ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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他のも投稿しなければ……(-_-;)


第28話 ヤクソク

 俺、桐崎蓮は、いつもの待ち合わせ場所で立っている。

 待ち合わせ場所で俺を見つけ、笑みを浮かべながら近づいて来たのは小咲だ。文化祭の一件後、俺と小咲は予定が合わない日以外は、いつも一緒に登校している。

 てか、夜更かしで眠い……。

 

「蓮君。眠そうだけど、夜更かし?」

 

「……あー、まあ、羽姉ちゃんがな」

 

 まあ、俺がきつくなって途中で終えたんだけど。

 だからまあ、今日の昼に電話をかける約束になっている。

 

「な、なるほど。捉まったんだね」

 

「まあそんなとこだ。てか、俺って小咲の連絡先知らないんだけど」

 

 小咲も、あ、って声を上げてるし。てか、これだけ一緒に居るのに連絡先知らないとか、俺不覚過ぎる……。

 という事なので、スマホを取り出し連絡先を交換する俺たち。

 それから、楽しく談笑しながら学校に到着したんだが……校庭で銃撃戦が行われていた。

 

「(鶫と誰だ……。えーと、ビーハイブの白牙(ホワイトファング)だっけ?)」

 

 つーか、学校の備品壊すなよ……。

 まあ今は――、

 

「悪い、小咲。ちょっと行ってくるわ」

 

「う、うん。気をつけてね」

 

 俺は殺気を二人限定に当てる。

 んで、二人の元まで歩いて行く。

 

「……お前ら、ここは学び舎だぞ」

 

「わ、若」

 

「け、け、剣舞」

 

 おいこら、ここで二つ名を出すな。

 まあ他の奴らには聞こえてないけどさ。

 ともあれ、この場を収めましたとさ。……いやまあ、軽く脅したけどさ。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 昼休み。

 俺はいつものように屋上で柵に手をかけ、パンを齧りながら、朝の通話の続きをしていた。

 

『文化祭の出し物、ロミオとジュリエットだったんだ』

 

「まあな。主役は、楽と姉貴でもある。……本当は小咲だったんだけど。足を挫いちゃってな」

 

『でも、蓮ちゃんには役得になったと見たね』

 

 ……何でこの駄姉は、俺のあの時の思考が分かったんだよ。

 てか、女の勘怖ぇな……。マジで。

 

「ま、まあそうかもな。役得だった」

 

 俺は、それとな、と言葉を続ける。

 

「……羽姉ちゃん。俺……もう逃げないよ……」

 

 暫しの沈黙が流れ、羽姉ちゃんが笑った。

 

『……うん、わかった。わたしのことも、ちゃんと見てね。それとわたしは、――愛人でも構わないよ、蓮ちゃん♪』

 

 別に気にしないからね♪とも付け加える羽姉ちゃん。

 そして俺は、口に含んでいたバナナ・オレを霧状に噴き出した。

 

「……な、何言ってんだよ、姉ちゃん!」

 

『んー、穏便な済ませかたかな』

 

「いやまあ、そうだけどさ!」

 

 え?何これ。完全に二股野郎じゃん。

 てか、口論になると、絶対に羽姉ちゃんに勝てないと分かった瞬間でもある。

 

『この際だし、蓮ちゃんはハーレムを築いちゃうってどう?男の子の夢だよ、ハーレムは』

 

「…………ちょ、ちょっとタイムだわ。文化祭の話から何でこうなった?」

 

『話の流れで?』

 

「何で疑問形やねん!」

 

 大声を張り上げてしまう俺。

 今思った。ここ学校だわ……。

 

『お、ナイス突っ込みだよ。蓮ちゃん』

 

 ……まあ、姉ちゃんが楽しそうだし、いいか。

 取り敢えず、

 

「……サンキュ」

 

 と、答える俺。

 

『そうだった。こっちの事もあと少しで終わりそうだから、近々そっちに行くね』

 

 ……え、マジか。そろそろ組織が統一できちゃうの。

 羽姉ちゃんのカリスマ性ハンパなくね?てか、あと少しってどれ位だ?半年位か?

 

「会えるのを楽しみにしてるよ」

 

『わたしの想い、しっかり受け止めて貰うからね』

 

「あー、はいはい。了解しましたよ」

 

 棒読みでそう言う俺。

 

『むっ。上手く躱された感じ』

 

「いや、もう躱すとかしないよ。絶対に」

 

『そっか。楽しみにしててね』

 

「わかった。そろそろ切るな」

 

『うん、じゃあまたね。蓮ちゃん』

 

「ああ、またな。羽姉」

 

 通話を終え、俺はスマホをポケットに入れてパンを齧る。……あれだ。どっと疲れた感じだ。

 午後の授業は寝ようかな。と考えていたら、屋上のドアが開かれる。

 入って来たのは、姉貴と橘、小咲と楽だ。おそらく、ペンダントに関する事だと思うけど。つか、姉貴たちも鍵を持てたのな。

 楽には悪いが、“それで結婚しちゃうのかよ!?”って突っ込んじゃうんだよな。まあ、俺が言えた義理じゃないと思うけど。恋愛から逃げてたしな、俺。

 

「あ、蓮君。いつも此処で食べてたんだ」

 

 俺の元に近づいて来た小咲が、そう言った。

 

「転校してから、ずっと此処で食ってるな」

 

 俺のベストプレイスでもある。

 つか、某アニメのセリフじゃね。

 

「んで、小咲はどうしたんだ?」

 

「うん。わたしは、この鍵のことでね」

 

 小咲が首から下げていたのは、羽姉ちゃんと僅かに形状が違う鍵だ。

 

「まあでも、わたしにはもう必要ないものなんだけどね」

 

 そう言って、小咲は苦笑した。

 なんつーか、楽から小咲を奪ったような形になって申し訳ないが、行動や言葉に移さなかったのがアレだった。と自己完結させる。てか、俺も移したか?

 という事なので――、

 

「小咲は、俺にして貰いたい事とかあるか?」

 

 俺に可能な事で、エロい事は無しだけどね。

 まあその辺は、小咲も分かってると思うけど。

 

「い、行き成りどうしたの?」

 

「何となくだ」

 

「そ、そっか。何となくなんだ」

 

 『……デートでもいいのかな?』っていう小声が聞こえてるぞ。

 まあ俺も、近い内にデートしたいと思ってたけどさ。……ふと思ったんだが、小咲と羽姉ちゃんの案を呑む事になりそう。……つーか俺、最低野郎でいいや。

 

「んじゃ、近い内にな」

 

「ふぇ?聞こえてたの?」

 

 いやいや、顔を赤くしないでくれ。

 まあ、バレたらバレたで仕方ないけど。

 

「おう、しっかりとな」

 

「そ、そっか。詳細はLINEでいいかな?」

 

「構わないぞ、楽しみにしてる」

 

「わ、わたしも楽しみしてるね」

 

 そう言って、姉貴たちの元へ戻って行く小咲。

 てか、デートにどんな服を着て行こうか。……いつもの真っ黒装備とか。マジでどうすっか……。

 俺はそう思いながら、頭を捻ってたのだった。




徐々に原作ブレイクしつつあるね(笑)

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