ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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連投やで!まあ、最初のほうだけになるのかも知れんが……。


第17話 シャシン

 俺はいつものように一人で登校し、自分の机に向かってた。

 

「おはよう。小咲、宮本」

 

「おはよう、蓮君。蓮君あの後すぐにいなくなっちゃうから、ちょっとビックリしたんだよ」

 

 おそらく小咲が言ってる事は、誕生パーティーを俺が早く切り上げた事を言ってるのだろう。

 ちなみに、パーティーが行われたのが金曜日で、翌日の土曜日に中国へ向かいました。てか、準備するものはあんまりなかったしね。

 

「悪い悪い。ちょっと色々あってな」

 

 てか、宮本さん。早速勘づこうとするのは止めて欲しい……。いやね、宮本の視線が俺の利き腕を見てるんだよ。

 こういう時こそ、平静平静。

 

「どうかしたのか、宮本」

 

「いえ、何でもないわ。おはよう蓮君。あと、わたしも名前でいいわよ」

 

「了解だ。るり」

 

 そう言ってから席に座り、机の上で腕を組み、崩れ落ちる俺。

 そんな時、楽と姉貴が教室に入って来た。今日は俺の方が早かったのね。

 でもなんつーか、いつもと様子が違うような?ちなみに俺は、崩れ落ちながら顔を覗かせている。

 

「お、ラブラブカップルのご登場だね~」

 

 教室の扉が開き、女子生徒がそう言う。

 

「ハッハッハ!そうだろう、そうだろう!なんたってオレたちは、ラブラブカップル」

 

 楽は恋人の振りがバレないように、ラブラブってぷりをアピールしようとし、姉貴の肩に触れた瞬間、姉貴は顔を赤らめて可愛い声を上げる。

 

「キャ」

 

 うーん。明らかにおかしい……。誕生パーティーで何かあった?それしか原因は考えられないし……。

 

「蓮君、千棘ちゃんと一条君。喧嘩でもしてるの?」

 

 さすが小咲。微妙な違和感に気づいたらしい。まあ確かに、いつもだったら楽に触れられた瞬間殴ったり、自分からくっついたりしてたし。

 

「うーん、解らん。俺、あの後からちょっと用事があって、席をずっと外してたからな」

 

「用事?」

 

 やべ……。墓穴を掘りそうになってる……。

 

「じゃあ、そろそろ戻るわね。小咲、蓮君」

 

 るりは自分の席に戻っていった。それから数分後にチャイムが鳴り、キョーコ先生が入って来たから教壇に上がった。

 キョーコ先生が言うには、林間学校の写真の焼き上がったらしい。

 

「はーい、注目~。林間学校の写真が焼きあがって掲示板に貼り出されてるから、各自欲しい写真の番号を書いて提出する事。OK?」

 

 返事をするクラスメイト。

 

「あと、恥ずかしくても、好きな奴の写真はちゃんと選んどけよ。アドバイスな」

 

 なんつーこと言ってんだ。この先生は、まあ一理あると思うけどさ。

 とまあ、時は経過し放課後。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「わぁ~。これ、好きなのを買っていいの?」

 

「そうらしいぞ、姉貴。てか、買い過ぎるなよ」

 

 張り出されている写真を見て、姉貴は目を輝かせていた。それで姉貴は、鶫と一緒に選んでいた。てか、一枚100円すんのね。

 

「……姉貴はしゃぎすぎだから。もっと落ち着いて選べないかね」

 

「ハニーはああいうの初めてなんだろ。テンションも上がるって」

 

「まあ、こういうイベント?は初めだし無理もないけどさ」

 

 俺は楽とそう話しながら、写真選びに向かった。てか、写真ね。

 俺があんまり興味なさそう眺めていると、

 

「あ。コレなんかどう?蓮君と小咲が映ってるけど」

 

 るりが指差した写真は、俺と小咲が手を繋いで肝試しをする場面だった。眠そうにしてるね。俺。

 

「いやいや、るり。小咲にはこれがいいと思うぞ」

 

 俺が指を差したのは、楽のズーム写真だ。まあ、その後ろに小咲とるりが映ってる。かなり小さくだけど。

 そう言いながら、写真を厳選し始める俺とるり。顔を真っ赤にする小咲。まあそうなるわな。

 

「おやおや、蓮さん。どんな写真がお好みで?先程から選んでいないようなので」

 

「まあな。どれがいいとか解らんしな」

 

 集が手をすりすりさせながら俺の方にやって来た。その後ろには大量の写真を眺めてる男子たち。ちなみに、俺にしか聞こえないボリュームで話している。

 

「こんなのはどうでしょう?」

 

 差し出されたのは、俺と小咲が肩を寄り添いながら寝てる写真。……こいつ、いつの間に撮りやがった……。

 

「もらっておくけど。集、今から締める……」

 

「ちょ、待て待て。蓮のそれは洒落にならんから――ぎゃあああぁぁあああ――っ!」

 

 集を締め終わってから写真を見ていると、これはダメでしょ。と言う写真を発見した。

 それは、満々の笑みを浮かべる姉貴の写真。だがまぁ、少し開いた扉の向こうに映る小咲の姿。あれだ、着替えの途中といった危険な写真でもあった。

 

「(……ちゃんと検閲しろよ。データを消してもらうか、危なねぇし。てか、姉貴の写真だし、怪しまれる事はないだろ)」

 

 俺はその写真を取ってから、職員室へ向かった。

 とまあ、このようにして林間学校の写真選びが終了した。




次回は、マリーかな?

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