第一章 ~平穏と不穏~
『マザーシップ』を中心とし、広い宇宙を旅する『オラクル船団』に所属するアークス。
彼らは宇宙を滅ぼさんとする存在『ダーカー』と幾度に渡って戦いを続けていた。
戦いの最中、ダーカーの筆頭である『ダークファルス』の暗躍により復活させられた、全てのダーカーの根元である『深遠なる闇』。
その強大なる力の完全なる復活はアークスの英雄である『マトイ』ととある一人のアークスによって阻止され、『深遠なる闇』は惑星ナベリウスより退けられ、何処かへと去る。
戦いの負担が余りに大きかった二人の英雄は、コールドスリープと言う長い眠りに着く事を強いられる。
これは、英雄達が眠っている間のとあるアークス達の物語。
~ノワール 惑星ナベリウス遺跡エリア~
すまない・・・
許してくれ 何もできなかった
自分が許せない
間違っていた
どうして
なんで ふざけるな
死んでしまいたい
マモレナカッタ
「・・・!」
はっと目を覚ます。
どうやら木陰で休んでいるつもりが眠ってしまったらしい。
無理もない。
この惑星の調査に来てから1週間帰還していないんだからな。
此処は惑星ナベリウス、森林が多く、野生動物が多く存在する惑星だ。
だがこの惑星は何故か気候の変化が激しく、森林を抜けたすぐ先が凍土になっているのだ。
その凍土に隠されるように存在するのが今俺のいる遺跡エリアだ。
この辺りにはダーカーと呼ばれる者が牛耳っている。
ダーカーは言わばこの宇宙に存在するウィルスのような存在であり、様々な 惑星に干渉しては原生生物を狂わせたり果ては惑星の環境を汚染したりする、厄介な存在である。
俺はダーカーを討伐するためにこの惑星に降り立ったのだ。
『・・・さん、ノワールさん!』
通信機から声が聞こえてくる。
司令部のアナウンスだ。
「・・・。」
呼びかけられているが俺は答えない。
『このエリアにいるダーカーの集団を率いていたウォルガータはすでに討伐しました!長期間帰還しなければ体に障ります!早く帰還を!』
「・・・まだ逃がした残党がいるだろ。」
『残党狩りには別のアークスを向かわせています!無理をせず帰還を!』
「任せられるか」
『ですが!』
「黙れ、ダーカーは俺がこの手で殺す・・・一匹残らずな」
俺は遺跡の奥へと進んでいく。
「後悔するくらいなら・・・進むだけだ。」
~エスカ ナベリウス凍土エリア~
「ネージュ、あまり走るんじゃない!」
「なんでじゃ!あやつがこの辺りにおるんじゃぞ!こうしてはおれんのじゃ!」
吹雪の中、目の前の銀髪の少女に私は静止をかける。
「はぁ・・・ついてくる私の身にもなってくれ。」
「お主は此処で寝てても良いぞ!あやつを捕獲したら起こしに来てやる!」
「捕獲って動物か!あと、こんなところで寝てたら普通に死ぬからな。」
「え、ダメなの・・・?」
「本気で言ってたのか!」
「うわー!それヤバいのじゃぁ!凍土ぱねぇのじゃぁ!!」
目の前で悪ふざけもなく本気で驚いているいかにも頭の悪そうなニューマンの少女はネージュ、常に一緒に任務に出ている相方のような存在である。
一緒に任務、というか私が彼女について行っているような物だが、その経緯については秘密だ・・・。
私達がこの惑星に降り立った理由は捜索任務、ここ1週間帰ってこないアークスがいるというので連れ戻す任務だ。
それでネージュが何故こんなにも張り切っているのかと言うと・・・。
「今日こそはあやつを仲間にするのじゃ!」
そう、そのアークスの男をチームに勧誘するのが目的だ。
アークスにおけるチームと言うのは言わば共同で任務に参加する集団である。
司令部から辞令が下って一時的にチームを組む例もあるが、アークス同士が個人の有志で集まってチームを組むのが大体主流である。
現在、私達のチームは私とネージュの二人だけ。
一応、リーダーはネージュだ。
それでチームの人数が少ないから手当たり次第に勧誘している・・・というわけではなく、どうやら彼女はその男をターゲットに絞っているようだ。
