ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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まさかの続いた。


第2話 サガシモノ

 初日の授業が終了し放課後になった。

 で、姉貴と帰ろうと思ったのだが、楽の探し物を手伝うらしい。なんか、重要なペンダントとか。

 

「俺も手伝うわ。主犯は姉貴だし。てことは、俺も無関係じゃないし」

 

 いやまあ、たぶんだけど……。

 俺がそう言うと、『サンキューな、蓮』と言って、楽は頭を下げた。

 姉貴は、『えー、わたしも探すのー』ってボヤいてたけど。

 

「い、一条君。わたしも手伝うよ」

 

 楽にこう言った小野寺。

 やっべ、ここまで人が良いと、小野寺が天使に見えてきたわ。――冗談はこの辺にして。楽からペンダントの特徴を教えてもらった。

 何でも、特徴的な形をしていて真ん中に錠があり、10年前から肌身離さず持っていて、鍵を持ってる女の子が現れたら、その子と結婚するらしい。

 あれだ。要らん情報も混じってるんだが。……てか、何。このドラマのような話は。10年前に鍵を受け取った女の子が、鍵を大事に取ってるかも解らんのに……。

 

「なんつーか、運命の出会いみたいだな。楽」

 

 俺ならあれだ。完全に忘れてると思う。その前に、俺、恋愛体験=年齢だし。

 

「まあ、約束の子が覚えてるか解らないけどな」

 

 いや、楽。お前もそう思ってんのかい!と心の中で突っ込みいれる俺。

 そんな時、小野寺が俺に話しかけてきた。

 

「蓮君は、こういう運命は信じないの?」

 

「楽には悪いが、俺は現実主義だし。口約束で結婚はなぁ。……うん、ないな」

 

 楽の想いを否定するつもりはないが。やっぱり俺は、信頼とか信用を得てから結婚だと思う。

 

「小野寺は運命の出会いとか、信じてそうだな」

 

「う、うん。信じてはみたいかな。一応、わたしも女の子だから……」

 

「そっか」

 

 そう言ってから、今日思ったことを口にしてみる。

 もちろん、小野寺にしか聞こえないようにだけど。

 

「(小野寺ってさ。楽のこと好きなの?)」

 

 顔を真っ赤にする小野寺。

 

「(な、なんでわかったの!?)」

 

「(……いや、露骨すぎだから)」

 

 姉貴は鈍感だから、気づいてないと思うけど。

 

「(まああれだ。頑張れ。影ながら応援してるよ)」

 

「(う、うん。蓮君は気になる人とか居ないの?)」

 

「(居ないな)」

 

 キッパリとそう言う俺。てか、俺が恋愛とか考えられん。

 

「(だ、断言するんだね)」

 

「(まあな。俺、独身で死んでもいいと思ってるし)」

 

 この言葉を聞いて小野寺は悲しそうな顔をしたが、俺は見てない振りをしたとさ。

 取り敢えず校庭に出て、ペンダント探しをしました。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 一週間後。

 うん、一週間だよ。でも見つからん。ちなみに、楽と姉貴ペア。俺と小野寺ペアに分かれて探している。

 

「見つからないね」

 

「まあな。地道にやるしかないだろ。……面倒くさいけど」

 

 そう言いながら、草をかき分けながらペンダントを探す俺。

 そんな俺を見ながら、小野寺は苦笑した。

 

「でも蓮君は、一条君たちが帰っても、いつも遅くまで残って探してるよね」

 

 マジか……。見られてたとは。

 

「……まあな。友達の為だ」

 

「優しいんだね。蓮君は。わたし、そういう人好きだなぁ」

 

 ……小野寺さん。自分の発言に気づきましょうね。

 まあ、こういうのに勘違いはしない俺だけど。

 

「小野寺。そういう言葉は、楽に言ってやれよ。あいつ、かなり喜ぶと思うぞ。たぶんだけど」

 

 自分の発言に気づき、ボンッと顔を赤くする小野寺。

 で、これを見て嘆息する俺。

 

「……お前って、かなり抜けてるかもな。で、本人の前ではボロは零さないタイプっぽい」

 

「えへへ、そうかも」

 

 とまあ、草をかき分けてると、金色?のペンダントを見つけた。

 楽から聞いた特徴と一致するし、おそらくこれだろう。俺はペンダントを手に取った。

 

「これか?」

 

「たぶんこれだよ」

 

「そか。ミッション・コンプリートだな」

 

 そういうことなので、俺は立ち上がり数メートル離れた所でペンダントを探してる姉貴の所へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「うるっせぇな!だったらもう探さなくていいからどっか行けよ!」

 

 ……何この修羅場。

 ほら、小野寺も唖然としてるし。てか、姉貴帰っちゃったし。

 

「ほら、楽。これだろ」

 

 そう言って、ペンダントを楽の方へ投げる。

 

「さ、サンキュー。これだよ!」

 

「おう。今度から失くすなよ。後、ペンダントを探した礼として。姉貴と仲直りしろよ。いいな?」

 

「わ、わかったよ」

 

「ん、ならいい。俺は帰るわ。雨も降ってきたし」

 

 雨と言っても、小雨程度だが。

 俺は踵を返し、校舎へ向かい下駄箱の近くにある傘置き場から傘を取り、傘をさして学校を後にする。

 その時、俺の後を追うように、水溜りがパシャパシャと鳴り、小野寺が俺の隣にやって来た。

 いや、なんで来る?楽と帰ればいいのに……。まあ、小野寺にとっては、かなり難易度が高いと思うけどさ。

 

「どったの?」

 

 何事もないように、俺はそう言う。

 

「い、一緒に帰ろうと思って」

 

 盛大に溜息を吐く俺。

 

「こういうのは楽にしてあげろよ。まあいいや。帰るか」

 

 とまあ、小野寺と一緒に帰りながら、会話に花を咲かせました。

 俺が前在学してたアメリカの中学とか、小野寺の中学の話とかだな。で、曲がり角で足を止める。俺の家の方向が左で、小野寺は右だ。

 

「じゃあな。また明日」

 

「うん。またね」

 

 無事に一日が終了すると思ったのだが、今日の夜に、姉貴と楽に転機が訪れるのであった。




その場その場で話を考えるスタイルでいきます。
だからまあ、ヒロインは未定のままで。

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