ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

19 / 72
新年(この小説)初投稿です。
その場その場で考えるのは楽ですね。

    姉貴←千棘
駄姉、姉ちゃん←羽

後、こんな感じですね。
では、どうぞ。


第19話 オシラセ

 7月下旬、凡矢理高校では夏休みが始まったばかりだ。

 その間に楽が小咲の家。和菓子屋『おのでら』にバイトの手伝いに行ったらしいけど。なんつーか、小咲は確めたい事があるとかなんとか。

 まあ、野暮になるからその内容まで聞かなかったけど。

 

「いやぁ~、楽んチで皆と勉強会すんのも二回目かぁ~。しかし、何でこんなタイミングで勉強会?」

 

「鶫の発案らしい。てか、俺はいいって言ったんだけど……ま、俺は駄姉が出した問題集をやるわ」

 

 実は羽姉ちゃんと別れ際、かなり難しい問題集を貰った。

 ……調べてみたら、大学レベルの問題集だったんだよね。……羽姉ちゃん、かなりの無茶振りが好きだからなぁ……。

 でもまあ、皆で勉強は重要だ。

 

「駄姉って誰のことだ?ハニーのことじゃないよな」

 

 楽にそう言われ、俺は頷いた。

 

「まあそうだ。姉貴は姉貴だしな」

 

「……蓮。それ意味解らん」

 

 ともあれ、各自は勉強部屋に上がって行った。

 あれだ。楽が居る所に橘ありである。つーか、楽。橘の想いをしっかり受け止めてやれよ。……もしも姉貴も。ってなったら、色々な意味で頑張れ……。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「……ところで、その機械は何なの、鶫?」

 

 部屋に到着し、俺たちは各々の場所に腰を下ろしてから、鞄から勉強道具取り出しテーブルの上に置く。そんな時、姉貴が鶫の前に置かれた機械に目を向ける。

 

「これは、勉強会の合間のレクリエーションにでも使おうかと……」

 

「……何企んでんのよ、あんた……」

 

「嫌ですよ、お嬢。何も企んでなどおりませんよ」

 

 レクリエーションに使うと言う鶫を、姉貴は疑わしげに目を細めて見つめる。てか、俺には解ったわ。これは、ビーハイブが造った嘘発見器だわ。

 その証拠に――、

 

 ビ――――――!

 

 と音が鳴る。

 俺は目を細めながら、

 

「鶫……。それって、家の嘘発見器だろ?」

 

 クロードの企みって所か……。

 

「ち、違うんです。若。ぐ、偶然ネットで見つけまして!」

 

 ……あれだ。苦し紛れな言い訳だ。でもまあ、俺は参加しなければ良いことだしね。

 

「へー、面白そうじゃん!せっかくだし、早速試してみようぜ!」

 

 つーか、楽。それはマズイ気が……。

 姉貴との恋人関係を聞かれたら、非常にマズイ……。その証拠に、姉貴もかなり焦っている。

 そんなこんなで、鶫からやってみることになった。

 

「私ですか。じゃあ、どなたか私に質問してもらえますか?」

 

「じゃあ、わたしがしていいかな?」

 

「小野寺様?」

 

 最初に手を上げたのは小咲だ。

 

「鶫さんは、今好きな人はいますか?」

 

「ぶふっ!小野寺様!いきなり何を!?――んん、前に話した通り、私に好きな人はいませんよ」

 

 ビ――――――!

 

「やっぱり!」

 

「違います!」

 

 鶫はそれからも否定するが、嘘発見器はそれを否定する。

 

「嘘発見器なんて元々あてになるようなもんじゃありませんし、そもそも、質問がいけなかったのかもしれません」

 

「うーん…………あ、じゃあ!」

 

「鶫さんは恋をしてますか?」

 

「だからしてませ――」

 

 再び、鶫の発言を否定する嘘発見器。

 鶫は嘘発見器を殴りつける。……つーか、必死すぎだ。鶫。

 

「おかしいな?うん、この嘘発見器は壊れてるに違いない。そうだ、壊れてる」

 

 鶫は楽に、嘘発見器の棒を渡す。

 

「私のことはどうでもいいんですよ。一条楽。次は貴様の番だ」

 

