クリスマスが過ぎ、年が明け、俺は羽姉と神社に参拝に行く事になった。
つーか、何で俺は袴なの?まあいいけどさ。
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神社の鳥居を潜ると、そこにはいつものメンバーが着物姿で待っていた。全員集合は、サプライズも兼ねてるらしい。てか、楽と集は私服じゃん。
俺も私服がよかったな~。ってぼやくが、今更である。
「蓮さん蓮さん、どう?似合ってるかな?」
春ちゃんは、俺の姿を見つけそう言った。いやまあ、かなり似合ってるが。
ちなみに着物は、ピンク色を基調にし、所々に花柄を刺繍してある。
俺は軽い口調で、
「はいはい。似合ってますよ。世界一可愛いよ。春ちゃん」
「……完全に棒読みだよね、蓮さん」
「い、いやー、春ちゃんは何着ても似合うしな。うん」
春ちゃんたちは素材がいいし、何着ても似合うと思う。
春ちゃんは唇を尖らせて、
「……そういう事にしといてあげる。せ、先輩も、カッコいいです……」
頬を赤く染めないでくれ。俺も恥ずかしくなるから……。
「お、おう。サンキュー」
それから皆で、新年の挨拶を済ませる。つか、橘が居ないのは以外だった。
どうやら、旅行の疲れが出てしまったようで、大事を取って休むだそうだ。理由は、楽を攫って南国に行ったのは良いが、海上を楽と漕いでたボートが沈み、無人島に流されたかららしい。
まあ、本田さんが翌日に見つけたくれたお陰で、急死を脱したらしいが。
「(それにしても、南国か……。新婚旅行、どこがいいだろか?)」
そんな事を考えていたら、小咲に袖を、くいくいと掴まれた。
「蓮君、クリスマスの日以来だね」
「だな。年末のごたごたがあって、デートができなかったしな」
小咲も春ちゃんと同じく、ピンク色を基調にした着物で、所々に花柄を刺繍してある。
小咲はこの場で一回転した。
「どうかな?」
「似合ってる。可愛いよ」
その時、小咲の隣にいる春ちゃんが、
「ちょ、蓮さん。私の時は棒読みだったのに」
俺は春ちゃんの頭に右手掌を乗せ優しく撫でると、春ちゃんは小猫のように目を細めた。
「ちょと意地悪だったな。うん、春ちゃんも可愛いよ。流石姉妹」
「しょ、しょうがないな。許してあげます」
春ちゃんは、ぷんぷんと怒る。
あれだ。羽姉と小咲にはない、ツンデレ属性というやつだろうか?まあ、そんな所も可愛いんだけど。
「そういえば蓮さん。蓮さんはどんなお願いをするの?」
「まああれだ。日本の法律追加についてだな」
「法律?」
これを聞いてた羽姉が、
「春ちゃん。蓮ちゃんの願いは、将来重婚がOKになりますように。だよ」
お、おう。その通りです羽姉。……俺の考えは、羽姉にダダ漏れだったりすんの?まあ漏れても、別にいいんだけどね。
……うん、小野寺姉妹が顔を赤く染めました。おそらく、結婚生活でも想像したのかな?
「あ、そういえば私、千棘ちゃんに呼ばれてるんだったっ」
話によると、姉貴は小咲に何かの相談をしたいらしい。
姉貴の相談は、楽のことについてだろう。
なんつーか、引越し騒動の後、姉貴が楽と歩いている時に告白されたらしい。告白つっても――『
ちなみに、俺は姉貴から相談された時、的確なアドバイスはできたと思う。んで、聞き終わったあと姉貴は頷き、『女の子の意見も必要だよねっ』って言ったんだった。その女の子こそが、小咲という事だろう。ともあれ、参拝が終わった所で、自由行動になった。
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「んで、集。どうしたんだ、俺を呼び出して?」
俺と集が今居る場所は、参拝場所から少し離れた所だ。
楽は姉貴たちと話しているので、この場には居ないが。
「蓮は、小野寺たちと上手くやってるのか気になって。何かあったら、アフターケアを手伝えると思ってな。余計なお世話かもしれないけど」
本当、集は優しい。
ここまで気にかけてくれる友人は、そうは居ないと思う。
「あ、ああ。そういう事。それなら心配すんな。もう、将来一緒になる事も決まってるしな」
「お、おう。もうそこまでいってんのか。てか、高校生で結婚の話か。凄ぇな、蓮」
「そうか?集が言うんだから、そうかも知れんが。――ま、俺よりもだ」
「楽のこと。だろ」
流石、集。やっぱ、解ってたか。
俺は頷き、
「ああ、そうだな。このままズルズルと引き延ばすのはよろしくないぞ。てか、きっと楽は、姉貴と橘、2人をほぼ同時に好きになってるぞ」
言い方は少し悪いが、と集は前置きし、
「蓮から見てもそうか。どこかでアクションをかけないと、泥試合になるぞ、これ」
俺は、うーん。と考え込んだ。
「……やっぱ、何かしらの手助けをした方がいいか?姉貴には、簡単なアドバイスはしたんだが」
「そうか。でも、大きな切っ掛けは必要になるかも。切っ掛け作りなら、問題ないんじゃないか?」
「……まあ、その辺が妥当か」
てことは、姉貴と橘は、今年が勝負の年になるのかもしれない。
その時、
『お――い!』
と、楽の声。
そちらを見たら、皆が集合してる所だった。
「んじゃ、行きますか。集さんや」
「だな。今年も色々とよろしくな、蓮」
皆の元に歩いて行く俺と集。
新年の挨拶を終えた俺たちは、新学期を迎えようとしていた。
蓮君。リア充やで(笑)
さて、今回の話で、集と蓮君の相談?がありましたね。楽は、いつ自分の気持ちに気づくんだろうか?
たぶん、次回はその辺の話になるかな。
ではでは、次回もよろしくです!!
追記。
蓮君たちは、小野寺姉妹と待ち合わせをしてた感じです。