ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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ラブライブのメドレーを聞きながら執筆する舞翼です。(おい、関係ないぞっていう突っ込みはせんといて……)

でもまあ。その中で特に好きな曲は、START_DASH!! Snow halation 冬がくれた予感 No brand girls Angelic Angel とかですね。まだまだ一杯あるけど。

では、どうぞ。


第11話 林間学校Ⅰ

 カレーを完食し、一休みした所で、俺たちの班は宿舎にやって来ていた。

 

「へー、結構広いんだな」

 

「こういうとこ、うちの学校気前良いよな」

 

 俺と集が、部屋の内装を見ながら感嘆な声を上げる。てか、何故男女部屋じゃない。なんかおかしくね……。あれだ。気にしたら負けってやつである。

 ともあれ、各自は荷物を下ろし寛ぐ。てか、飯を食ったからか、再び眠く――って、今日の俺、寝てばっかじゃね……。まあでも、俺は横になりました。つーか、風呂まで時間があると言うことで、トランプ(俺を除く)をすることになったもだが――、

 

「罰ゲーム?」

 

「そ。罰ゲーム。ビリの人がだけど」

 

 俺が端の方で横になっていると、集がこちらに来て、トランプに誘ってきた。何でも、『初恋のエピソードを語る』っていう罰ゲームがあるらしい。

 

「つってもな、集。俺、初恋とかねぇぞ」

 

「なら、気になる子とかで」

 

 うーむ。俺が気になる子ねぇ。……うん、居ないな。でもまあ、ここで断ったら、誘ってくれた皆に失礼だ。

 

「わかった、やろうか」

 

「お、やっぱり蓮は話が解るな」

 

 とまあ、そういうことなので、鶫、集、千棘、楽、小咲、宮本、俺の順で時計回りに座っている。

 鶫から始まり、集が鶫の手札から一枚カードを引き、次に千棘が集の手札から一枚カードを引く。まあそれはいいんだが、小咲と姉貴は表情でジョーカーを持っているかバレバレである。

 で、宮本が小咲からわざとジョーカーを引く。

 

「(ったく、俺を嵌める気か?まあいいど)」

 

 そんな事を考えながらカードを引くと、案の定ジョーカーだった。……うん、こうなるって知ってたよ。

 でもまあ――、

 

「(……蓮君。何でそんなにポーカーフェイスが完璧なのかしら?)」

 

「(職業上(ギャング)だからじゃないか?まあ、小さい時から得意だったからな、ポーカーフェイス)」

 

 おそらく、俺がジョーカーを引いた事に、皆は感づいていないだろう。

 そうこうしてる内にゲームは進み、俺は一位通過。その後も、宮本、集、鶫と続き、残ったのは、小咲と姉貴、楽だ。

 俺の予想では、小咲と姉貴が最後に残るはずだ。まあ、俺の予想は外れる事になり、楽が小咲が持っていたジョーカーを引き、姉貴との最終対決まで縺れ込んだのっだった。

 

「つーか蓮。お前、ポーカーフェイス上手すぎだわ」

 

 集が俺にそう言ってくる。

 

「かもな。俺がジョーカー持ってたの、宮本くらいしか気づかなかったし。最初嵌められた時だけだけど」

 

「オレは聞きたかったわ。蓮が気になる女の子」

 

「だから、居ねぇから。……強いて言えば――――、何でもない」

 

「ちょ、そこまで言って途中で止めるかのかよ……」

 

 再び、姉貴たちの方へ視線を向けると最終局面だった。

 で、姉貴がジョーカーを引こうと――、

 

「こら――!いつまで遊んでる!とっくに集合時間は過ぎてるぞ――!」

 

 キョーコ先生が、襖をバンと開けた。開始から、かなりの時間が経過していたらしい。

 

「…………よかったな」

 

 楽はカードを床に落としながら部屋を出た。床に落ちたカードはジョーカーじゃない。あのままゲームを続行すれば、姉貴が負けていた。

 まあ何と言うか、姉貴、罰ゲーム回避おめでとう?でいいのか?そんな事を考えながら、俺も立ち上がり集合場所へ向かった。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 夕食が終わり、入浴の時間になった。

 

「蓮。風呂行こうぜ」

 

「いいけど。でも楽。覗きをしようとか言い出すなよ」

 

「し、しねぇよ。てか、バレたら退学ものだぞ」

 

「まあ確かに」

 

 そういうことなので、部屋から服を取り、風呂場に向かおうとしたのだが、楽が電話で呼ばれフロントに向かった。

 俺は壁に背を預けながら、

 

「はあ、なんつーか、今日は疲れたかもな」

 

 そんなことを呟いていたら、電話が終わった楽が駆け寄って来る。

 

「誰からだったんだ?」

 

「それなんだけどよ。誰からも電話がかかってなかった」

 

「は?つまり、悪戯電話か?」

 

「まあ、そうなんじゃないか」

 

 そんなこんなで、男子湯へ向かう俺たち、脱衣所の端で服を脱ぎ体をパパッと洗ってから入浴する。

 極楽極楽。……オヤジっぽい発言だな……。

 岩の端でゆっくりしてると、

 

「ちょ、蓮!?緊急事態だ!」

 

 楽がかなり焦って俺に近づく。

 

「は?何言ってんだ――」

 

 楽の焦りが俺はすぐに解った。

 ……うん、これはかなりヤバイ……。マジでやばい。てか、洒落にならん。

 俺はピンときた。

 

「……これはクロードの奴のせいだな」

 

 で、俺もそれに巻き込まれたと。……つか、あいつ締める……。マジで締める……。慈悲は無い的な感じで。

 

「く、クロードって、あのオールバックだっけか?」

 

「その認識で合ってるぞ。てか、今はそれどころじゃねぇから!」

 

 そう、続々と女子が風呂場に入って来るではないか。

 

「うわー、凄い!いい景色だね」

 

 姉貴に、小咲、宮本に鶫と。

 そんなこんなで焦っていると、体を洗い終わった女子が入って来るではないか……。てか、洗うの早ッ!

