ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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クリスマスイヴは、家族で過ごした設定です。
では、本編をどうぞ。


第53話 クリスマス#2

 俺、桐崎蓮は、ある一軒家のキッチンで和食を作り皿に盛り付けていた。

 メニューは、若芽の味噌汁に、焼きシャケ、白米だ。後はまあ、麦茶っていったところか。

 

「羽姉ー。飯できたぞー」

 

「はーい」

 

 テレビを見ていた羽姉は、キッチンに赴き、俺が作った料理をリビングの備え付けられているテーブルへ運ぶ。それから、対面になり、テーブルの椅子に座るに俺と羽姉。

 ――そう、俺は引越し騒動の後、羽姉の自宅に居候しているのだ。

 

「わぁ美味しそう。和食では、確実に蓮ちゃんの方が上だよ」

 

「そうか?いつも通り作ってるだけなんだが」

 

 まあでも、野郎共に好評だった。

 何でも『坊ちゃんの料理は、毎日食べても飽きねェです』という事らしい。

 

「にしても、この年(未成年)で同棲するとはなぁ。世の中、何が起こるか解らんものだ」

 

「でも、結婚したら毎日一緒だし、未成年の内でも問題ないと思うけど」

 

「……まあその通りなんだが」

 

 ちなみに、同棲を始めて一週間だ。その間、まあ色々あった。家事や風呂の順番決めとか。

 ……後はあれだ。うん。

 

「……今日は風呂に入ってくるなよ。俺の理性が持たん」

 

「えー、いいじゃん。バスタオル巻いてるし」

 

 羽姉は平然と答える。

 

「それでも、素っ裸同然なんだよっ。未成年で、大人の階段を上るのはダメだからねっ」

 

 ……いやね、羽姉も未成年なんだからね。そこの所解ってるの?

 

「わかってるって、心配しないで。抜け駆けはするつもりはないから。やっぱり、みんな一緒じゃないとね♪」

 

「……それならいいけど」

 

 ……つーか、成人したらそれが起きるって事だよね……。俺、死んだりしないよね?大丈夫だよね?

 ともあれ、覚悟を決めた所で、俺は箸を持ち夜食を食べるのであった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 夜食を食べ終わった所で、羽姉が口を開く。

 

「そういえば、蓮ちゃん。クリスマスイヴはどうするの?」

 

「お袋が帰ってくるから、その日は家族水入らずで過ごすって感じか。まあでも、クリスマスの日は予定が空く感じだと思う。てか、意地でも空ける」

 

「そっか。クリスマスの日、みんなでショッピングモールの大きなツリーを見に行かない」

 

「そういえば、デカイもみの木が展開されてたな。飾り付けとか、その他諸々はしてなかったけど」

 

 羽姉の話によると、クリスマスイヴの日に完成し、夜にお披露目らしい。ちなみに、イブの日から一週間展開されるという事だ。

 

「で、どうかな?」

 

「いいぞ、行こうか。約束でもあるし」

 

 当然、春ちゃんにも声をかけるけどね。

 空いた皿を流しに持って行き、羽姉と洗い物をした後ソファーで寛いだ俺は、今日の話を二人にメールをしたところ、小咲と春ちゃんからはOKと二つ返事で返信がきた。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 ~クリスマス当日~

 

 俺と羽姉は、待ち合わせ場所である噴水広場で、小咲と春ちゃんの到着を待っていた。てか、回りを見る限り、カップル多過ぎない?

 

「……リア充ばっかだな。爆発しろ」

 

「……蓮ちゃん。それってブーメラン発言だよ。ハーレムを築いてる時点で、蓮ちゃんもリア充だからね」

 

「……まあ、そうかも知れんが」

 

 そうこうしている間に、小咲と春ちゃんが到着した。

 ちなみに、羽姉たちの恰好は、マフラーを首に巻き、ミニワンピースの上にふんわりとしたコートを羽織り、下はブラウンのブーツ、ショルダーバックだ。

 対して俺は、タートルネックにミリタリージャケットを羽織り、下はスキニーパンツにチャッカブーツ。

 

「(なんつーか、皆ほぼ同じ恰好だから三姉妹みたいだなぁ)」

 

 ってのが、俺の感想である。結論から言えば、皆可愛いって事だ。てか、小咲と春ちゃんに感想を聞かれ、可愛いよ。って返したら顔を桜色に染めた。『じゃあ、羽姉は』と思うが、羽姉は耐性?ができているのか、平静を保っていた。

 ともあれ、ショッピングモールに入り、中央に鎮座するツリーの元へ向かう俺たち。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「わあ綺麗。ね、先輩」

 

 春ちゃんが感嘆の声を上げる。春ちゃんが言うには、『まだ、先輩って口癖がでちゃうんだ』という事らしい。まあ、嫌な気は更々ないから、別にいいんだけどね。

 つか、このツリーをカップルで見る事ができると、一生幸せになるっていう噂もあるらしい。俺は信じないけど、己の行動が全てだと思ってる。まあ、恋人までこぎつけるのに、俺のヘタレも多々発動したけどさ……。

 

「いや、春ちゃんの方が綺麗だよ」

 

 平然と言う俺。んで、ビクと肩を震わせる春ちゃん。

 

「ま、またまた~、ご冗談を」

 

 ……いや、冗談じゃないんだが。てか、皆の方が、この場に居る女子より可愛いと思う。いやまあ、俺の偏見だったアレだけど。

 

「蓮君。イルミネーションは20時かららしいよ」

 

 小咲が言うには、イルミネーションは今から1時間後という事だ。

 すると羽姉が提案する。

 

「それまで、みんなでデートしよっか」

 

 ともあれ、時間までデートをする事になった俺たち。

 羽姉と春ちゃんが先頭を歩き、俺がその後ろを歩いていると、小咲が俺の隣まで寄り添う。

 

「今日は誘ってくれてありがと」

 

「去年の約束もあったし、誘うのは当然だろ」

 

 春ちゃんもな。と付け加える俺。

 小咲は微笑み、

 

「そっか。春も楽しみにしてたしね。『蓮さんとデートだよ。お姉ちゃんたちもだけどね』って」

 

「そうか。それはよかった」

 

「ふふ、蓮君の女の子タラシめ」

 

「俺はタラシじゃな…………いや、タラシかもな」

 

 俺は『タラシじゃない』と言おうとしたが、今まで事を鑑みると、完全にタラシである。

 それからは、皆で記念写真を撮り、時間に近づいてきた所でツリーの場所まで戻った。

 時間の20時に時計の針が差し、ツリーのイルミネーションが始まる。それはとても幻想的であり、俺たち4人の思い出に刻まれたのだった。




蓮君、ハーレムデートやで(≧∀≦*)つか、人を沢山動かすのは難い(>_<)
さて、この小説も終盤まで差し掛かってきました。

20巻のアレは起きないので、一安心ですな。
次回は新年まで飛びそう?まあ未定ですな。

ではでは、次回もよろしくです!!

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