つか、超ご都合主義発動です(笑)
クロードたちとの戦闘を終え、俺は羽姉たちの場所へ戻った。ちなみに、戻った場所は“
「蓮ちゃん、お疲れ様――ぎゅ。てしてあげる」
そう言って、俺を優しく抱きしめてくれる羽姉。
「「あ、ずるい」」
そう言って、俺を優しく抱きしめてくれる、小咲と春ちゃん。まあ結果として、俺が羽姉たちの胸の中に埋まる形になるんだが。てか、女の子の胸の中って、何でこんなに良い匂いがするの?……決して、変態発言じゃないからね。
ともあれ、俺は顔を上げ「ただいま」と声をかける。
「楽ちゃんたちは上手くいったのかな?」
これは、羽姉の問いだ。
「楽は答えを出したんだろうけど、上手くいったかは解らん。まあ、楽が出した解答にもよると思うけど」
今までの言動からして、楽が二人を選んだ。という可能性は低いだろう。俺の勘では、橘か姉貴。どちらかを選んだはずだ。
結果、どちらかが振られてしまうという事に繋がってしまうが、こればっかりは仕方ないと割り切るしかないのかも知れない。ま、俺の場合は、一般的に最低な方法を取ってしまったんだけど。
「でも一条君は、自身が後悔しない選択をしたはずだよ」
確かに、小咲の言う通りかも知れない。おそらく、楽は考えた末に出した答えなのはずだから。
「私たちが考えても、終わったことは戻せないよ。私たち皆、それぞれ違うから……」
まあ確かに、春ちゃんがいうことが全てなのかも知れない。友達は友達。自分は自分。という事なのだろう。ま、俺たちがゴチャゴチャ考えても仕方ないという事だ、成るように成るだろう。
「ま、そういうことだな。……つーことで、抱擁を解いてもいいぞ」
羽姉たちは「ん、わかった」といい、抱擁を解いた。
「んじゃ、帰りますか」
それから、俺と羽姉、小咲と春ちゃんは手を繋ぎ、
そして、
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~卒業式。中庭~
「お姉ちゃん、蓮さんも卒業おめでとうございます」
「小咲ちゃん、蓮ちゃん。卒業おめでとう」
春ちゃんと羽姉が、俺と小咲の卒業を祝ってくれる。
「ありがとう、春、羽さん」
「サンキュ。春ちゃん、羽姉」
今後の進路としては、俺は
「つっても、いつもほぼ一緒にいるからお別れって気はしないけどな」
春ちゃんが卒業した所で、俺たち四人で同棲ということが決まっていたりする。
「そ、そうだけど。形だけって事だよ、蓮君」
「そ、そうだな。悪い、水を差して」
焦った俺を見て、苦笑する羽姉たち。
「それじゃあ、俺と小咲はそろそろ教室に戻るな」
「うん。また放課後だね」
「ん、りょうかい。お姉ちゃん、蓮さん」
「じゃあ、一旦解散しようか」
俺たちは各教室、職員室へ歩き出した。――――そう、俺たちは一歩を踏み出したのだ。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~数年後、とある屋敷~
「蓮坊ちゃん!こちらの書類の確認が終わりました!」
「若!こちらの確認もお願ぇしやす!」
「お、お前ら!
そう。俺は一年弱で勉強を終え、羽姉の跡を継ぎ
「……呼び方は何でもいいから、早く書類を持ってこい」
そう言って、俺は溜息を吐くのだった。
ともあれ、野郎共から書類を受け取る。
「蓮ちゃん、居る?」
そう言って襖を開けて入って来たのは、ラフな恰好で、今は『王妃』と呼ばれる “羽姉”である。ちなみに、小咲が『王女』で、春ちゃんが『姫』である。
「「「王妃、お疲れ様です!」」」
野郎共にそう言われた羽姉は「お疲れ様」と言って苦笑した。
ともあれ、俺を見つけた羽姉は、俺の元まで歩み寄り、
「はいこれ、探してた書類。わたしの部屋にあったよ」
「ああ、サンキュ」
書類を受け取る俺。
「そういえば蓮ちゃん。小咲ちゃんと春ちゃんが捜してたよ。たぶん、新作の味見だと思うけど」
そう。小咲と春ちゃんは、
「了解した。仕事も一段落したし、小咲たちの元に行きますか」
そう言って、書類を片付ける俺。
「ん、りょうかい。皆も、もう少しで新作の和菓子が出来るから、楽しみにしててね」
「「「へい!王妃!」」」
そんな野郎共に手を上げながら、俺と羽姉は部屋を後にし、屋敷を出た所にある“和菓子屋おのでら”に向かうのだった。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
~和菓子屋、おのでら~
扉を開け、店の中に足を踏み入れた俺と羽姉。
「小咲、春ちゃん。来たぞ」
「わたしも居るよー」
厨房から、パタパタと姿をやって来たのは、
「蓮君、羽さん、いらっしゃい。早速、新作の味見をして欲しんだけど」
「今回も、わたしとお姉ちゃんの力作です!食べて見て」
俺と羽姉は、春ちゃんと小咲が持ってきた器の中から和菓子を手で取り、口に運ぶ。
何度か咀嚼した所で、餡子のほろ苦い甘さと、外側の饅頭が柔らかくて、かなりの品になってると思う。つい、歯止めが効かなくなってしまう和菓子とも言えるかも知れないが。
「ん、わたしのは抹茶味だね。とっても美味しいよ!」
「ああ。これなら商品として売っても問題ないと思うぞ。きっと、野郎共の舌を呻らせる事もできるはずだ」
「じゃあ、もうちょっと味を増やさないと。――お姉ちゃん、もうちょっとだよ」
「う、うん。頑張ろうね、春」
俺は、俺と一生を添い遂げてくれる彼女たち、俺たちを支えてくれる人たちを大切にする。俺はそれを心に刻み毎日を生きていこう。彼女たちとの手を放さないように――。
これにて完結です。
なんか、打ち切りのような終わり方になってしまった。後、マリーごめんさい!!
まああれですね、そこは作者の力量の足りなさですね(^_^;)
では、また機会があればよろしくお願いします!!