ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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そろそろ年越しですね。早いものです。


第18話 再び転校生

 とある学校の一幕。何かまたしても転校生が来るらしい。このクラス、転校生多くね。

 てか、かなり教室がざわついてる。

 

「は~い!全員注目!今日は突然だけど、転校生を紹介するぞ~~!」

 

 まあそういう事なので、キョーコ先生が前の教室の扉を開ける。

 

「それじゃあ入って、橘さん」

 

『はい』

 

 橘と呼ばれた転校生は教壇の上に上がって一礼した。見た感想としては、ロングヘアーに清楚な女子って感じか。

 

「……皆さん、はじめまして。橘万里花と申します。何卒よろしくお願いします」

 

 そんなクラスの奴らは、

 

『うおぉぉおおおー。またしても美人!』

 

『どうなってんだ!このクラスは!』

 

『モデル!モデルなの!?』

 

『オレ、このクラスで本当によかった!』

 

 等々のどんちゃん騒ぎである。……てか、このお嬢様見たことがあるんだが。――そう、警視総監の娘だ。つーことは、野郎共はこれ以上に大人しくしてないとヤバイ。という事だ。

 

「(……はあ、面倒くさいことにならなければいいけど……)」

 

 まあそんな事を考えていたら、俺の予想はすぐに当たる事になる。

 

「楽様~~~!ずっと、お会いしたかったですわ~~~!」

 

 転校生が楽に抱きついたので、またしてもクラスメイトから声が上がる。

 

『転校生が一条に抱きついたぞ!』

 

『うおおぉぉぉ!どういうことだよ!また一条なのか!?』

 

 彼女の話によると、楽とは許嫁関係にあるらしい。てか楽。お前女難の相でもあんの?

 俺はまあ、無いと……思う。

 

「ええい、貴様。一条楽から離れろ!その男は、お嬢のこ、こここ、恋人なんだぞ!」

 

「恋人?」

 

 キョトンとする転校生。

 

「……こんなゴリラみたいな女子より、わたしの方が楽様を幸せにできますわ」

 

「……よく聞こえなかったな~~……」

 

 これはあれだ。俗に言う修羅場ってやつだ。

 で、鶫が銃を橘に向けたので、盾を持った警察官が突入する。……はあ、また戦争の火種が増えたよなぁ……。

 まあこの後は、仮病?使い、楽に保健室に連れて行ってもらっていた。

 

「……はあ、このクラスは退屈しないな」

 

「それには同意するわ。蓮君」

 

 るりは、片手で小説を持ちながらそう言う。

 

「だよなあ……。小咲も、楽にライバルが沢山いて大変だな」

 

 ……えーと、何で不思議そうな顔をしてるの?俺、間違った事言ってないよね?

 

「え……。そ、そうだね」

 

 はて、反応が最初とは違うような?……まあいいか。

 まあ、そんなこんながあり、放課後になりました。

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「今日は雨か……」

 

 俺は、昇降口ある傘置く場で傘を取りながらそう呟く。

 俺は、雨は好きでもある。雨は、辛い事も嫌な事を流し落としてくれる感じだからだ。まあ、俺の偏見かもしれないけど。

 昇降口を出ると、

 

「小咲?帰ってなかったのか?」

 

「う、うん。雨が止むまで待ってるんだ。今日傘忘れちゃって」

 

 そう言って、小咲は苦笑した。

 

「俺のビニール傘使うか?別に、俺は傘なしでもいいし」

 

 両手を前に突き出し、ぶんぶんと手を振る小咲。てか、振り過ぎたら手が捥ぎれちゃうよ。いやまあ、あり得ないと思うけどさ。

 

「だ、ダメだよ。蓮君が濡れちゃうよ」

 

「でも、小咲が帰れないぞ?」

 

「そ、そうだ。一緒に帰ろうよ」

 

 ……相合傘ってやつか。

 

「いやいや、こんな野郎と相合傘は嫌だろ?」

 

「ぜ、全然問題ないです」

 

「そうか?ならいいが……」

 

 そう言う事なので、2人で傘に入りました。まあでも、普通に入っただけなら濡れてしまうので、俺は小咲が入れるスペースを作った。女の子が濡れちゃマズイしね。つーかあれだ。道路側を歩いているからか、車のタイヤが水溜りを踏んで、水飛沫がアレだね。まあ問題ないけどさ。

 

「蓮君。もっとこっちに」

 

 中に引きずり込まれる俺。

 

「俺はいいから。ほら、小咲が濡れちゃうだろ」

 

「うぅ……。そうだけど……」

 

 小咲さん。そんなに申し訳なさそうにしないでくれ。何か、俺が悪い事した感じになってるやん。

 ともあれ、小咲を和菓子屋『おのでら』まで送りました。

 

「蓮君。ここまでありがとう」

 

「気にするな。俺がやりたくてやってる事だしな。ま、困ってる事があったら、いつでも力になるよ」

 

「うん、ありがとう」

 

「おう、じゃあまた明日」

 

 そう言って、俺は手を振ってから家に向かって歩き出した。




迷走感が否めない……。あとあれです。時系列が等に変化があると思いますが、ご了承ください。
次回も頑張ります!

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