ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

15 / 72
ニセコイを15巻まで集めて、そこで断念した舞翼です。
そりゃないだろ……。があったからですね(笑)
楽が羽姉ちゃんを振ったのはショックでした。いや、薄々解ってたんですけどね……。
だからまあ、ここではヒロインなんですけどね(^O^)



第15話 サプライズ

 俺は土日を使い、中国空港にやって来ていた。所謂、弾丸ツアーである。

 ちなみに、親父からは結構な小遣いを貰いました。

 

「……来たのはいいけど。これからどうすっか?中国語は、ちょっとしかできねぇしな」

 

 ボストンバックを肩にかけながら空港内を歩いていたら、俺限定で、殺気を感じた。またこれは、裏に関わってる奴しか捉える事はできないだろう。

 

「……誰だ?俺に殺気を向けてる奴は」

 

 そう言って、警戒しながら周囲を見回していると、前から小柄な少女がやって来た。てか、誰?

 

「……お前誰?殺気を向けてたのはお前なの?てか、試したのか?」

 

「そうね。私の名前は(イエ)首領(ドン)の護衛、兼、教育係ね」

 

「羽姉ちゃんの護衛。側近って奴か?てか、何で俺が空港に来るって分かったんだ?」

 

首領(ドン)の勘ね」

 

 羽姉ちゃんの勘、怖っ!つっても、昔から的中率が80%位あったしなぁ。

 

「それにしてもさすがね。ビーハイブの剣舞を名乗るだけあるね」

 

 ……その名前って、家だけじゃなくて、裏世界にまで広まってるのかよ……。マジ勘弁ってやつだわ。

 その前に、最初にその二つ名をつけた奴、凄ぇ締めたいんだけど……。

 

「名乗ってねぇし。俺は、裏世界にはあんまり関わりたくないんだよ」

 

「大丈夫だと思うね。知られてるのは二つ名だけで、顔と名前は知られてないからね」

 

「……調べられたら、すぐにバレると思うんですが……。まあいいや、これも運命なのかね」

 

 俺がこんなテンプレ的な言葉を使うと思わなかったわ。

 俺は(イエ)の案内の元、ある建物に向かった。あれだね、安土城?的な城だよ。冗談抜きで。

 ともあれ、その最上階に案内されました。てか、途中にあった装飾品とか、百単位の物ばっかだろ……。

 

「ここね。ここが首領(ドン)の部屋、兼、勉強部屋ね」

 

「さっきは聞くの忘れたが、羽姉ちゃんって叉焼会(チャーシューかい)首領(ドン)やってる時、どんな感じなんだ?」

 

「しっかり者。としか言えないね」

 

 なるほど、優等生として頑張ってるのな。流石、としか言いようがねぇわ。

 つか、今からは入る部屋って、女子部屋なんだよね。……いや、今更な感想なんだけどさ。

 まあそれは置いといて、ドアを開けて部屋に入りました。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

「蓮ちゃん!会いたかったよ~!」

 

 胸に飛び込んで来ようとする羽姉ちゃんの額に、右手を前に出してから当て、動きを止める。あれだ。アイアンクロー的な感じのやつだ。

 

「抱きつこうとするな!駄姉が!」

 

「せっかくの再開なんだよっ!もっとフレンドリーにいこうよっ!」

 

「いや、知らんし。つーか、俺がそういうことに応じない事くらい知ってるだろうが」

 

 俺は、アイアンクローの力を若干強める。

 

「痛ぃ痛ぃ。もうやりませんから。わたしの頭が割れちゃうよ」

 

 嘆息してから、拘束を解く俺。

 

「てか、着けてんのな、シュシュ」

 

 羽姉ちゃんはシュシュを着け、サイドポニーにしている。

 なんつーか、そこ等に居る男なら即行で落とせると思う。ってのが俺の感想。

 

「もちろん。わたしの宝物だから」

 

「……宝物は言い過ぎだろ……」

 

