では、本編をどうぞ。
俺、桐崎蓮は、ある一軒家のキッチンで和食を作り皿に盛り付けていた。
メニューは、若芽の味噌汁に、焼きシャケ、白米だ。後はまあ、麦茶っていったところか。
「羽姉ー。飯できたぞー」
「はーい」
テレビを見ていた羽姉は、キッチンに赴き、俺が作った料理をリビングの備え付けられているテーブルへ運ぶ。それから、対面になり、テーブルの椅子に座るに俺と羽姉。
――そう、俺は引越し騒動の後、羽姉の自宅に居候しているのだ。
「わぁ美味しそう。和食では、確実に蓮ちゃんの方が上だよ」
「そうか?いつも通り作ってるだけなんだが」
まあでも、野郎共に好評だった。
何でも『坊ちゃんの料理は、毎日食べても飽きねェです』という事らしい。
「にしても、
「でも、結婚したら毎日一緒だし、未成年の内でも問題ないと思うけど」
「……まあその通りなんだが」
ちなみに、同棲を始めて一週間だ。その間、まあ色々あった。家事や風呂の順番決めとか。
……後はあれだ。うん。
「……今日は風呂に入ってくるなよ。俺の理性が持たん」
「えー、いいじゃん。バスタオル巻いてるし」
羽姉は平然と答える。
「それでも、素っ裸同然なんだよっ。未成年で、大人の階段を上るのはダメだからねっ」
……いやね、羽姉も未成年なんだからね。そこの所解ってるの?
「わかってるって、心配しないで。抜け駆けはするつもりはないから。やっぱり、みんな一緒じゃないとね♪」
「……それならいいけど」
……つーか、成人したらそれが起きるって事だよね……。俺、死んだりしないよね?大丈夫だよね?
ともあれ、覚悟を決めた所で、俺は箸を持ち夜食を食べるのであった。
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夜食を食べ終わった所で、羽姉が口を開く。
「そういえば、蓮ちゃん。クリスマスイヴはどうするの?」
「お袋が帰ってくるから、その日は家族水入らずで過ごすって感じか。まあでも、クリスマスの日は予定が空く感じだと思う。てか、意地でも空ける」
「そっか。クリスマスの日、みんなでショッピングモールの大きなツリーを見に行かない」
「そういえば、デカイもみの木が展開されてたな。飾り付けとか、その他諸々はしてなかったけど」
羽姉の話によると、クリスマスイヴの日に完成し、夜にお披露目らしい。ちなみに、イブの日から一週間展開されるという事だ。
「で、どうかな?」
「いいぞ、行こうか。約束でもあるし」
当然、春ちゃんにも声をかけるけどね。
空いた皿を流しに持って行き、羽姉と洗い物をした後ソファーで寛いだ俺は、今日の話を二人にメールをしたところ、小咲と春ちゃんからはOKと二つ返事で返信がきた。
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~クリスマス当日~
俺と羽姉は、待ち合わせ場所である噴水広場で、小咲と春ちゃんの到着を待っていた。てか、回りを見る限り、カップル多過ぎない?
「……リア充ばっかだな。爆発しろ」
「……蓮ちゃん。それってブーメラン発言だよ。ハーレムを築いてる時点で、蓮ちゃんもリア充だからね」
「……まあ、そうかも知れんが」
そうこうしている間に、小咲と春ちゃんが到着した。
ちなみに、羽姉たちの恰好は、マフラーを首に巻き、ミニワンピースの上にふんわりとしたコートを羽織り、下はブラウンのブーツ、ショルダーバックだ。
対して俺は、タートルネックにミリタリージャケットを羽織り、下はスキニーパンツにチャッカブーツ。
「(なんつーか、皆ほぼ同じ恰好だから三姉妹みたいだなぁ)」
ってのが、俺の感想である。結論から言えば、皆可愛いって事だ。てか、小咲と春ちゃんに感想を聞かれ、可愛いよ。って返したら顔を桜色に染めた。『じゃあ、羽姉は』と思うが、羽姉は耐性?ができているのか、平静を保っていた。
ともあれ、ショッピングモールに入り、中央に鎮座するツリーの元へ向かう俺たち。
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「わあ綺麗。ね、先輩」
春ちゃんが感嘆の声を上げる。春ちゃんが言うには、『まだ、先輩って口癖がでちゃうんだ』という事らしい。まあ、嫌な気は更々ないから、別にいいんだけどね。
つか、このツリーをカップルで見る事ができると、一生幸せになるっていう噂もあるらしい。俺は信じないけど、己の行動が全てだと思ってる。まあ、恋人までこぎつけるのに、俺のヘタレも多々発動したけどさ……。
「いや、春ちゃんの方が綺麗だよ」
平然と言う俺。んで、ビクと肩を震わせる春ちゃん。
「ま、またまた~、ご冗談を」
……いや、冗談じゃないんだが。てか、皆の方が、この場に居る女子より可愛いと思う。いやまあ、俺の偏見だったアレだけど。
「蓮君。イルミネーションは20時かららしいよ」
小咲が言うには、イルミネーションは今から1時間後という事だ。
すると羽姉が提案する。
「それまで、みんなでデートしよっか」
ともあれ、時間までデートをする事になった俺たち。
羽姉と春ちゃんが先頭を歩き、俺がその後ろを歩いていると、小咲が俺の隣まで寄り添う。
「今日は誘ってくれてありがと」
「去年の約束もあったし、誘うのは当然だろ」
春ちゃんもな。と付け加える俺。
小咲は微笑み、
「そっか。春も楽しみにしてたしね。『蓮さんとデートだよ。お姉ちゃんたちもだけどね』って」
「そうか。それはよかった」
「ふふ、蓮君の女の子タラシめ」
「俺はタラシじゃな…………いや、タラシかもな」
俺は『タラシじゃない』と言おうとしたが、今まで事を鑑みると、完全にタラシである。
それからは、皆で記念写真を撮り、時間に近づいてきた所でツリーの場所まで戻った。
時間の20時に時計の針が差し、ツリーのイルミネーションが始まる。それはとても幻想的であり、俺たち4人の思い出に刻まれたのだった。
蓮君、ハーレムデートやで(≧∀≦*)つか、人を沢山動かすのは難い(>_<)
さて、この小説も終盤まで差し掛かってきました。
20巻のアレは起きないので、一安心ですな。
次回は新年まで飛びそう?まあ未定ですな。
ではでは、次回もよろしくです!!