ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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第38話 プレゼント#2

 現在俺は、大型デパートの前に立っていた。理由は、小咲のプレゼント選びである。俺が考えた物は全て送ってしまったので、ネタ切れというやつだ。だからまあ、強力な助っ人に協力を仰いだ。ちなみに、俺は一度家に帰ったので、私服姿である。

 

「先輩、お待たせしました」

 

 春ちゃんは、学校から出たのが遅かったので、制服姿だ。

 1年生は、放課後に説明会的なものがあったらから、そのせいだろう。

 

「おう、待った。待ちくたびれたぞ」

 

「……先輩。そこは『全然待ってないよ』じゃないんですか?」

 

 いや、これが俺の待ち合わせのデフォルトだしなぁ。

 

「まあいいです。お姉ちゃんのプレゼント選びですよね。先輩なら、すぐに見つけられると思うんですけど」

 

「いやまあ、プレゼントのネタ切れってやつだな。俺が考えてたものは贈ったしな」

 

 ペア系が多かったけどね。

 

「それって、マグカップとか、先輩が右手首につけてる組紐のブレスレットもですよね」

 

「まあ一応、そんな感じだな。てか、よく分かったな」

 

「いえ、お姉ちゃんがいつも大切そうにしてるんですぐに分かりましたよ」

 

 マジか、かなり嬉しんだが。でもまあ、俺にとっても特別なものだしな。繋がりって言えばいいのか、そんな感じだ。

 まあそういう事で、デパートの二重自動ドアを潜って内部に入って行った。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「んで、何のプレゼントにする?」

 

「服にしようと思ってます。好みが見つかればいいんですけど。でも、ワンピースは論外ですし」

 

 ……それあれだ。俺が原因かも。何か、ごめんなさい。

 ちなみに、選んだワンピースは黒いワンピースである。大人っぽさを引き立てていて、小咲はかなり似合っていた。すぐに襲いたいレベル。……まあ、その未遂は前にあったんだけど……。

 つーか、今日このデパートでは和菓子フェスタなんかやってんのか。なんつーか、珍しいな。

 

「取り敢えず、目当ての店は見つけたので、絞り込むのは後にしましょう!」

 

 うん、知ってた。春ちゃんが和菓子フェスタにウキウキしてるっって。

 ここは先輩としての威厳を見せよう。

 

「んじゃ、好きな和菓子を買っていいぞ。全部俺の奢りだ」

 

「え……。先輩、お金大丈夫なんですか?」

 

「問題ない。俺の場合、ある手伝いをしてたから、貯金はかなりあるしな」

 

 ある手伝いとは、母親の仕事の手伝いである。一日の給料がかなりあるしね。

 てか、もう好みの店に行ったし。なんつーか、和菓子の事になると、春ちゃんテンションがかなり上がるよね。

 

「先輩!先輩!これとても美味しいです!」

 

 という事で、春ちゃんが紙皿に置いていた饅頭を手に取り一口で食べた。

 ふむ。この餡は甘すぎもなく、滑らかで旨いな。

 それからはまあ、和菓子屋巡りが始まった。つーか、流石姉妹って所か。小咲の好みと春ちゃんの好みがほぼ同じである。

 一通り回った所で、俺たちは近場のテーブルの椅子に腰かた。

 

「……すいません。つい、テンションが上がってしまって」

 

「いや、別に構わないよ。こっちは頼んでる身なんだしな。意外な一面も見れたしな」

 

 春ちゃんは、顔を赤くする。

 

「……それは忘れてください」

 

「いや、無理だ。一生無理だな」

 

 ふと思ったが、今度、小咲と羽姉と来ようか。……いや、やっぱり止そう。今の俺(・・・)にはきつそうだし。つーか、色んな意味で俺がヤバそう……。

 

「……先輩。今、他の女の子の事を考えましたね?」

 

 何で解った!?女の勘は怖すぎる……。春ちゃん、ジト目だし。

 まあここは、

 

「ごめんなさい」

 

 謝るである。俺、弱ぇ……。

 

「いいですけどね!私、先輩の彼女じゃありませんし!」

 

「……何かごめんな。てか、春ちゃんならすぐに彼氏作れそうなんだけど。――――可愛いし」

 

「な、な!?何言ってるんですか!?わ、私が可愛いとか、冗談は止めて下さい!」

 

 春ちゃんは茹でダコのように顔を赤くする。

 だが、俺の頭の中は疑問符だらけである。

 

「いや、本当の事を言ってるだけだそ。てか、俺、間違ったこと言ったのか?……いや、でも、実際に可愛いと思うし。小動物っぽいしな。えーと他には――――」

 

「わ、解りましたから!恥ずかしいです!」

 

「お、おう。何かすまん」

 

「まったく、他の女の子にも言ってるんですよね」

 

「言って…………ないと思うぞ。うん」

 

 いや、実際には小咲と羽姉に言ってそう。2人とも可愛いし。

 

「……言ってるんですね。先輩ってタラシなんですか?」

 

「酷ぇな。……でも、否定できない自分がいて悔しいわ」

 

 春ちゃんは溜息を吐く。

 

「先輩って、二股してそうですね。でもまあ、本人たちの許可があれば問題ないと思いますけど」

 

 ……うん、もう一回言うわ。女の勘って怖すぎる……。何で解った?俺が二股してるって。でも、どちらかを切り捨てるなんて、できなかった。俺、小咲も羽姉も大好きだしね。ずっと隣に居てもらいたいって感じでもある。てか、将来重婚できんのかな?

 

「……あれだ。その辺は詮索しないでくれ」

 

「まあいいですけど。でも、お姉ちゃんを幸せにして下さいね」

 

 ……これはあれだ。バレてるね。もう、成るようになるだろう。

 

「――――それは心配するな、小咲は絶対に幸せにする。不幸な想いは絶対させないって誓うよ。俺の全てを賭けてな」

 

 もちろん、羽姉も幸せにするって誓ってるけど。

 

「……先輩は言い切るんですね。何か凄いです…………――――私も言われて見たいですよ」

 

 春ちゃんの呟きは、周りの音によって掻き消されてしまった。はて、何て言ってたのだろうか?

 

「そうか?普通だろ?」

 

「滅多に先輩のような男性は居ないと思いますけど。世間では、別れてしまうカップルも多々居るんですから」

 

 うーむ。そうなのか?俺が特殊なだけとか?まあいいけど。てか、春ちゃんに高印象で助かったわ。でも普通は軽蔑するような……まあ深く考えるのは止そう。

 まあその後はプレゼント探しを再開し、結果、春ちゃんが選んだ服になった。てか、春ちゃんが髪を下ろすと小咲そっくりなのね。流石姉妹。てか、その感想を言ったら、何か知らんが怒られたけど。解せん……。

 ともあれ、プレゼント選びは無事?終了した。




春ちゃんの高感度が上がってきてますね(笑)
さてさて、今後どうなっていくのでしょう?今回は、ご都合主義がありましたね。

ではでは、感想お願いします!!

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