王様ゲームは、鶫と橘がキスしそうになったり、姉貴と楽が握手したりと進んでいった。
そして、次の王様だが、
「あ、わたしが王様だ」
そう声を上げたのは俺の隣に座る小咲だ。
「えっと、5番の人がこの場で好きな人を言う……とか?」
何で疑問形。つか、5番俺なんですが……。マジでその質問なの?……んで、意を決して手を上げる俺。
「……5番は俺だ」
周りからは、なんつーか、黄色い声?が凄い。小咲は、『……質問間違えたかも』って顔になってるし。
俺は嘆息してから、
「まあなんだ。俺の好きな奴らは、一生懸命で時には抜けてて、誰にでも優しい。でも、甘えたがりな奴らだ。ま、そんな所が可愛いんだけど」
言ってみると、似てるなこの二人。
羽姉と小咲はバレないように顔を俯けてるけど、茹でダコののように顔だけじゃなく、耳まで真っ赤だ。これだけの情報があれば、皆気づくだろうなぁ。現に、楽以外は気づいてるらしい。……うん、鈍感は健在やね。
「そ、それでは蓮様。キスは済ませたのですか!?そ、それと、どのようなシチュエーションで!?」
お、おう。橘は凄い形相だな。でもまあ、【楽を想ってのキスをどうするか?】っていう要素が強いんだろうなぁ。質問に答えてもいいが、羽姉たちがもっと羞恥に駆られちゃうので、橘には申し訳ないが断るか。
「その質問はプライバシーって事で、秘密な」
「……そうですか。残念ですわ」
「悪ぃな」
それからはまあ、滞りなく王様ゲームは終わりを告げた。てか、姉貴、『私も泊まるから、蓮も泊まりなさい』とか横暴やで。ま、橘が『今日は楽様のお世話をしますわ。家族の方々は旅行なんですし』とか言わなければなぁ。という事になり、羽姉も小咲も、的な感じになり、全員が泊る事になった。
そういう事なので、俺、羽姉、小咲は買い出しに行く事になった。
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「初めてかもな。3人で出掛けるのは」
「うーん、そうかも。いつもはデートで2人きりだからね」
「最初の頃は、わたしが誘っても断られたんだけどなぁ」
俺は羽姉の言葉に、うっ。と言葉を詰まらせる。
「し、仕方ないだろ。あの時は、恋愛に蓋をしてたんだし」
でもまあ、それを開けてくれたのは紛れも無く、羽姉と小咲なんだけどね。
とにかく、近場のスーパーに到着し、自動ドアを潜り内部に入る。
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俺はカートに籠を乗せ、カートを引きながら肉売り場に居た。つーか、視線を集め過ぎだからね。まあ、超絶美人が2人居るんだから仕方ないと思うけど。
「蓮ちゃんは、牛肉と豚肉どっちがいい」
羽姉がそう聞いてくる。
「いや、どっちでも構わないぞ」
困ったように呟いたのは小咲だ。
「蓮君、それ一番困る答えだよ」
「お、おう。じゃ、じゃあ、簡単な生姜焼きとかどうだ?人数も多いんだし」
この場では最適な答えだと思う。2人も、それでいこう。って納得してくれた。取り敢えず、今夜の献立は、生姜焼きに白米、サラダと、簡単なものになった。
必要な物を籠に入れ、レジに向かい会計を済ませてから、レジを出た場所にある四方形のテーブルの上で購入した商品を参照した買い物袋の中に入れていく。
うーむ、結婚したらこれが日常風景になるのだろうか?ともあれ、買い物を終了した俺たちは外に出た。
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「結構買ったな」
「ん、みんな食べざかりだと思ってね」
と、羽姉。
「久しぶりに腕がなるね」
小咲は気合い満々である。……昔だったら必死に止めてた俺である。見た目のいいダークマターはアレのアレだしな。
それから集英組に戻り、羽姉たちの料理を食べ順番に風呂に入って行った。んでまあ、羽姉に『一緒に入らない』って言われたが、丁重に断った。今の俺には色々と早すぎるからね。
「今日は、星が綺麗に出てるなぁ」
縁側に出た俺がそう呟くと、後ろには風呂上がりの小咲がいた。
「うん、ホント綺麗……」
小咲は俺の隣に腰を下ろす。
「そだな。でもまあ、小咲と羽の方が数倍綺麗だけど。これ、冗談抜きにな」
「ふふ、ありがとう」
「……マジか。赤面するはず場面なんだけどなぁ」
最初の頃だったら、小咲は間違えなく赤面してたはず。こういうのに関しての耐性が付いたのだろうか?
「――――蓮君、左手ちょっと貸して」
俺が左手を差し出すと、小咲の右手が握られ、肩に頭が乗せられた。てか、小咲から恋人繋ぎは意外だな。
「急にどうしたんだ」
「何となく、かな」
そっか。と頷く俺。
大体1分経過した頃、俺が口を開く。
「……なあ小咲。後数秒で終わりな」
「え?なんで?」
目を丸くする小咲。いやね、ここ集英組だからね。
それに気付いた小咲は、
「……あはは、そうだね。ついね」
「気をつけてくれよ。つっても、俺らが付き合ってる事、楽以外にはバレたと思うけど」
まあ、自爆要素も入っていると思うが。
「うん、たぶんね。でも、みんな言いふらさないと思うから、その辺は安心かな」
「まあそうだな」
こうして、俺たちの関係が皆に知られたのであった。
付き合ってることがバレましたね(バラしたが適切かもしれんが)
次回は文化祭かな。春ちゃんも行動させなければ(使命感)
着替えは、元の服ですね。泊る感じも、ドミノ倒してきな感じで。