とある学校の一幕。何かまたしても転校生が来るらしい。このクラス、転校生多くね。
てか、かなり教室がざわついてる。
「は~い!全員注目!今日は突然だけど、転校生を紹介するぞ~~!」
まあそういう事なので、キョーコ先生が前の教室の扉を開ける。
「それじゃあ入って、橘さん」
『はい』
橘と呼ばれた転校生は教壇の上に上がって一礼した。見た感想としては、ロングヘアーに清楚な女子って感じか。
「……皆さん、はじめまして。橘万里花と申します。何卒よろしくお願いします」
そんなクラスの奴らは、
『うおぉぉおおおー。またしても美人!』
『どうなってんだ!このクラスは!』
『モデル!モデルなの!?』
『オレ、このクラスで本当によかった!』
等々のどんちゃん騒ぎである。……てか、このお嬢様見たことがあるんだが。――そう、警視総監の娘だ。つーことは、野郎共はこれ以上に大人しくしてないとヤバイ。という事だ。
「(……はあ、面倒くさいことにならなければいいけど……)」
まあそんな事を考えていたら、俺の予想はすぐに当たる事になる。
「楽様~~~!ずっと、お会いしたかったですわ~~~!」
転校生が楽に抱きついたので、またしてもクラスメイトから声が上がる。
『転校生が一条に抱きついたぞ!』
『うおおぉぉぉ!どういうことだよ!また一条なのか!?』
彼女の話によると、楽とは許嫁関係にあるらしい。てか楽。お前女難の相でもあんの?
俺はまあ、無いと……思う。
「ええい、貴様。一条楽から離れろ!その男は、お嬢のこ、こここ、恋人なんだぞ!」
「恋人?」
キョトンとする転校生。
「……こんなゴリラみたいな女子より、わたしの方が楽様を幸せにできますわ」
「……よく聞こえなかったな~~……」
これはあれだ。俗に言う修羅場ってやつだ。
で、鶫が銃を橘に向けたので、盾を持った警察官が突入する。……はあ、また戦争の火種が増えたよなぁ……。
まあこの後は、仮病?使い、楽に保健室に連れて行ってもらっていた。
「……はあ、このクラスは退屈しないな」
「それには同意するわ。蓮君」
るりは、片手で小説を持ちながらそう言う。
「だよなあ……。小咲も、楽にライバルが沢山いて大変だな」
……えーと、何で不思議そうな顔をしてるの?俺、間違った事言ってないよね?
「え……。そ、そうだね」
はて、反応が最初とは違うような?……まあいいか。
まあ、そんなこんながあり、放課後になりました。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「今日は雨か……」
俺は、昇降口ある傘置く場で傘を取りながらそう呟く。
俺は、雨は好きでもある。雨は、辛い事も嫌な事を流し落としてくれる感じだからだ。まあ、俺の偏見かもしれないけど。
昇降口を出ると、
「小咲?帰ってなかったのか?」
「う、うん。雨が止むまで待ってるんだ。今日傘忘れちゃって」
そう言って、小咲は苦笑した。
「俺のビニール傘使うか?別に、俺は傘なしでもいいし」
両手を前に突き出し、ぶんぶんと手を振る小咲。てか、振り過ぎたら手が捥ぎれちゃうよ。いやまあ、あり得ないと思うけどさ。
「だ、ダメだよ。蓮君が濡れちゃうよ」
「でも、小咲が帰れないぞ?」
「そ、そうだ。一緒に帰ろうよ」
……相合傘ってやつか。
「いやいや、こんな野郎と相合傘は嫌だろ?」
「ぜ、全然問題ないです」
「そうか?ならいいが……」
そう言う事なので、2人で傘に入りました。まあでも、普通に入っただけなら濡れてしまうので、俺は小咲が入れるスペースを作った。女の子が濡れちゃマズイしね。つーかあれだ。道路側を歩いているからか、車のタイヤが水溜りを踏んで、水飛沫がアレだね。まあ問題ないけどさ。
「蓮君。もっとこっちに」
中に引きずり込まれる俺。
「俺はいいから。ほら、小咲が濡れちゃうだろ」
「うぅ……。そうだけど……」
小咲さん。そんなに申し訳なさそうにしないでくれ。何か、俺が悪い事した感じになってるやん。
ともあれ、小咲を和菓子屋『おのでら』まで送りました。
「蓮君。ここまでありがとう」
「気にするな。俺がやりたくてやってる事だしな。ま、困ってる事があったら、いつでも力になるよ」
「うん、ありがとう」
「おう、じゃあまた明日」
そう言って、俺は手を振ってから家に向かって歩き出した。
迷走感が否めない……。あとあれです。時系列が等に変化があると思いますが、ご了承ください。
次回も頑張ります!