ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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かなり久しぶりの投稿です。覚えてる人居るかな?てか、矛盾してないか不安です(-_-;)
ちなみに、蓮君と千棘は、プライバシーには深く突っ込まない事に決めてます。それ以外は普通に家族ですけどね。


第43話 オウサマ

 ~桐崎家~

 

 あの日から数ヵ月が経過し、今は週末の日曜日。まあ、その間に三者面談などがあったけど適当にはぐらかした。

 俺の将来は、羽姉ちゃんから叉焼会(チャーシューかい)首領(ドン)を受け継ぐ事になると思う。……俺、組織を纏められるか心配になってきたわ。また、小咲も将来は一緒に歩んでくれるそうだ。

 

「(二人には、デートの時にプロポーズをしたんだけどな。……この歳で早すぎると思うけど)」

 

 婚約指輪になる物もしっかりと渡してある。まあでも、学校では左手薬指に嵌めていけないから、俺たちはネックレス状にしてる。てか、俺の知らない間に羽姉と小咲は会ってたらしい。……正妻と愛人を決める為にお茶とか、マジかよ……。って思った。何でこう、女性の行動力は早いのだろうか?

 俺がベットの上で横になり、スマホを弄っていた時、着信音が鳴った。ディスプレイには、奏倉羽の文字だ。

 俺は通話ボタンをタップし、通話口を右耳に当てる。

 

『もしもし、蓮ちゃん。今空いてるかな?』

 

「空いてるぞ。今からデートとか?」

 

『うーん。その提案も魅力的だけど、実は楽ちゃんのお家をお掃除してたら、千棘ちゃんと麻里花ちゃんが来てね。でも、集ちゃんがそうなるように仕込んだらしいけど』

 

 集英組は一拍二日の旅行に出掛けたらしく、今日の掃除を楽の親父に頼まれたらしい。なので、楽の家に羽姉ちゃんが居るという事だ。

 んで、姉貴たちに集が、楽は現在羽姉ちゃんと二人きりだよ。と、メールを送った所、現場に急行という事だ。

 

『これを機に、皆で遊びたいなって。小咲ちゃんも呼んでさ。ほら、わたし学校の行事とかで皆と触れ合う時間があんまり無かったから』

 

 俺は上体を起こす。

 

「なるほどな。良い案だと思うぞ。今から支度をして家を出るよ」

 

『うん、待ってる。――ねぇ蓮ちゃん。わたしが楽ちゃんと居るって聞いて、嫉妬した?』

 

「……嫉妬……してるかもな。羽姉ちゃんは、誰にも渡したくなって気持ちが強いよ……」

 

 まあ、小咲にも当て嵌まるんだけど。……俺、独占欲強すぎ?

 羽姉ちゃんは、クスクスと笑った。

 

『ふふ、そっか。大丈夫だよ。わたしは、蓮ちゃんものだもん。――将来を誓った仲だし、わたしの心は蓮ちゃんが掴まえてるから』

 

「……後者は良いとして、前者はちょっとな……」

 

 羽姉ちゃんは、俺の大切な人だ。もの扱いなどは絶対にしたくない。

 羽姉ちゃんは苦笑する。

 

『例え話だよ。真に受けちゃ、メッ、だよ』

 

「悪い悪い、そうだよな」

 

『うん、そうだよ。――――蓮ちゃん、愛してる』

 

「――――俺も愛してる」

 

 ……やばい、話の趣旨が変わってきてる。話を戻さなければ。

 

「じゃ、じゃあ、すぐに向かうな」

 

『……無理やり話を戻したね』

 

「い、いや、一生終わらない気がしてな」

 

『ふふ、そうかも。じゃあ、待ってるね』

 

「おう。すぐ行くよ」

 

 俺は通話を切り、支度の用意をしてから家を出た。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 楽の家に到着し、扉を叩いて玄関を入ると、既に全員分を靴が揃っていた。どうやら、俺が一番最後になったらしい。

 

「(にしても、春ちゃんと風ちゃんも居るとは以外だわ)」

 

 ともあれ、靴を脱いで廊下に上がり居間へ向かい扉を開けると皆が談笑していた。

 

「悪い、遅くなった」

 

「蓮ちゃん待ったよ~」

 

 そう言った、羽姉ちゃんの隣に腰を下ろす。てか、皆に気づかれないように密着するのね。まあいいけど。また、俺の隣に小咲だ。

 

