……てか、蓮君のヒロインに万里花を入れることができなかったっス。期待して方ゴメンナサイ(^_^;)
~学校の屋上、昼休み~
「じゃあ、万里花ちゃんは通院っこと?」
そう。橘は小さい時から病気を患っており、病院に通うことになったのだ。その病院の経営を行っているのは橘家らしい。だからまあ、本田さんの行動にも納得だった。おそらく、橘に治療を受けてもらいたい為、無理にでもあの結婚式に賛成していたのだろう。てか、結婚式を破壊した後、母親から『好きにしろ』って電話をもらったらしい。なので、捕まることなく病院に通えるってことだ。
「まあそうなるな。羽姉、まだ学校には通達がいってないのか?」
「うん、まだきてないよ。たぶん、今日の職員会議で通達されると思う」
確かに、昨日の今日の、数時間では連絡は早すぎるわ。
「なるほどなぁ。てか、小咲も救出ごくろうさん」
「ううん。私は、あの料理を作っただけだし、万里花ちゃんを助けたのは一条君と蓮君だしね」
すると、輪になって座り、弁当を食べていた春ちゃんが声を上げる。
「え、お姉ちゃん、あれをまた作ったの?」
春ちゃんは、『うへー、食べた人はドンマイだなぁ』と言いたい表情だ。
俺も一度口にしたことがあるが、あれはえげつない料理である。
「う、うん。また作るとは思ってなかったけど」
小咲は苦笑だ。
今なら、あの料理のえげつなさが解るのだろう。ちなみに、今の小咲の料理は、レストランで出しても金を取れると言っておこう。
「楽ちゃんは、千棘と万里花ちゃんをどう想い、どんな答えを出すんだろうね」
確かに、羽姉の言う通り、俺も気になる事柄である。
楽も裏を生きてく者なんだし、股にかけるのもアリだと、俺は思う。……でもまあ、俺が言える事じゃないんだが、客観的に見たら俺最低野郎だし。
「一条君は選ぶ選択を取ると、私は思うなぁ」
「お姉ちゃんの言う通り、一条先輩はその辺はきっぱり決めそうな感じだね」
「でも、私は蓮ちゃんが取った選択でもいいと思うけどなぁ。二股になっちゃうけど」
羽姉、『蓮ちゃんの場合は三股だね』って笑顔でいうのは止めてくれ……。まあ、俺は今の選択をして後悔はしてないけど。でもまあ――、
「……小咲、春ちゃん、羽姉は、こんな俺を好きになって良かったのか……、やっぱ後悔してる、のか?」
「ううん、まったく。――私は、小咲ちゃんや春ちゃん、蓮ちゃんといれて幸せだよ。これ以上望むものはないよ。それに、昔からの願いも叶ったしね」
「私も後悔はしてないよ。こんな幸せの時間をくれて感謝しかないよ、蓮君」
「私も幸せだよ、蓮先輩。私は、お爺ちゃんお婆ちゃんになっても傍にいることを誓うよ」
「……ありがとう。必ず幸せにするよ」
羽姉ちゃんたちは『楽しみしてるね』と言って、にっこり笑った。
そんなこんなで昼休みが終わり、俺たちは各教室、職員室へ戻ったのだった。
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学校が終わり、俺と小咲、春ちゃんは通学路の途中にある公園に赴いていた。ちなみに羽姉は、学校のことがあるのでこの場にはいない。
「少しだけ暖かくなってきたな」
「そっか。もう三月になるんだ。受験が近づいてくるね」
「私は、そろそろ二年生だよ。時の流れは早いかも。楽しければ尚更だよ」
時より吹く風が頬に当たり、春の訪れを告げていた。
「ねぇ蓮君。私たちは蓮君と結婚したら、どうなるのかな?」
「あ、それ。私も気になる」
「ほぼいつもと変わらないぞ。大学受験を受けても、就職しても大丈夫だぞ」
俺は
少し変わるとしたら、羽姉たちの籍を
「じゃあ、私たちは就職かも」
「そうだね。私と春は、『和菓子屋おのでら』を二人で継ぐって決めてるから。……それでも大丈夫かな。個人経営で、資金とかその他諸々があるけど」
「二人の進路は決まってるのか。そういうことなら、『和菓子屋おのでら』は俺が
まあ、大学進学や、他の企業に就職だった場合も、護衛は数人置いたと思うが。ちなみに、羽姉は結婚後、教師を続ける感じだ。
小咲と春ちゃんは目を丸くしたが『そっか』と言い、微笑んだ。
今回の話で、進路希望の話も書いちゃいました。