 つーか、楽は姉貴に見つかったらしい。……つか、バレてない今なら何とかなる。で、潜水をすると、男子湯に繋がると思われる穴を発見した。

 

「(あそこから、男子湯に行ければ)」

 

 そう思いながら顔を浮上させると、……うん、女子と目が合った。

 

「「え?」」

 

 そりゃこうなるわ。

 ちなみ、即行で背に隠れました。

 

「れ、れれ、蓮君。な、なんで女湯にいるの?」

 

 ……あれだ。小咲に発見されました。はい、社会的に終わりですね……。

 言い訳タイムといきましょうか。つっても、信じてもらえる確立は皆無かもしれんが。

 

「とういことなので、身内のせいなんだよ。この通り、ごめんなさい」

 

「う、うん。蓮君が覗きなんかしないって信じてるけど、この状況はマズイかも。てか、わたしの裸も見られたし……」

 

「そ、それは不可抗力だから。俺は悪くないからっ。他意はないから。信じてください、小咲さま」

 

「……もう、貸しだからね」

 

「盛大な配慮、ありがとうございます」

 

 つい、敬語になる俺。

 

「ねぇねぇ、寺ちゃん。桐崎君とはどんな関係なの?」

 

 アホモブ女子がッ。来るんじゃねぇ。

 見つかったら、社会的に死ぬから……。

 

「ふぇ!」

 

「だってさ、男子の中で唯一名前呼びじゃない」

 

 まあ確かに。何でだろうか?

 何故か同意する俺。

 

「そ、それは最初に話した時そうなったから……。ほ、ほら、千棘ちゃんも桐崎だったでしょ?」

 

 小咲は両手を後ろに回して、潜水してる俺の背を押す。

 

「(わたしが食い止めるから、蓮君は早く脱出して)」

 

「(わ、悪い。恩に切る)」

 

 そういうことなので、ダッシュで男子湯に繋がる穴を通り、

 

「ぷはっ――!」

 

「おわッ!楽の次は蓮かよ!ど、どうしたんだよ、お前ら」

 

 どうやら、楽も脱出できたらしい。

 

「い、いや、ちょっとばかり潜水を……。な、楽?」

 

「お、おう。蓮の言う通りだ……」

 

「つ、つか。楽、出ようぜ。俺どっと疲れたわ……」

 

「お、オレもだ……」

 

 楽はげんなりしながら答える。

 いや、これが普通の反応なんだけどね。

 で、風呂から上がり、下着諸々は男子湯で購入した。何であるんだよ。って言う突っ込みはしないでくれ……。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 浴衣姿で俺と小咲は向き合っていた。

 

「れ、蓮君。着替え取っといてあげたよ」

 

 そう言って、袋に入った着替えを渡してくれる小咲。

 いや、マジで女神です。小咲さん……。

 

「お、おう。マジでサンキュー。退学にならなくて済んだわ」

 

「それで、どこまで見たのかな?」

 

 ……え、何。小咲の背後から修羅像が見えるんだが……。

 

「み、見たのは、小咲の裸だけだ。ほ、他の奴は見てないぞ」

 

 てか、あれだわ。完全に変態発言だわ。

 

「じ、じゃあ、何でも一つ言うことを聞くって事で手を打ってくれ。……まあ、俺ができる範囲だけだけど」

 

「……うん、わかった。それで手を打ってあげる」

 

 やっぱ小咲。マジで女神っ!

 

「この話は終わり。時間過ぎそうだけど、星見に行こうよ。蓮君」

 

「あ、ああ。別に構わんが」

 

 そんなこんなで、外のベンチに座る俺たち。

 やはり、星が綺麗に輝いている。

 

「星を見るのって、修学旅行の醍醐味かも」

 

「いや、修学旅行じゃないからな。林間学校だ」

 

「もう、細かいことは気にしない」

 

「はい、その通りです」

 

 今日一日は、小咲には頭が上がらないだろう。

 なんつーか、弱みを握られた?

 

「蓮君って、羽さんのことホントはどう思ってるの?ネックレスをプレゼントしてくれる関係だから、気になってさ」

 

「恋愛対象ってことか?」

 

 小咲は頷いた。

 

「うーん、そう言われてもな。姉としか言えないんだよな。まあ、恋愛以外では好きだけどさ。昔から、世話になってるしな。てか、ほぼと言ってもいいほどの恩人だし」

 

「強い絆で結ばれてるんだね」

 

「どうだろうな。連絡も取り合ったのも、ここ最近だからなぁ。ま、かなり頻繁だけど。……羽姉ちゃんからがほぼだけど……」

 

 げんなりする俺。

 まあでも、邪険にできないけど。てか、したくないが正しいか。

 

「ま、そう言うことだ。湯冷めしちゃうから、部屋に戻ろうぜ」

 

「そうだね」

 

 まあそういうことなので、部屋に戻る俺たち。

 何故か知らんが、ベランダでテルテル坊主の要領で楽と集が吊らされていた。まあ、集あたりが女子部屋に入ろうとして、宮本にやられたのだろう。楽は、そのとばっちりと見た。

 俺は楽と集を助けてから、布団に入り眠りに就いた。

 こうして、林間学校一日目が終了した。

 




林間学校一日目終了です。
ちなみに、蓮の呼ばれ方は、若と蓮坊ちゃんです。

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