彼女は昔、とある一件で命を救われて依頼、彼の実力に惚れ込んでいるのか、ほぼ毎日のようにスカウトしているのだ。
「張り切るのはいいが無駄だと思うぞ。」
「なんでじゃ!最初から諦めるのか貴様!」
「そうじゃなくてだな・・・。」
私が焦れるのには理由がある。
彼女がスカウトしても彼はいつも首を縦には振らない。
彼は、簡単に言ってしまえば一匹狼である。
理由は分からないが他人とつるむことを嫌っているようで、アークスになって以来、一度もチームに所属していないらしい。
よくダーカー討伐任務に一人で出ているが、任務を完遂してもダーカーを狩り続けるせいで数週間は帰って来ないことで一部では、シップにあまり姿を表さないことから「幽霊」だとか「亡霊」だとか呼ばれており、あまり評判もよくない。
必要以上に成果は出ている反面、帰還命令を無視するなどで上からも問題視されている男だ。
しかも見た目は黒いボロボロのコートを着ており、黒いフードで頭を覆い、ドクロのような仮面で顔を隠しており、死神のような不気味な外見をしている。
ネージュはよくこんなやつを仲間にしようだなんて考えられるものだ。
『ネージュさん。』
司令部からのアナウンスだ。
「おお、ヘンリか!」
通信機の向こうの声の主はヘンリエッタ、キャストの女性だ。
『彼の位置を捕捉しました。』
「おお、でかしたのじゃ!」
『彼は現在、遺跡エリアにいます。』
「何ぃ!凍土じゃないのか!?」
『それと、現在進行方向と全く逆です。』
「・・・。」
ネージュは黙ったまま、まるでガタのついた機械がギギギと音を立てるかのように私の方にゆっくり顔を向ける。
無表情だが、罪悪感が徐々に沸くのか顔がだんだん青ざめていく。
「・・・。」
私は黙って腕を組んだまま、右足の先をパタパタと軽く足踏みしながら目を細めてネージュを見ていた。
沈黙の中、吹雪の音が良く耳に響いた。
~ラパン 民間居住区~
「さあ、ここが君の新しいお家だよ」
「・・・。」
私の手を握る人は私に優しく言う。
目の前には二階建ての大きな建物、ぱっと見ただけでは中で何をしているのかわからない。
でも、此処が何処なのか分かる。
まだ九歳の私でも分かる。
「・・・。」
「辛かったね、でも、此処でそれもいつか忘れられるよ。」
「・・・。」
優しい言葉を掛けられるけど私は答えない。
「さあ、行こう。」
手を握る人は私の手を引いて中に入ろうとするが・・・。
「ッ!!!」
私は手を弾いて離れる。
その時、私が被っていた縁なしの帽子が宙に舞った。
「!」
手を握っていた人は驚いて自分の手を見たがすぐに私の顔に視線を戻す。
「ラパン?」
「・・・バーカ。」
「?」
「バーカバーカバーカ!!!」
「・・・どうしたんだい?」
私の罵倒に男は戸惑う。
「分かってるよ、私、捨てられたんでしょ!」
そう、此処は孤児院、親のいない孤児が引き取られる場所、私は父親に首を絞めて殺されかけ、それを偶々家に寄っていた近所の人が見つけて取り押さえられた。
そしてこの目の前の男の人、孤児院の院長がまた殺されるかもしれないと、私を引き取ったのだ。
「なんでよ・・・私部屋で本を読んでいただけなのに!!」
「・・・。」
院長は私の帽子を拾い上げる。
「いつもそうだった・・・パパもママも・・・私の部屋のドアをちょっと開けるだけで、ドアの隙間から私を見て・・・私と目が合うと悲鳴を上げてドアを閉めて・・・まるで怖がってるみたいに・・・私が何をしたって言うの!?」
「・・・そうだね。」
院長は帽子を私の手を持って直に手渡す。
「確かにキミのお父さんとお母さんは君を恐れた・・・だけど君は何もしていない。君は悪くない。」
「・・・。」
院長は私に優しい言葉を掛ける。
でも私にはそれがすごくイライラする。
「私は君を恐れない。」
「嘘だ!!」
院長の言葉にイライラを押さえられなくなって叫んだ。
「嘘じゃない。」
「嘘だ嘘だ!!大人はみんな嘘つきだ!!私はもう絶対に大人なんて・・・ッ!?」