「えっ、オレ!?」

 

「そうだ。お前はお嬢を本気で愛している?イエス、ノー?さあ、答えろ」

 

 ……うん、解ってた。これが(間接的に)やりたかったんだろ。クロードさんや。

 

「そ………そんなもん、イエスに決まってんじゃねぇか」

 

 楽がそう言うと、部屋の中には静寂が流れる。

 嘘発見器の針も、ビクとも動いていない。

 

「くっ……!ど、どうやら本当のようだな……」

 

 悔しげに呟く鶫。

 ……いや、俺も内心ではかなり驚いてる。てか、何で反応しないの?楽って、小咲のことが好きなんだろ?

 あれだ。意味が解らん。

 

「次は誰がやる?」

 

「それでは、わたしが」

 

 楽から渡された、嘘発見器の棒を橘が持つ。

 あれだ。俺は興味が無いので、問題集に集中である。

 参考書を見ながらペンを動かしていくが、難しい。……いや、この問題集難しすぎだろ……。

 

「(……ったく。あの駄姉は、なんつーもん持たせたんだよ)」

 

 でもまあ、愚痴を言いながらも問題を解いていく俺もアレだが……。

 つーか、胸とかキスとかの単語が聞こえるが、俺は無視で集中である。てか、この環境で集中できる俺、結構凄くね。……『ナルシスト発言だなぁ。』って言う突っ込みはしないでくれ。

 

「――――蓮ってば」

 

 どうやら、姉貴に呼ばれていたらしい。……気づかんかった。

 俺はシャーペンをテーブルに置き、

 

「お、おう。どうした?」

 

「蓮も、嘘発見器をやってみないって」

 

「え、マジで。てか、俺に聞きたいことなんかないと思うけど」

 

「いいからいいから」

 

 そういうことを言いながら、姉貴が俺に嘘発見器の棒を渡す。

 

「まあいいけど。で、誰が質問するんだ?」

 

「はい!わたしがしたい!」

 

 手を挙げたのは小咲だ。

 

「蓮君って、気になる人とか居るの?」

 

「気になる?のかな……。その辺は解らんが、俺が家族同然と思ってる人は居るな」

 

 ……これを聞いた羽姉ちゃんが、笑ってる顔がすぐに思い浮かぶ。てか、小咲も知ってるはずだけど。なんかの確認とか?まあいいや。

 

「当然、姉貴も家族同然だぞ」

 

 姉貴とは、約10年の付き合いだし。

 てか、何で皆(小咲以外は)目を丸くしてるの?もしかして、俺の発言が予想外だった?

 

「小咲と姉貴は知ってると思うけど、俺は孤児院出身でな。で、俺と仲良くしてた姉って言えばいいのか、そんな人だ。ちなみに、親父たちに引き取られる前から会ってるな」

 

 次は、姉貴からの質問らしい。

 

「蓮ってさ。キスしたことあるの?」

 

「……それっぽいことなら、一応」

 

「「「「「え――――っ!!」」」」」

 

「「マジか――――――っ!!」」

 

 上がる歓声。

 つーか、律儀になんで俺は答えてんの?アホなの?バカなの?

 ……やばい、痛い奴に見えてくるわ……。

 

「……蓮って、一番恋愛が進んでるんじゃねぇ?」

 

「いやでも、蓮は恋愛に興味がないって言ってるぞ」

 

「楽。それは偏見だぞ。多分な」

 

「うーん……。そう言われると」

 

 ……ヤバイ気がする。つか、何で俺が集中攻撃を受けてる感じになってるの?あれれ、予定外なんですけど……。

 

「だ――っ!勉強だ!今日は勉強会だろ!」

 

 ……はい、強引に話を切り上げて逃げましたよ、俺。

 ともあれ、ここから再び集中し、問題集と向き合いました。




恋愛が一番(無意識に)進んでいるのは、蓮君かもしれませんね。
あとあれです。何処かで、また羽姉ちゃん出せたらいいなぁ。
後、鶫は途中から離脱しますね。

蓮君は、高校3年までの学業は習得済みです。ってスペック高っ!教材等も、学校から取り寄せましたね(笑)

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。