あの子の登場です。……まあ、立ち位置はあまり考えてないんですけどね(^_^;)
早く、羽姉出したいです(>_<)
では、どうぞ。
第33話 イモウト
? Side
私は今日から高校一年生。念願叶って家の近くの共学に合格。今まさに、新しい生活に期待に胸を膨らませている所です。高校生ってどんな感じだろう。初日は空も真っ青で、桜も咲いて、何だか素敵な恋とか始まっちゃうそうな予感です。……とか思っていたんですが。
「お嬢ちゃんかわいいね~、高校生?」
「学校なんていいから、オレらと遊ぼ~ぜ~」
なんだか初日からピンチです。
「(あわわわゎゎゎわわわ。ど、どうしよう……!ただささえ中学女子校で、男の人苦手なのに~~!)」
「お嬢ちゃん、どうしたんだよ。早く行こうぜ」
制服の袖を掴まれた。ああ……ダメだ……。だんだん意識が遠く……。
? sideout
「一人で登校は寂しいもんだなぁ……」
今日は小咲が日直で、早く登校したので別別で。という事になっているのだ。
俺が肩を落として通学してると、何やらガラの悪い奴らに、凡矢理の一年?が絡まれている。てか、小咲にそっくりなんですが、あの子。
とにかく、その場にまで歩み寄る俺。
「お兄さん方、こんな所でナンパですか。もっと場所を選びましょうよ」
「な!?楯突くと容赦ねーぞ!ゴラ!」
「あ、兄貴。こいつ見た事があります。裏世界で二つ名を持つ奴ですよ!絡むのは危険です」
おい、リアル割れじゃねぇかよ。まあ、こいつらはただのチンピラだし、問題ないとは思うけど。
「まあそういう事。んで、殺りあうか?」
「じょ、冗談じゃねぇ。ずらかるぞ、お前ぇら!」
「「へ、へい。兄貴!」」
ああいう奴らの逃げ足って、かなり早いよね。
さて、これからどうすっか?
「この制服、やっぱウチの生徒だったんだな。タイの色からして、一年か。助けたのはいいが、どうすっかなー」
俺は溜息を吐いてから、例の子を背中におぶった。てか、軽っ!ちゃんと飯食ってんのか、この子。つーか、遅刻確定だな……。まあいいか。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
学校に到着し、俺は例の子を保健室の先生に預け、新たな二年の教室へ向かった。
教室の後ろ扉を開けると、視線が一気に集中する。てか、教室の扉を開ける、ガラガラガラ、ってかなり教室内に響くよね。如何でもいい事だけどさ。
ともあれ、席に着席する俺。
「(蓮君、どうしたの?こんなに遅くなって)」
「(登校中に、ガラの悪い奴らからウチの生徒を助けて、送ってたら遅刻したんだよ)」
「(そっか。それなら納得だね)」
「(ああ、悪いな。心配かけて)」
と、その時――。
「おーい。お前ら仲がいいのはいいが、授業に集中してくれ」
はい、数学の先生に指摘されてしまいました。何かすいません……。
1限目の授業が終了し、休み時間。んで、俺は持ってくるように頼まれたノートを職員室に運んでから、教室に帰る途中だ。
『い、一条。ヤクザの集英組で、女の子を虜にしてるっていう!噂じゃ親の権限で、学校を裏から牛耳ってるていう!』
まあうん。凄まじい勘違いの噂である。てか、如何してこうなった?
とまあ、その現場に向かう俺。
「楽。お前、この子に手を出したのか」
「だ、出してねぇからな!お前の勘違いだからな!」
「まあ冗談だけど」
「蓮の冗談は洒落にならねーんだよ」
てか、今思えば、この子俺が助けた子か。まあ黙って置こう。
そんな時、その子がおずおずと、
「あ、あなたは、桐崎蓮さん……ですか?」
「そうだけど。何処かで会ったけ?」
はて、俺としては今日が初対面なんだが。何処かで会った事あったけ?