私は急に言葉を詰まらせる。
院長の手が私の頭の上に乗っていた。
別に叩かれたわけじゃない。
優しく置かれていた。
「ぇ・・・?」
突然すぎて上手く声が出ない。
「怖い子に、大人はこんなことするかい?」
そう言うと院長は私の頭を撫でる。
「ぁ・・・ぅ・・・?」
これも突然すぎてうまく声が出ない。
「約束するよ、私は君を恐れない。」
「・・・!」
ついに声が出なくなって、されるがままに頭を撫でられる。
「行こう、みんなが待ってるよ。」
その声は、今まで聞いたどんな声よりも優しかった。
~ノワール ナベリウス遺跡エリア~
「・・・やっと見つけたぞ、クズ共。」
俺の目の前にはダーカー、四足歩行の虫型のダガン三匹、二足歩行の人型のキュクロナーダ一体、魚型のダーガッシュ二匹。
逃がした奴らと数は合っている。
ウォルガータと戦っている際に逃がした奴らだ、間違いない。
ダーカー達は俺の顔を覚えているのか、顔を見るなり一斉に襲いかかってきた。
「来い、フェジサー。」
俺が呼び掛けると俺の背中に二つ銃が出現する。
それらを即座に抜いて、敵の群れに飛び込む。
俺の最初の狙いはダーガッシュだ。
奴は口を何度も大きく歯噛みしながら向かってくる。
だがダーカーには弱点となるコアがあり、奴はあろうことか、その歯噛みしている口の中だ。
近接戦闘をするアークスはそのコアを攻撃しようものならその歯に反撃されるリスクはあるが俺の武器は銃だ、間合いがあっても撃ち込めるのでこいつは格好の的だ。
だが俺はあえて一匹の近くまで飛びかかる。
「まずは『二匹』。」
銃を牙の間合いギリギリまで近づけて銃をぶっぱなす。
銃口からは光が爆発するかの様に放たれる。
俺のアークスとしてのクラス、ガンナーのフォトンアーツである『サテライトエイム』だ。
威力が強い反面、銃弾の様に発射されずに銃口の先で己のフォトンの弾丸を炸裂させる近接向けの技だ。
ダーガッシュは二匹とも互いに近くにいたので、続けざまにサテライトエイムをぶっぱなす。
喰らったダーガッシュはひとたまりもなく、コアが抉れて苦しみながら宙を舞ったかと思えば、即座に動かなくなる。
即死だ。
それを確認すると間もなく横からキュクロナーダがその右腕の棍棒のような腕で俺を凪ぎ払いにくる。
「ああ?」
俺は足を蹴りあげ、右腕を弾き、更にドリルの様に上に向かって蹴りあげ、更に高度を上げる。
フォトンアーツ、『エリアルシューティング』本来は敵を打ち上げて自信も空中に上がり、空中技に繋げるものだが今回のように敵の攻撃を弾いて空中に逃げる事も出来る。
更に俺はその体勢のまま、回転しながら銃弾を真下の敵全てに放つ。
フォトンアーツ『バレットスコール』、俺のやり方では本来はエリアルシューティングで敵を打ち上げ、更に敵を空中で蹴り落として銃弾の雨を喰らわせるのがこのコンボの基本だが、このように高所に逃げて一方的に弾丸を喰らわせることも出来るのだ。
三匹のダガンば脳天に弾丸を喰らうと、潰れたカエルのように死に絶え、キュクロナーダはそのひとつ目で俺を見上げたせいで、弾丸を諸に目に喰らい、目を左手で塞ぎ苦しみ悶える。
それを確認すると俺は地面に降り立つ。
キュクロナーダは目を潰された状態で俺を近づけさせまいと、右腕の棍棒を闇雲に振り回している。
だが、この時の奴の癖は既に知っている。
目が見えない状態で重い腕を振り回す行為は身体のバランスを大きく乱す。
奴も例外ではなく、何回か腕を振り回すとその重さでバランスを崩して転んでしまうのだ。
案の定、奴は仰向けに倒れる。
再び起き上がろうとするが、倒れた隙に近づいた俺は奴を足で踏みつけてそれを阻止する。
そして奴の腹部のコアに弾丸を浴びせる。
しかしコアは若干分厚い殻に覆われており、大したダメージにはなっていないが、何発か弾丸を当てると殻が破られ、弱点のコアが露になる。
「祈れ、神のいないこの世界でな。」
俺は銃口に意識を集中する。
