ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

70 / 72
投稿が遅れて申し訳ない……。
てか、そろそろ完結が見えてきました。


第70話 ソウダン

 ~とある公園~

 

 俺、集、楽は、手摺に体を預けていた。

 

「いやぁ楽。随分悩んでる顔をしてますなぁ!どう思います、蓮さんや」

 

「まあそうだな。で、楽。俺たちに相談ってなんだ?」

 

 楽は、口をもごもごして口を開く。

 

「昨日色々あって、オレは、2人の女の子を好きになった自分の気持ちに気づいちまったんだ。正直、そんな気持ちは初めてだし、正直解んなかったし、解りたくなかった」

 

 俺は、いや。と前置きをし、

 

「別に2人を好きなっても良い思うぞ。俺みたいな優柔不断の男が居るんだし」

 

 自分でそれ言っちゃうのか。と、集が呟いていたが。

 まあ、世間一般で言うと、俺は最低野郎だからなぁ……。

 

「楽の気持ちは真剣なんだろ?だったら、蓮のように股を掛けちゃえばいいじゃない!これからは2倍ドキドキ出きるんだぜ、最高じゃん!な、蓮さんや」

 

 集が、楽にそう言う。てか、最後は俺に振るのかよ……まあいいけど。

 

「そうだな。集の言うことは、強ち間違えじゃない。その分、その子たちを心から愛する。っていう前提があるけどな」

 

「さすが経験者は違うねぇ。噂では、すでにプロポーズを済ませてるとか」

 

 ……いや、集さん。何でそれを知ってるの?

 集の情報網はバカにできないからなぁ。まあどっかから漏れたんだろ。てか、気づかれても問題ないしね。

 

「……そうだけど、何処情報だよ」

 

 企業秘密だよ~。と、答えをはぐらかす集。

 ともあれ、今は楽の相談である。

 

「俺のことは置いといてだ。で、楽はこれからどうするか具体的に決まってるのか?」

 

「いや、具体的には……オレは、蓮たちのように楽観的に考えられねぇよ。オレ、2人を裏切ってるようで……」

 

 何か、俺は楽にディスられてる?ように聞こえるが、世間では当然なことかも知れないので、聞き流すことにした。でもまあ、楽には2人を選ぶっていう選択肢はないだろうなぁ。……いや、たぶんだが。

 すると、集が口を開く。

 

「でも楽。人を好きになることは素晴らしいことさ。――今の楽に大切なことは、その2人から1人を、きちんと選ぶことじゃないかな」

 

 ともあれ、俺が、

 

「俺が言えることじゃないかも知れんが、楽が悩んで納得した方と結ばれる。それが、ケジメになるんじゃないないか?……まあ、知らんけど」

 

「……最後の言葉がなかったら、最高だったと思うがなぁ」

 

 と、集。

 まあうん、断言できないし仕方ない。それにしても、俺たちはもう3年であり、意外に時間は短いのかも知れん。

 

「……いや、そうだよな。オレ、集たちに相談してよかったよ」

 

「……そうか、頑張れよ」

 

「うむ。オレも応援してるよ、楽」

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 あれから色々あったらしく、その期間で、楽たちのニセの恋人っていうことが鶫にバレたらしい。

 進路だが、小咲と春ちゃんは“和菓子屋おのでら”の継ぎ、羽姉は教師を続けるということだ。まあ、“和菓子屋おのでら”は、首領(ドン)の系列店に変わる違いがあるけど。ともあれ、俺は高校を卒業したら、首領(ドン)になる為に必要な1年間の修行期間になるらしい。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~夏休み、秘密の場所~

 

 俺たちは私服姿で、秘密の場所に集まりある話をしていた。

 

「俺の故卿に行ってみたい?まあ、俺はいいけど」

 

 俺の故卿になる場所は――天駒高原(てんくこうげん)という場所だ。

 と、春ちゃんが思い出したように、

 

「あ、私行ったことがあるらしいよ。小さい時だったから記憶薄れてきてるけど、私その高原で、楽しそうに特定の男の子遊んでたって、お母さんが言ってた」

 

 と、春ちゃん。

 ……いや、ちょと待て。その時の春ちゃんって、黒髪ストレートとかじゃないよね?俺、1日だけどその子と楽しく遊んだ記憶がある。……薄っすらな記憶なんだが。

 

「わ、私も行ってみたいかな……。私にとっては、12年前の思い出の場所らしいから」

 

 と、小咲。

 まあ確かに、天駒高原(てんくこうげん)は、姉貴、楽、橘、羽姉の思い出の場所。――鍵交換、施錠のやりとりもこの高原であった出来事らしい。

 

天駒高原(てんくこうげん)かぁ。私にとっては、蓮ちゃんとの思い出の場所でもあるんだよね……私と蓮ちゃん、この高原でたくさん遊んだよね。楽しかったなぁ」

 

 と、羽姉。でも羽姉と遊び終わって別れた後、俺は親父に引き取られて、桐崎家の義弟になったのだ。最近わかったことだが、俺の両親は日本のお偉いさんらしい。まあ、当時は色々と切羽詰まっていて、俺を施設に預けたのだろう。で、仕事が軌道に乗り、迎えに来たら俺は引き取られてたという事。

 

「俺も楽しかったよ。施設の先生も優しくしてくれたし……でも、もう残ってないだろうなぁ、施設。俺が最後だったらしいし」

 

 俺は一拍置き、

 

「久しぶりに天駒高原(てんくこうげん)に行ってみるか。当時のことをもっと思い出せるかも知れないし」

 

 俺がそう言うと、羽姉たちは「おー!」と賛同してくれた。

 ともあれ、週末に俺たちは天駒高原(てんくこうげん)に行くことに決まったのだった。




遂に出ましたね。思い出の場所“天駒高原”。
ちなみに、蓮君と羽姉は、“約3週間”は天駒高原で遊びました。写真を撮ったり、鬼ごっこをしたりと色々ですね。なので、はっきり蓮君は覚えてるってことです。
ではでは、次回もよろしくですm(__)m


追記。
蓮君の両親はお偉いさんの政治家ですね。蓮君の事情は知っており、蓮君の意思に任せるっていった所でしょうか。ちなみに、蓮くんは両親を恨んでいません。
まあ、政治家とヤクザにパイプができるのはいいことです(たぶん)

追々記。
羽姉は、鍵と錠の交換をした後、施設を見つけて蓮君と遊んだ感じです。羽姉の両親もご存命ってことです(まだこの時は)
その事もあり、羽姉は蓮くんの連絡先を知っていたってことですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。