ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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この小説も完結に近づいてきました。(今は原作の22巻)
……てか、蓮君のヒロインに万里花を入れることができなかったっス。期待して方ゴメンナサイ(^_^;)


第62話 コレカラ

 ~学校の屋上、昼休み~

 

「じゃあ、万里花ちゃんは通院っこと?」

 

 そう。橘は小さい時から病気を患っており、病院に通うことになったのだ。その病院の経営を行っているのは橘家らしい。だからまあ、本田さんの行動にも納得だった。おそらく、橘に治療を受けてもらいたい為、無理にでもあの結婚式に賛成していたのだろう。てか、結婚式を破壊した後、母親から『好きにしろ』って電話をもらったらしい。なので、捕まることなく病院に通えるってことだ。

 

「まあそうなるな。羽姉、まだ学校には通達がいってないのか?」

 

「うん、まだきてないよ。たぶん、今日の職員会議で通達されると思う」

 

 確かに、昨日の今日の、数時間では連絡は早すぎるわ。

 

「なるほどなぁ。てか、小咲も救出ごくろうさん」

 

「ううん。私は、あの料理を作っただけだし、万里花ちゃんを助けたのは一条君と蓮君だしね」

 

 すると、輪になって座り、弁当を食べていた春ちゃんが声を上げる。

 

「え、お姉ちゃん、あれをまた作ったの?」

 

 春ちゃんは、『うへー、食べた人はドンマイだなぁ』と言いたい表情だ。

 俺も一度口にしたことがあるが、あれはえげつない料理である。

 

「う、うん。また作るとは思ってなかったけど」

 

 小咲は苦笑だ。

 今なら、あの料理のえげつなさが解るのだろう。ちなみに、今の小咲の料理は、レストランで出しても金を取れると言っておこう。

 

「楽ちゃんは、千棘と万里花ちゃんをどう想い、どんな答えを出すんだろうね」

 

 確かに、羽姉の言う通り、俺も気になる事柄である。

 楽も裏を生きてく者なんだし、股にかけるのもアリだと、俺は思う。……でもまあ、俺が言える事じゃないんだが、客観的に見たら俺最低野郎だし。

 

「一条君は選ぶ選択を取ると、私は思うなぁ」

 

「お姉ちゃんの言う通り、一条先輩はその辺はきっぱり決めそうな感じだね」

 

「でも、私は蓮ちゃんが取った選択でもいいと思うけどなぁ。二股になっちゃうけど」

 

 羽姉、『蓮ちゃんの場合は三股だね』って笑顔でいうのは止めてくれ……。まあ、俺は今の選択をして後悔はしてないけど。でもまあ――、

 

「……小咲、春ちゃん、羽姉は、こんな俺を好きになって良かったのか……、やっぱ後悔してる、のか?」

 

「ううん、まったく。――私は、小咲ちゃんや春ちゃん、蓮ちゃんといれて幸せだよ。これ以上望むものはないよ。それに、昔からの願いも叶ったしね」

 

「私も後悔はしてないよ。こんな幸せの時間をくれて感謝しかないよ、蓮君」

 

「私も幸せだよ、蓮先輩。私は、お爺ちゃんお婆ちゃんになっても傍にいることを誓うよ」

 

「……ありがとう。必ず幸せにするよ」

 

 羽姉ちゃんたちは『楽しみしてるね』と言って、にっこり笑った。

 そんなこんなで昼休みが終わり、俺たちは各教室、職員室へ戻ったのだった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 学校が終わり、俺と小咲、春ちゃんは通学路の途中にある公園に赴いていた。ちなみに羽姉は、学校のことがあるのでこの場にはいない。

 

「少しだけ暖かくなってきたな」

 

「そっか。もう三月になるんだ。受験が近づいてくるね」

 

「私は、そろそろ二年生だよ。時の流れは早いかも。楽しければ尚更だよ」

 

 時より吹く風が頬に当たり、春の訪れを告げていた。

 

「ねぇ蓮君。私たちは蓮君と結婚したら、どうなるのかな?」

 

「あ、それ。私も気になる」

 

「ほぼいつもと変わらないぞ。大学受験を受けても、就職しても大丈夫だぞ」

 

 俺は叉焼会(チャーシューかい)首領(ドン)になるが、羽姉たちを束縛する気はない。

 少し変わるとしたら、羽姉たちの籍を叉焼会(チャーシューかい)に置くくらいだと思う。まあ帰る家は皆同じだけど。

 

「じゃあ、私たちは就職かも」

 

「そうだね。私と春は、『和菓子屋おのでら』を二人で継ぐって決めてるから。……それでも大丈夫かな。個人経営で、資金とかその他諸々があるけど」

 

「二人の進路は決まってるのか。そういうことなら、『和菓子屋おのでら』は俺が買い取る(・・・・)から心配すんな」

 

 まあ、大学進学や、他の企業に就職だった場合も、護衛は数人置いたと思うが。ちなみに、羽姉は結婚後、教師を続ける感じだ。

 小咲と春ちゃんは目を丸くしたが『そっか』と言い、微笑んだ。




今回の話で、進路希望の話も書いちゃいました。

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