~四時限目のHR~
「修学旅行の班決めねぇ。自由に決めたらダメなのか?」
「平等にクジ引きで決めるらしいわよ、蓮!」
修学旅行は一泊二日らしい。んで、今日は集団行動の班決めである。つーか、班決めは今年から完全クジ引き制になったらしい。
すると、ひそひそ声で小咲が、
「(ね、自由行動では二人で行動する?)」
「(……前の小咲からは想像できない発言だな)」
「(えっへん!女の子は日に日に強くなるのだ)」
「(……小咲さん。それ、キャラ崩壊してるよね。ま、自由行動では二人で回ろうか)」
まあでも、話によると恋愛祈願の神社に行きたいらしい。『必要なくね』と言った所、『女の子はこういうのは気になっちゃうの』って事らしい。形だけでも。という意見もあったけど。
ちなみに、クジ引きの結果は、楽を除く俺たちはいつものメンバーである。楽は、完全にいじけてしまっている。……まあうん、ドンマイ。
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~修学旅行、当日~
俺は現在、新幹線の通路側に座り外を眺めていた。
ちなみに、席はボックス席であり、姉貴、小咲、俺、楽である。隣のボックス席は、集や橘たちである。
「見て見て、蓮君!富士山だよ!写真撮ろうよ!」
「あ、ああ。構わないぞ」
そう言ってから、小咲は姉貴にデジカメを渡す。でまあ、俺が窓際に移動し、富士山が後ろになるようにする。あれだ、ほぼ密着状態である。
姉貴の「ハイ、チーズ」という合図の元、写真が撮られた。
それからも談笑をし、時間を潰しながら京都駅に到着し、清水寺、北野天満宮など、京都の名所に回ってから、予約したホテルで一泊した。
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~修学旅行、二日目~
現在、いつものメンバーは阿波弥大参寺という寺に訪れていた。まあ、2人行動で向かった先に、皆が居たって感じなんだが。
「で、ここは何の寺なんだ」
「わたしが恋愛享受のお寺があるって言ったでしょ。そこの寺が此処だよ」
「なるほどね。だから、橘と姉貴はあんなに必死なのな」
そう、姉貴と橘は、恋の矢?的な物を楽にぶっ放している。なんつーか、縁結びに強力な矢だとか。
「んで、小咲は見てるだけでいいのか?」
「う、うん。もう結ばれてるしね。お守りを買うだけでいいかな」
「お、おう。そうか」
「うん!羽さんと春の分もどうかな?」
「そうだな。いいんじゃないか」
そう言ってから、お守りを買いに行く俺たち。にしても後ろでは大乱闘?が行われているが放っといていいのだろうか?まあ、あの中に飛び込む勇気は持ち合わせてないけど。
ともあれ、その場を後にする俺たち。
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阿波弥大参寺を後にした俺たちは、ホテルに戻ろうとした時に、その途中の大通りで着物レンタル店を見つけた。
「着物レンタル店か……記念に写真でも撮るか?まあ、小咲は着物を着たばっかりだけど」
「全然構わないよ。蓮君は、袴って事だよね?」
「まあ、置いてあればだけどな」
「そっか。なら、行こうよ」
それから俺たちはレンタル店へ入って行く。
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店内を回って見つけたのは、黒色の袴と、ピンク色を基調にし様々な花があしらってある着物だ。
「んじゃ、俺はこれにするな」
「じゃあ、わたしはこれだね」
という事なので、選んだ着物、袴を持って試着室へ入っていく俺たち。
着替えが終わり、数分待合い椅子に座り小咲を待っていると、着替え終えた小咲が此方にやって来る。
「ど、どうかな?」
振り向いた俺はフリーズしてしまった。――そう、小咲の顔は薄く化粧が施されていたからだ。……つーか、俺の理性がガリガリ削られていく……。
「れ、蓮君?」
「お、おう。似合ってるぞ。可愛いよ」
「そ、そっか。よかった……」
安堵の息を洩らす小咲。
まあうん、俺も安堵の息を洩らしてたんだけどね。……でもなあ、高校中で色んなものを卒業しそうだわ、俺……。
「んじゃ、写真撮りに行こうぜ」
「うん、そうだね」
俺たちは再び手を繋ぎ、撮影場所へ向かった。
写真を撮り、春ちゃんたちにお土産を購入し、旅館に戻った。
ともあれ、こうして俺たちの修学旅行の幕が閉じたのだった。
うん、短いね。でもまあ、次回の転校の話が大きくなるような気がするし、いいよね。的な感じです(-_-;)
羽姉ちゃんや春ちゃんのターンが先になりそうだなぁ……。
ではでは、次回も宜しくです!!