誕生会当日、俺と楽は、集英組の厨房で料理作りに勤しんでいた。てか、厨房に立ってるのが7人って、料理人少な過ぎない。まあ、他の野郎共も料理の事はからっきしだから仕方ないと思うが。
ちなみに今日は、各国から
とまあ、そんなことを考えていたら、オーブンで温めていた茶碗蒸しができあがった。
「うし、楽。最後の料理ができたぞ」
「ああ。オレの担当の料理も完成だ」
ともあれ、できた料理をお盆に乗せ、居間へ向かう俺たち。
途中でバッタリ会った羽姉は、
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長テーブルに最後の料理をお盆から乗せ、全ての料理の完成である。
「……ふぅ、終わった」
「……だな。ここまで動くとは、予想外だったよ」
「まあ、野郎共が料理を作れないのは想定済みだったろ。流石に、ビジネスホテルの料理人を引っ張って来る訳にはいかないしな」
最悪、営業妨害になっちゃうしね。
楽が同意した時、玄関から『お邪魔しまーす』という声が聞こえてくる。どうやら、招待していた小咲たちが到着したらしい。
玄関で靴を脱ぎ、此方に歩み寄る小咲と春ちゃん。
「蓮君、大変そうだね。手伝おうか?」
「お、お姉ちゃん、抜け駆けはダメだよ。れ、蓮さん、私も手伝うよ」
そう言ってくれる、小野寺姉妹。
てか、今更だけど、羽姉、小咲、春ちゃんは俺の恋人なんだよな。まあ、世間では三股野郎だけど。既に開き直った俺は気にしてない。
「大丈夫だ。今はパーティーを楽しめ。何かあったら呼ぶからさ」
「「はーい」」
……流石姉妹。息がぴったりだね。
――閑話休題。
それにしても、成人の儀式はしっかりしてるもんだなぁ……。つーか、
ちなみに、小咲と春ちゃんは、『王女』と『姫』らしい。まだ、羽姉ちゃんは『
「(……姉貴、巨大ケーキをわきから食べすぎだ)」
てか、楽。姉貴のこと、露骨に逸らしすぎだ。意識し始めたから仕方ないと思うけど。もう少しナチュラルにな……。
まあそれは置いといて、左側のケーキ部分がなくなり、バランスを崩し倒れ始める。落下地点には、俺、楽、羽姉、姉貴だ。
あー、これは避けられないと。俺は内心で思い、ケーキをほぼ顔面から被ったのだった。……つか、甘ぇ……。
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~風呂場、浴槽の中~
「……マジで酷い目にあった」
「姉貴も悪気があったわけじゃないし、許してやれよ」
「そうなんだけど。……てか、蓮。最近気になってきたんだけどよ、蓮と羽姉って付き合ってるのか?」
「まあな。つか、半年前から付き合ってたぞ」
小咲とも半年前で、春ちゃんとは約四ヶ月前くらいか?
「んで、楽はどうすんだ?姉貴と橘のこと」
「……なんで橘も出てくんだよ……」
成程なぁ。楽の中では、姉貴の事で一杯一杯なのかぁ。まあでも、楽は股にかける選択は取らなそう。
何というか、律儀というか、紳士というか。まあ、それが楽の魅力なんだと思うが。
ともあれ、風呂から上がり、楽から借りた浴衣?を脱衣所で、下着と共に着る俺。
脱衣所から出て、会場に続く廊下を歩いていたら、
「で、何の用だ。
「……今日は剣舞に大事な話があるね」
「……大事な話?」
俺は目を細める。
「そうね。実は、
「そりゃ決まってるだろ。そんな縁談、俺が――潰してやる……。羽姉が俺以外の奴と一緒になるとか嫌だし……」
潰すのには、お袋のバックアップとビーハイブの力があれば問題ないだろう。
まああれだ。お袋と親父に貸しを作っておいて正解だった。という事だ。ガキの言葉で、組織が動くのは有り得ないしね。
小咲と春ちゃんにこんな話が来ても、縁談ごと潰すけど。
「今のは
「で、俺は合格か?」
「合格よ。
すると、夜はこの場から姿を消した。
まあそうだよな。羽姉も20歳になった事だし、
「(……にしても、
やはり、羽姉の護衛なんだなと。改めて実感した瞬間でもあった。
俺は嘆息してから、会場へ足を進めるのだった。
てか、会場に戻った時、俺が羽姉に、『成人式の付添お願いね』って笑顔で言われてもねぇ。俺、まだ未成年だぞ……。
蓮君は楽に、羽姉のことしか伝えてませんね。蓮君の事情を知ると、頭がパンクしちゃうので(^_^;)
ちなみに、羽姉がうっかり蓮君たちの事を漏らしてしまい、瞬く間に野郎共に知られちゃいました(笑)
で、小咲と春ちゃんの二つ名?が『王妃』と『姫』ですね。
てか、この20巻で羽姉に不幸が訪れる筈ですが、この小説では起こらないので、胃?が痛くなりませんね(笑)