そりゃないだろ……。があったからですね(笑)
楽が羽姉ちゃんを振ったのはショックでした。いや、薄々解ってたんですけどね……。
だからまあ、ここではヒロインなんですけどね(^O^)
俺は土日を使い、中国空港にやって来ていた。所謂、弾丸ツアーである。
ちなみに、親父からは結構な小遣いを貰いました。
「……来たのはいいけど。これからどうすっか?中国語は、ちょっとしかできねぇしな」
ボストンバックを肩にかけながら空港内を歩いていたら、俺限定で、殺気を感じた。またこれは、裏に関わってる奴しか捉える事はできないだろう。
「……誰だ?俺に殺気を向けてる奴は」
そう言って、警戒しながら周囲を見回していると、前から小柄な少女がやって来た。てか、誰?
「……お前誰?殺気を向けてたのはお前なの?てか、試したのか?」
「そうね。私の名前は
「羽姉ちゃんの護衛。側近って奴か?てか、何で俺が空港に来るって分かったんだ?」
「
羽姉ちゃんの勘、怖っ!つっても、昔から的中率が80%位あったしなぁ。
「それにしてもさすがね。ビーハイブの剣舞を名乗るだけあるね」
……その名前って、家だけじゃなくて、裏世界にまで広まってるのかよ……。マジ勘弁ってやつだわ。
その前に、最初にその二つ名をつけた奴、凄ぇ締めたいんだけど……。
「名乗ってねぇし。俺は、裏世界にはあんまり関わりたくないんだよ」
「大丈夫だと思うね。知られてるのは二つ名だけで、顔と名前は知られてないからね」
「……調べられたら、すぐにバレると思うんですが……。まあいいや、これも運命なのかね」
俺がこんなテンプレ的な言葉を使うと思わなかったわ。
俺は
ともあれ、その最上階に案内されました。てか、途中にあった装飾品とか、百単位の物ばっかだろ……。
「ここね。ここが
「さっきは聞くの忘れたが、羽姉ちゃんって
「しっかり者。としか言えないね」
なるほど、優等生として頑張ってるのな。流石、としか言いようがねぇわ。
つか、今からは入る部屋って、女子部屋なんだよね。……いや、今更な感想なんだけどさ。
まあそれは置いといて、ドアを開けて部屋に入りました。
♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦
「蓮ちゃん!会いたかったよ~!」
胸に飛び込んで来ようとする羽姉ちゃんの額に、右手を前に出してから当て、動きを止める。あれだ。アイアンクロー的な感じのやつだ。
「抱きつこうとするな!駄姉が!」
「せっかくの再開なんだよっ!もっとフレンドリーにいこうよっ!」
「いや、知らんし。つーか、俺がそういうことに応じない事くらい知ってるだろうが」
俺は、アイアンクローの力を若干強める。
「痛ぃ痛ぃ。もうやりませんから。わたしの頭が割れちゃうよ」
嘆息してから、拘束を解く俺。
「てか、着けてんのな、シュシュ」
羽姉ちゃんはシュシュを着け、サイドポニーにしている。
なんつーか、そこ等に居る男なら即行で落とせると思う。ってのが俺の感想。
「もちろん。わたしの宝物だから」
「……宝物は言い過ぎだろ……」
羽姉ちゃんは、俺が首に下げた物を見ながら、
「蓮ちゃんも着けてくれてるんだ、ネックレス」
俺はイルカのネックレスを擦った。
「まあな」
俺はテーブルの上に置いてある鍵を見た。
てか、楽のペンダントに嵌まる形じゃね。聞いて見ますか。
「羽姉ちゃん。あの鍵ってなんだ?」
「うーん、何て言ったらいいかな。……約束の鍵。って言えばいいのかな。楽ちゃんに関わる事なんだけど。――でも、今度会った時返そうと思う。わたしのじゃ開かないしね……たぶんだけど」
たぶんって、蓮ちゃんの口癖だね。と言って、羽姉ちゃんは優しく笑った。
「そうだな。俺の口癖だわ」
「それにしても、あの時はビックリしたんだよ」
「その方が、サプライズ?になるだろ。つか、羽姉ちゃんだっていきなり来たし」
なんつーか、俺と羽姉ちゃんって似た者どおしだったり……。いや、ないか。
「つーか、
「大丈夫。ほぼ安定したし、他の勢力も大人しくなったしね」
「……ちょっと待て。何処かに攻められたのか?」
……全部がバレても関係ない。そいつら今から木端微塵に潰して、二度と表舞台に立てなくしてやる……。得物は、刀が二本かな。
「で、でも、部下の人のお陰で何とかなったから大丈夫。大丈夫だから、ね?」
俺は渋々頷いた。
「……まあ、羽姉ちゃんがそう言うなら」
「……もう、わたし若干焦ったんだから。蓮ちゃんの力量なら、組織を一つ潰せるんだからね」
と言っても、小さな組織だけど。ちなみに、実行したのは一度しかない。まあ、その時は匿名だったしね。でもまあ、集英組とか
「蓮ちゃんは、今日の夜の便で帰っちゃうんでしょ?」
「まあそうだな。てか、弾丸ツアー的な感じだし」
「じゃあさ。デートしよう」
「いや、デートじゃなくて。買い物な。てか、
「そのことなら、
……あれだ。根回しが早すぎる。こうなると予想してたのかよ、羽姉ちゃん。
まあいいや。買い物に行きますか。
「それと蓮ちゃん。今日、わたしの些細なお願い聞いてくれる?」
羽姉ちゃんは腰を曲げて、俺を覗き込むように見た。てか、上目遣いは反則だと思います……。
「いいけど。で、どんな事だ?」
「今日一日、お姉ちゃん禁止で」
「は?お姉ちゃん禁止?あれか、お姉ちゃん呼び禁止ってこと?」
てことはあれか。羽姉ちゃんと姉ちゃんは呼びは禁止ってことだろ……――、
「呼び捨てとか、ハードルが高いんですけど……」
頬を膨らませる羽姉ちゃん。
「だーっ、頬を膨らませるなって。わかったから――
「そう?わたしは、ずっとでも構わないんだけど」
「……今日だけにするよ。精神がガリガリ削られると思うし」
「慣れよ慣れ」
そんなこんなで、俺と羽は買い物に行きました。
かなりご都合主義がありますが、あしからず。
次回は、買い物(デート)ですかね。
ちなみに、大きな組織は、蓮の家と集英組、