最大出力のサテライトエイムで止めを刺すために。
だが・・・。
「!」
急に辺りが暗くなる、いや俺がいる位置だけが暗くなり、不審に思った俺は咄嗟に俺は後ろに跳ぶ。
間一髪だった。
俺がいた位置、つまり倒れていたキュクロナーダの真上にそれは降ってきた。
胴体の三つのコアが積み重なるように縦に並び腕には武器のような爪がギラリと赤く光るダーカー。
デコル・マリューダだ。
今俺に仕掛けてきた攻撃もよく奴がやるジャンプ攻撃だ。
俺の代わりに攻撃を受けたキュクロナーダは既にピクリとも動かず、死に絶えたダーカーとして身体が霧状になり始めている。
更に彼の周りに黒い霧のような渦が数ヶ所出てきたかと思うと、その渦からダーカーが出現する。
人間と同じ直立二足で大きさも人とほぼ同じだが、顔は鳥のダーカー。
『ソルダ種』と呼ばれる鳥型のダーカーだ。
しかもこいつらはそれぞれ違う武器を持っている。
双剣と大剣をもつ子分が相手を撹乱する隙に親玉である槍持ちが遠距離から鋭い突きを喰らわせる連携を得意とする奴らだ。
槍持ちが号令を掛けると子分が一斉に襲いかかる。
それに合わせてか否か、デコル・マリューダも此方へ前進してくる。
最初に攻撃を仕掛けてきたのはソルダの双剣持ちだ。
軽く飛び上がって滑空するように飛んで斬りかかってくる。
本来なら迎え撃つが、ソルダ種とデコル・マリューダが同時に来た事で近接戦闘をするのは分が悪い。
なので後ろに宙返りするように回避する。
間合いが空いた。
槍持ちも遠距離攻撃を前提に間合いを取っていたせいか、この距離は射程外だ。
「まとめて死ね。」
銃をまるで格闘技で拳を放つ様に乱射する。
フォトンアーツ「エルダーリベリオン」、体術を駆使して放つ事により、通常のフォトンの弾丸より重い弾丸を浴びせる技だ。
更に連撃を重ねる事によって威力が増し、より重い弾丸を喰らわせられる。
最初の連撃により、ソルダの子分を倒し、更に威力が増した弾丸を槍持ちに喰らわせる事により、ソルダ種は全滅する。
デコル・マリューダはその光景を見て気圧されまいとしているのか、爪を高く上げて、此方を威嚇してくる。
「恐れてんのか? いや、お前らに『感情』なんて無いだろ。」
俺は威嚇など物ともせずに敵の懐に突っ込む。
「死ね。」
~エスカ 惑星ナベリウス遺跡エリア~
「ハァ・・・ハァ・・・!」
私とネージュは必死に走る。
『彼の座標はこのまま先、交戦中のようです。』
「ハァ・・・ハァ・・・!」
ヘンリエッタのナビに従って必死に走る。
「急ぐのじゃ・・・! 急がなくては・・・!」
「ああ・・・!」
そう、急がなくてはならない。
彼が交戦中。
彼の命の危険を心配しているのではない。
急がなくてはならない理由は・・・。
「「あ!!」」
目の前の光景に私とネージュの声が被る。
目の前にはダーカーのデコル・マリューダ。
そして見間違うことのない不気味な外見のアークスの男。
デコル・マリューダは胴体に三つのコアがあるが、既に全て破壊されており、武器である爪も折られて虫の息でアークスの男に向かって爪を振るが、男は宙に舞ってそれを回避し、デコル・マリューダに踵落としを喰らわせる。
「詰みだ。」
そのまま、バレットスコールの無慈悲な銃撃をデコル・マリューダに喰らわせる。
デコル・マリューダは身体の何処から出しているのか分からない独特な断末魔を上げて死に絶えた。
「間に合ったか・・・。」
「間に合わなかったのじゃ・・・!」
目の前の光景に私とネージュは、それぞれ違う反応をする。
私の『間に合った』の理由は、即座に決着をつけられてまた何処かへ行ってしまったら更に探索が面倒になると言うこと。
そしてネージュの『間に合わなかった』の理由は恐らく・・・。
「貸しを作るチャンスがぁ・・・!」
ネージュは地面に手を突き、項垂れる。
そう、窮地を救って貸しを作ろうと考えたのだろう。
しかし、そもそも彼が危険だったようには到底見えなかった。
ネージュの考えたチャンスなど、最初からなかっただろう。