「……どうしたの?さっきから騒々しいけど……。あれ、誰その子……」
「千棘……」
楽の背中からひょっこりと顔を出したのは姉貴だ。
つーか、このままだと、カオスになっていくのは確実である。
「楽様――――~~~~!!」
と言ってから、橘が楽に抱きついた。
「こちらで私とお茶等いかがですか~~!?」
「うおっ!?橘……!?」
「な……な……何をそんな堂々と廊下の真ん中で、男の人に抱きついているんですか……!?」
はい、予想通りカオスに突入しました。
すると、俺の後ろに、
「あ、蓮君。この騒ぎどうしたの?」
「小咲か。まああれだ、いつものだ。てか、この子、小咲にそっくりなんだけど。知り合いか?」
「そっくり?知り合い?」
小咲はその子を見ると、
「は、春!どうしたの、こんな所で?」
「職員室にプリントを届けたその帰りかな。そ、それより、一条先輩のあれはどういう事なの!?あの人の噂は本当なの!?私、お姉ちゃんを守りに来たの」
「あれには深い事情があるんだよ。そっとしとくのが一番かな。噂は春の勘違いだよ。あと、既に守られてるから、春が心配する事はないよ」
「……うーん、ん?既に守られてる?――」
例の子は、深く考え出してしまった。てか、あの事は秘密にしてくれてるのね。
とまあ、そういう事なので、
「じゃあ、俺は戻るわ」
「ちょ、ちょと待って下さい。桐崎さんは、姉と仲が良いって聞いたんですけど、本当ですか?」
「本当だけど……。てか、姉?」
「私の名前は小野寺春。小野寺小咲の妹です」
なるほど、妹なら俺の事を知っていても不思議はないわな。
「てか、小咲には妹が居たんだ」
「あはは、話してなかったからね。ごめんね。あ、そういえば、蓮君。放課後までの課題やったかな?解らない所があったら、教えて欲しいなって」
「別に構わないぞ。んじゃ、春ちゃん。そろそろ戻っていいか?」
「詳しくはお家で話すね、春。いいかな、蓮君?」
「ん、いいぞ。そこは小咲の判断に任せるよ」
「うん、りょうかい」
まあそういう事なので、各自解散という事になりましたとさ。
Side 小咲
『小咲、春―。先にお風呂入いっちゃいなー』
わたしと春は、お母さんにそう言われ、一緒にお風呂に入った。
それにしても、春と一緒にお風呂に入るのは久しぶりだ。
「そ、そういえば、お姉ちゃん。桐崎蓮さんとはどういう関係なの?」
わたしは右頬に、人差し指を当てる。
「うーん、そうだね。蓮君とは付き合ってる関係だよ。皆には、秘密にしてるけどね」
鳩が豆鉄砲食らうとはこういう事を言うのだろう。今の春は、それである。
「い、いつからなの?お姉ちゃん」
「えーと、約五ヶ月前くらいかな」
クリスマス前に交際を始めたので、約五ヶ月で間違いはないはずだ。
「ぜ、全然解らなかった……」
「一応、上手く隠せてるからね。解らなくて当然かも」
そう言って、わたしは苦笑した。
だけど、るりちゃんと千棘ちゃん、舞子君にはバレてるけどね。
「お姉ちゃんは、桐崎蓮さんの何処が好きなの?」
「そうだね。全部が、って言えちゃうんだけど。挙げるなら、いつもわたしの事を見てくれて、優しくて包んで、守ってくれる感じかな。それに、どんな些細な相談でも親身になって考えてくれて、魅力的な男性なんだ、蓮君は」
……でも、羽さん以外にはたらしになって欲しくないけど。
蓮君、その辺は無自覚だからなぁ。
「……私から聞いた事だけど、甘い、甘過ぎるよ、お姉ちゃん!」
「そうかな。そんな事はないと思うけど。そういえば、春。お風呂に入る前に王子様とか言ってたけど?」
「……え、そうだ!聞いてよ、お姉ちゃん!私、今日、運命的な出会いがあってさー」
……春の話を聞いてく内に、もしやと思ったが、わたしの気のせいだろう。うん、きっとそうだ。……たぶんだけど。
電話で、楽と蓮君の名前を聞いたんでしょうね。
一条の名前で噂、蓮君の名前で姉の仲って感じですね。
では、感想よろしくお願いします!!