「蓮君。久しぶり」

 

「ん、久しぶり……なのか?」

 

 俺の記憶が正しいなら、三日前に放課後デートした記憶があるんだが……。

 それにしても、小咲の黒いワンピースはかなり似合ってる。――と、その時、

 

「蓮君、どうしたの?」

 

 小咲にそう言われてしまった。誰にも気づかれないように見てたつもりだったんだが、気づかれてたらしい……。女の子って、こういう視線に鋭いよね。

 

「いや、似合ってるなって。うん、可愛いよ」

 

「ふふ。蓮君、いつも言ってるよ。その言葉」

 

「い、いやー。本当の事だし。――にしても」

 

「あ、気づいたんだ。春の服装は、わたしの白いワンピースなんだ」

 

 そう、対面に座る春ちゃんの恰好は、小咲が着ていた色違いのワンピースだったのだ。流石姉妹。かなり似合ってる。

 それからは学校の事や休日の過ごし方などの雑談となったのだが、集が『王様ゲームやろうぜ!』と言って開催される事になったのだった。

 ともあれ、開始される王様ゲーム。クジ引きの結果、王様は姉貴らしい。

 

「じゃあ、二番が五番の子を膝枕で」

 

 いやいや、姉貴。そこは王様と誰かでしょ。楽と自分が当たるのに有利なのに。……姉貴、時々抜けてるんだよなぁ。つーか、二番は俺だし。

 

「二番は俺だわ」

 

 そんな時、顔を真っ赤にして右手を挙げたのは春ちゃんだ。

 

「わ、私が五番です……」

 

 

 Side 春

 

「……やばいよ。風ちゃん。先輩の膝枕とか恥ずかしすぎる」

 

「そうだと思うけど、王様の命令は絶対だよ」

 

「そ、そうだけどぉ……」

 

 風ちゃんは、私が先輩の事を気になってる事を知っているのだ。てか、先輩が近づいてくるよ~。私の頭は、ショート寸前だ。風ちゃんも『どうぞどうぞ、蓮先輩。春の隣に座って下さい』って促してるよぉ……。

 

「嫌かも知れないけど、王様の命令は絶対だしな」

 

「そ、そうですね。王様ゲームですから!」

 

 ちょ、何で語尾を強く言ってんの私!先輩、目を丸くしてるじゃん。

 

「そ、それでは行きます!」

 

「お、おう。何か違うような気がするが。どうぞ」

 

 先輩に膝枕される私。……何と言うか、安心するなぁ……。優しく頭を撫でてくれるし、優しい瞳で見てくれるし。何だか眠くなってきちゃう……。

 

「(……お姉ちゃんと羽先生は、時間が空いた時にやって貰ってるんだろうなぁ……。何ていうか――――羨ましいかも……)」

 

 私の瞼は重くなり、目を閉じそうに……って、しっかりするのよ、小野寺春!皆の前で眠るとか、黒歴史になっちゃうじゃない!

 

「も、もういいですか。千棘先輩」

 

 ちょっと名残り惜しいけど、私は上体を起こす。

 

「うん、いいよ~。次行こう!」

 

 千棘先輩がそう言い、桐崎先輩は、『まああれだ。何か悪かった』って言って、元の席に戻った。お姉ちゃんと羽先生は『やっぱり鈍感だよ。蓮(君)(ちゃん)』的な視線で桐崎先輩を見てたけど。桐崎先輩はこうゆう事に鈍感過ぎます!私の心臓バクバクなんですからね!カッコイイ人から膝枕とか、誰でも緊張しますからね!

 

「どうだった?蓮先輩の膝枕」

 

「うん、とっても気持ち良か――って風ちゃん」

 

 風ちゃんは、意味深に微笑むだけだ。……何か、風ちゃんには一生勝てない気がしてきたかも……。私の気のせいかも知れないけど。

 そして、王様ゲームは続いていくのだった。




正妻←小咲。
愛人←羽姉。って感じです。(今の所です。途中で変わる事も有り得る)

次回は、小咲も参戦ですね(笑)
皆が居る時は、ちゃんと小声ですよ(^O^)

追記。
将来、和菓子屋おのでらは、蓮君が何とかするから大丈夫です。(権力とか色々ですね)

再び追記。
蓮君は二人に、正式にプロポーズしました。羽姉は、指輪を既に持ってましたけどね(笑)

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