「・・・またお前らか。」
男は此方に気づく。
「ノワール、帰還命令が出て何日も帰って来ないから連れ戻しに来たぞ。」
「・・・司令部はわざわざそんな事の為にお前らを寄越したのか。」
ノワールはため息混じりに言う。
「・・・悪いが、お前らが来た意味はないぞ。」
「まだ帰らない気か!」
「その逆だ。」
「逆・・・?」
「やろうと思ってたことが丁度さっき終わった。奴が出てきたのは予想外だったがな。勝手に帰らせてもらう。」
「そ、そうか・・・。」
こいつが帰ると言うなら私達も任務は完了。
全て丸く収まるはずなのだが・・・。
「貴様!わしらがわざわざ出迎えてきてやったのになんじゃその言いぐさは!」
ネージュはノワールに喰って掛かる。
「頼んでねえ。」
「んぬぇー!!可愛げのないやつじゃぁ!」
「最初(ハナ)からねぇよそんなもん。」
「・・・。」
「どうしたのじゃ?エスカ?」
ネージュが私の様子に気づく。
丁度不可解な事があって考え込んでいたのだ。
「なぁ、少し変じゃないか?」
「あ?」
私はノワールに問いかける。
「デコル・マリューダは本来、惑星ウォパルで出現するダーカーだったはずだ。それが何故ナベリウスに・・・。」
「知るか・・・『深遠なる闇』が復活したり懐世区域まで出る惑星だ・・・別に他の惑星からダーカーがきたところで驚いたりしない・・・出てきたら殺す・・・俺がやることは変わらない。」
そう言っている間にノワールは、何かアイテムを天に放る。
すると少し遠くに転移するためのゲートが出現する。
アークスが惑星間を移動する際に搭乗する『キャンプシップ』へ瞬間的に転移できるアイテム、『テレパイプ』だ。
「・・・帰る。」
ノワールが足を進めたその時だ。
「待てい!!」
ネージュが彼の目の前に回り込む。
「・・・。」
「お主に重大な話がある!」
「・・・。」
ネージュが口を開いたそのときだ。
「「わしの仲間になれ」!!」
「なっ!?」
ネージュとノワールの台詞が被る。
いや、正確にはノワールがネージュの台詞を読んで被せた。
「そして俺の答えはノーだ。」
「何故分かったのじゃ!!えすぱー!?」
「・・・何度このやり取りしてると思ってる。」
「何回じゃったっけ?」
「十から先は数えるのを止めた。もう知らん。」
「えぇー!?やめるの早すぎるのじゃ!!もうちょっと粘るとこじゃろそこ!せめて五十くらい!!」
「知るか、じゃあな。」
ノワールはさっさとネージュの横を通りすぎてテレパイプへと向かっていく。
「なんじゃー!わしと組むのがそんなに嫌かー!泣くぞ!?わしまじで泣くぞ!?」
ネージュが叫ぶがもう彼の耳には届いていないようだった。
~惑星ナベリウス遺跡エリア~
草陰から何かが姿を表す。
『それ』は二本の足で立っていた。
『それ』は離れたところから、二人のアークスが立ち去ったもう一人のアークスに関して一人は怒り、もう一人がそれを宥めている風景を見ていた。
少しすると興味が薄れたのか、『それ』は踵を返し、歩を進める。
『それ』は赤黒い霧に包まれて消えた
どうも!
野良犬タロです!
まだまだ第一章なので展開は薄いですが、これからどんどん盛り上げて行くので、読んでいただけると嬉しいです!
せっかくのあとがきなので裏話を一つ。
この小説のオリキャラ達、実は私のゲーム内の自キャラです!
で、なんで自キャラで小説書こうかと思ったかと言うと、元々小説書いてた時期あって、その影響からか、ゲームで設定出来る戦闘時のオートワードでかなり(無駄な)設定魔っぷりが発揮され、
『あー、こいつらでもう小説作れるんじゃね?』
っていう軽はずみな考えがきっかけです。
行き当たりばったりに聞こえるとは思いますが、こうして投稿するまでにある程度プロットは練っておりますので、ネタにつまる事はないと思います!(・・・多分)
まぁ、こんな作者ではありますが、本作品を続けて読んで頂けるよう、頑張って行きますので応援して頂けると幸いです!
ではでは!