフーン、だからこそこうして総司令をやってる訳ですよ!」
シャオが皮肉混じりに言う言葉を、総司令は胸を張って返す。
「ハァ・・・いいよ、調べてみる。」
「そうか、助かる。」
どうやら賭けには勝ったみたいだ。
だが、一つ腑に落ちないことがある。
『シャオ自身が調べる』?
どうやって・・・。
「!」
シャオが手を翳すと、急にディスクが俺の手元を放れて宙に浮かぶ。
ディスクはゆっくりと移動してシャオの手元に渡る。
ディスクがシャオの手の上で浮きながら光り始めた。
「ふむ・・・ウイルスは無し・・・と。」
するとシャオの周りに端末で開いたようなデータの映像が次々に開かれ、円柱の柱の様にシャオを囲う。
「他種族からデューマンに変換させる遺伝子操作・・・精神制御の装置の設計、投薬の精製方法・・・自爆装置の内蔵するための手術方法・・・確かに廃止されたスレイヴデューマンの研究に間違いはないね。」
シャオが全て確認すると、映像は消える。
「さて、どっちが黒かハッキリしたみたいだけど・・・。」
「っ!!」
一同が睨む様に見るとウィルは身構える。
「は・・・はは・・・はははは・・・!」
「何か言い訳はある?」
「くっ・・・!」
ウィルは部屋の隅に逃げ混むと、通信機を耳に着ける。
「聞こえますか?研究チーム!」
「おい!何を・・・!」
「アークスシップにいるスレイヴデューマンを全て自爆させなさい!!」
「な!!?」
「ははは・・・、どうせ人類は終わります。だったら私の手で!」
「何言ってやがるてめぇ!!」
「今から行ったって・・・避難を呼び掛けたって無駄です・・・起爆は数秒後、規模はアークスシップ全土・・・逃げられるわけが・・・。」
「スレイヴデューマンは起爆しない。」
「!」
部屋の出入り口の方から聞き覚えのある声がして見るとそこには・・・。
「エリック!!?」
「研究室に潜入して端末を全て弄らせて貰った。スレイヴデューマンは全て今は眠っているし、暫くは操作も出来ない。」
「貴様・・・!」
「エリック・・・なんで此処に・・・!」
「申し訳ありません、マスター。」
エリックの足元には人より四分の一程度の大きさで青髪のニューマンの少女がいた。
俺のサポートパートナーのアオだ。
「アオ・・・一体どういうことだ。」
「エリック様の『研究室に潜入すれば何かしらサポートが出来るかもしれない』という進言がマスターの目的に対し最適な判断だと考え、独断ではありますが共に惑星を移動した後、引き続き護衛をさせて頂きました。」
「そうか・・・。」
「申し訳ありません。如何なる罰でも・・・。」
「いや、お前にはいざとなったら自己判断をしろって言ってある。責める理由はない。」
「感謝します、マスター。」
「彼女には色々と世話になった。ありがとう、ノワール。」
「気にするな、あんたには借りがあるからな・・・。」
「動くな!」
「!」
声のする方を見ると、ウィルが総司令に銃を突きつけていた。
「・・・。」
本来なら『馬鹿な真似はやめろ!』とでも言うべきなのだろうが、この男は余りにも哀れすぎてそんな言葉をかけてやる気にもなれない。
「諦めろ・・・もうお前の負けだ。」
「うるさい!私は・・・捕まる訳には・・・!」
「あんたね!こんな事したら今に後悔するよ!?」
人質になっている総司令が罵声を浴びせる。
「どうでしょうね!捕まらなければどうと言うことは・・・。」
「そっか・・・ホントに後悔しないんだね?」
「・・・?」
何やら不敵に笑っているのが不思議でウィルを始めとして一同が困惑する。
「テオオオォッ!!」
総司令は急に叫び出す・・・が何も起こらない。
「何を・・・グガッ!?」
ウィルはビクンと身体を跳ね上がらせたかと思うと、白目を向いて倒れる。
気のせいかもしれないが微妙にバチッとした音がしたような気がする。
ウィルが倒れると、即座に総司令は離れる。
代わりに俺が抵抗するかどうかを確認するために近づく。
「・・・。」
手が微妙にピクピクとしているが動き出す気配はない。
死んではいないようだがこれは・・・。
「大丈夫、弱めのゾンデを当てましたから。」
「・・・?あんたは?」
すぐ近くから声がするので見ると、そこには金髪のデューマンの男が立っていた。
「遅いよテオ!」
総司令はデューマンの男に不満を投げるが、顔は怒ってはいない。
寧ろ笑っていた。
「ウルクの足が速いから途中で見失っちゃったんだよ・・・それで探してたら奥からいきなり声がするから・・・。」
「言い訳しないの!」
「・・・ハイ。」
テオと呼ばれた男は最初に見たときも物腰が柔らかな印象だったが、総司令の前だともっと弱腰になっている。
やり取りは友達や恋人同士とも取れるが、見方によっては恐妻家の夫婦にも見える。
「・・・まぁ何にせよ、これで解決だね!」
「ああ。穏便に済んでよかった。感謝する。」
一通り礼を言ってホッと一息着いたかと思うと・・・。
「・・・。」
「?」
「・・・フフッ。」
「なんじゃ?なんじゃ?」
総司令は俺とネージュを交互に覗き見るようにみて笑う。
「いやね、前にもこんな風に二人組でマザーシップに乗り込んでた人達がいてさ、二人とも、なんか似てるなーってさ!」
「二人組・・・?」
「いいのいいの!気にしないで!こっちの話だから!それにしても・・・。」
総司令は明るい笑みから一変してウィルを見る。
「なんでこいつ・・・スレイヴデューマンなんて作ってたんだろ。何か引っ掛かるなぁ・・・。」
「それについては私が説明します。」
申し出るエリックだったが、その表情は何やら重苦しい。
「事の発端は私がアークスが捕獲して転送された惑星の原生生物を調べていた時のこと・・・。」
エリックは説明する。
曰く、ダーカーに侵食されたエネミーの中にあるダーカー因子は、侵食するダーカーの種類によって違うらしい。
分かりやすく言えば虫型のダーカーは『A型』、魚型のダーカーは『E型』など、まぁ、血液型みたいな分け方をされている。
それによって惑星にどんなダーカーが潜んでいるかが分かるそうだ。
「だがある日、私が調べた原生生物から未知のダーカー因子が発見された・・・つまりそれは、未知のダーカーの可能性を示唆していた。」
「未知のダーカー・・・!」
「ダーカーにはそれぞれ従う親玉、ダークファルスがいる。未知のダーカーの存在とは、未知のダークファルスの存在を意味する。」
「・・・なるほどな。」
合点がいった。
「つまりその存在を危険視した研究員が揃ってアークスの戦力増強を焦った・・・それが『スレイヴデューマン』か・・・。」
「ああ、だがそんな未知のダーカーが発見された報告がない。大方複数のダーカー因子が混ざって知らない物に見えたのだろうと私は説得しようとしたが、それが叶わず、今回の事態を招いてしまった・・・申し訳ない。」
エリックは頭を下げる。
「いや・・・あんたは何も悪くない・・・けどな。」
「・・・?」
俺の言葉にエリックは困惑する。
「マズいな・・・当たってる。」
「え?」
「俺達は、既にそれを見た。」
「まさか・・・!」
エリックは目を見開く。
そう、俺達は見た。
此処に来る途中、不時着したアークスシップでそれを見た。
「未知の・・・人型のダーカーを・・・!」