ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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文化祭は、小野寺姉妹のターンかもです。


第46話 ミスコン

 お化け屋敷を終え、出し物を見て回った俺たちは、校舎外のベンチに座り飲み物を飲んでいた。ちなみに、俺がカフェオレで、小咲がメロンソーダだ。

 

「ふぅ、結構回ったな」

 

「うん、楽しかった」

 

 そう言って、小咲は微笑んだ。そして、先程配られたいた用紙に目を向ける。それは、午後最後の部であるミスコンの募集用紙だ。

 

「小咲は、ミスコンに出場するのか?」

 

「どうしよっかな。……でも、あんまり目立ちたくないんだよね」

 

 そう言ってから、小咲は俺を見る。

 

「れ、蓮君は、どう思う?」

 

「俺は見てみたいけど。可愛い衣装着るんだろ?」

 

「う、うん。沢山ある中から自分で決めるらしいよ」

 

「なるほど。コスプレ感覚か」

 

 申し込み時間は、後30分だけらしい。あれだ、ほぼ飛び入り参加的な感じになる。ミスコンって誰が出るんだろうか?にしても、審査員が楽と姉貴だとは。

 

「出てみるのもいいんじゃないか。挑戦だと思ってさ」

 

 まあ、俺が見たいってのが大半を占めてるが。

 

「う、うーん……。ん、出てみるね。蓮君はリクエストとかある?」

 

 俺は空を見上げながら、

 

「そうだなぁ。着物とかセーラー服とかナース服とか。後は――」

 

 俺はハッとした、場合によっては俺の発言は変態発言ではないだろうか?

 

「ふふ。蓮君、下心丸出しかも」

 

「……お、おう。否定ができなくて悔しいわ」

 

 小咲は立ち上がり、エントリーしてくるね。と言って、この場を後にした。という事なので、俺は一足先に体育館へ向かう。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

『えー……大変長らくお待たせいたしました。ミス凡矢理コンテスト!まもなく開催いたします!!』

 

「「「「「オオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」」」」」

 

 司会の集がそう言うと、体育館に集まった男子共は歓声を上げ、集たちが実況を進める。ちなみに、俺は後方の壁に背を預け、手を前に組みながら壇上を眺めている。

 

『それでは皆さん!ミス凡矢理コンテスト、スタートで~す!』

 

 と集が言って、ミスコンが始まった。ミスコンの内容は、ステージに上がった女の子が衣装を着て、自己紹介した後、アピールを話という感じである。アピールというよりは、集の質問に答えていく。というのが正しいかもしれんが。

 そんなこんなで、俺は壇上を眺める。

 

『それでは次の方参りましょう!エントリーナンバー十一番!ご入場ください!』

 

 舞台袖から出て来たのは、着物姿の小咲だ。つーか、似合いすぎでしょ。

 

『それでは、自己紹介をお願いします』

 

『え、えーと……。2年C組の小野寺小咲と、も、申します。……ど、どうぞ、よ、よろしくお願いひまあしゅ』

 

 ……うん、まだ人前では恥ずがり屋なんだね、小咲さんや。内心では、「出場しなければ良かったかも……」って思ってるんだろうなぁ。てか、男子共の中には、鼻血を噴き出す奴とかも居たりした。

 

『おおーとっ。今ので男子の心を鷲掴みかー!』

 

 ……テンション高いな集。

 

『では、小咲さんに質問です。とても素敵なお召し物ですが、これは御趣味で?』

 

『ち、違いますっ!これはリクエストで!…………あ』

 

『最後の、“あ”とはどういう事ですか!?リクエストとは!?』

 

 これを見守ってる俺は、冷汗が額に一筋流れる。……小咲さん、上手く誤魔化してね……。うん、マジで。てか、男子共の「誰がリクエストしたんだ!」って声が凄い。

 

『お、女の子のプライバシーなので、も、黙秘します!』

 

『それもそうですね。プライバシーは大事ですから。最後に、会場の皆さんに向けて、とびっきりの笑顔を!』

 

『ええッ!』

 

 ニッコリと笑う小咲。うん、可愛いね。大半の男子は心を打たれた感じになってるし。俺が嫉妬しないかって?いやまあ、少しはするけど、将来を約束した仲だし、そこまでは。って感じだ。ともあれ、小咲の出番が終了する。

 

『それでは次の方参りましょう!エントリーナンバー十二番!ご入場ください!』

 

 ステージには、可愛らしい和装の売子姿に身を包んだ女の子が立っている。女の子の名前は――小野寺春だ。てか、春ちゃんも出場してたとは。こういうイベント事には、参加しないと思ってたからなぁ。まあでも、自分の意思で参加。って感じゃ無さそうなのは、俺の気のだろうか?

 

『和服を着こなした、何ともキュートな女の子が入ってきました!それでは、学年とお名前をお願いします!』

 

『え、えーと……。1年A組の小野寺春と、も、申します。……ど、どうぞ、よ、よろしくお願いひまあしゅ』

 

『おおーと!早速、姉妹ならではのシンクロを見せつけてくれましたー!』

 

 流石姉妹である。てか、男子共の声援が凄い……。アピールタイムとなったが、あまりの緊張で“和菓子屋おのでら”の宣伝を始めてしまう春ちゃん。

 そんな時、

 

『特別審査員の一条さんは、何か質問などありませんか?』

 

『……はい?』

 

 無難な質問をし、集たちに何かを言われている楽。

 

『コホン。……え、えーと。恋をするなら、年上と年下。どちらがいいですか?』

 

 ……まあうん、今の春ちゃんの顔は茹でダコのように真っ赤に染まってるだろう。流石に、恋愛系の質問は予想外だと思う。

 

『……と、年……上?』

 

 そう答えると、会場内は喜びと残念そうな声が響く。てか、年上か……春ちゃんは、どんな奴が好みなんだろうか?

 

『何と!春さんは年上が好みのようだ!僕もこんな後輩が欲しー!エントリーナンバー十二番、小野寺春さんでした!皆さん、暖かな拍手を!』

 

 集がそう言って、春ちゃんの出番は終了。春ちゃんは、疲れたように舞台袖に下がっていく。

 春ちゃんの次に出てきたエントリーナンバー十三番は、ポーラであり、集の質問に答えず、無言で終了となり、その後の橘は、水着姿であり、布面積が小さいということで失格。とまあ、このようにミスコンは進んでいった。んで、結果発表。

 

『それでは、結果発表!予選を勝ち抜いた2人は……――小野寺小咲さんと、小野寺春さんです。決勝戦は、姉妹対決だッ!』

 

 そう、集が宣言する。それにしても、同表でこの結果は、何かが誘導したと思えてしまうんだが……。ちなみに、俺は票を入れていない。ともあれ、ミスコン決勝は姉妹対決となるのだった。




次回で、ミスコンは終了かな(^o^)

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