 羽姉ちゃんは、俺が首に下げた物を見ながら、

 

「蓮ちゃんも着けてくれてるんだ、ネックレス」

 

 俺はイルカのネックレスを擦った。

 

「まあな」

 

 俺はテーブルの上に置いてある鍵を見た。

 てか、楽のペンダントに嵌まる形じゃね。聞いて見ますか。

 

「羽姉ちゃん。あの鍵ってなんだ?」

 

「うーん、何て言ったらいいかな。……約束の鍵。って言えばいいのかな。楽ちゃんに関わる事なんだけど。――でも、今度会った時返そうと思う。わたしのじゃ開かないしね……たぶんだけど」

 

 たぶんって、蓮ちゃんの口癖だね。と言って、羽姉ちゃんは優しく笑った。

 

「そうだな。俺の口癖だわ」

 

「それにしても、あの時はビックリしたんだよ」

 

「その方が、サプライズ?になるだろ。つか、羽姉ちゃんだっていきなり来たし」

 

 なんつーか、俺と羽姉ちゃんって似た者どおしだったり……。いや、ないか。

 

「つーか、叉焼会(チャーシューかい)は安定してきたのか?何なら、今日一日手伝うけど」

 

「大丈夫。ほぼ安定したし、他の勢力も大人しくなったしね」

 

「……ちょっと待て。何処かに攻められたのか?」

 

 ……全部がバレても関係ない。そいつら今から木端微塵に潰して、二度と表舞台に立てなくしてやる……。得物は、刀が二本かな。

 

「で、でも、部下の人のお陰で何とかなったから大丈夫。大丈夫だから、ね?」

 

 俺は渋々頷いた。

 

「……まあ、羽姉ちゃんがそう言うなら」

 

「……もう、わたし若干焦ったんだから。蓮ちゃんの力量なら、組織を一つ潰せるんだからね」

 

 と言っても、小さな組織だけど。ちなみに、実行したのは一度しかない。まあ、その時は匿名だったしね。でもまあ、集英組とか叉焼会(チャーシューかい)は流石に……。って感じ。

 

「蓮ちゃんは、今日の夜の便で帰っちゃうんでしょ?」

 

「まあそうだな。てか、弾丸ツアー的な感じだし」

 

「じゃあさ。デートしよう」

 

「いや、デートじゃなくて。買い物な。てか、叉焼会(チャーシューかい)は放っといていいのかよ。首領(ドン)なんだろ?」

 

「そのことなら、(イエ)ちゃんから許可をもらったから問題なし」

 

 ……あれだ。根回しが早すぎる。こうなると予想してたのかよ、羽姉ちゃん。

 まあいいや。買い物に行きますか。

 

「それと蓮ちゃん。今日、わたしの些細なお願い聞いてくれる?」

 

 羽姉ちゃんは腰を曲げて、俺を覗き込むように見た。てか、上目遣いは反則だと思います……。

 

「いいけど。で、どんな事だ?」

 

「今日一日、お姉ちゃん禁止で」

 

「は?お姉ちゃん禁止?あれか、お姉ちゃん呼び禁止ってこと?」

 

 てことはあれか。羽姉ちゃんと姉ちゃんは呼びは禁止ってことだろ……――、

 

「呼び捨てとか、ハードルが高いんですけど……」

 

 頬を膨らませる羽姉ちゃん。

 

「だーっ、頬を膨らませるなって。わかったから――()でいいのか?てか、今日だけだからな」

 

「そう?わたしは、ずっとでも構わないんだけど」

 

「……今日だけにするよ。精神がガリガリ削られると思うし」

 

「慣れよ慣れ」

 

 そんなこんなで、俺と羽は買い物に行きました。




かなりご都合主義がありますが、あしからず。
次回は、買い物(デート)ですかね。

ちなみに、大きな組織は、蓮の家と集英組、叉焼会(チャーシューかい)の三つですね。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。