ニセコイ~千棘の義弟~   作:舞翼

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完全なノリです。暇つぶし程度に見てやってください。


一年生
第1話 テンコウ


「失礼しまーす」

 

 俺、桐崎蓮(きりさき れん)は、凡矢理高校の職員室に顔を出していた。

 てか、姉貴はまだ来てないのかよ……。まあ、義理なんだけど。

 ともあれ、俺は編入するクラス担任の元へ向かった。

 

「桐崎蓮です。よろしくお願いします」

 

 頭を小さく下げる俺。

 

「そう畏まらなくていいぞー。担任の日原教子だ」

 

 かなりフランクに接してくれるキョーコ先生。

 

「あ、そっすか。んじゃ、よろしくです」

 

 そんな時、職員室の扉が開き、姉貴が職員室に入ってきて、俺の隣に来た。

 てか、かなり息が上がってるね。なんかあったの?いやまあ、別に知りたくないけどさ。

 

「おー、話は聞いてるぞ。君は坊主の姉だろ?」

 

 おい、キョーコ先生や。坊主ってなんや、坊主って。まあいいけど。

 

「は、はい。桐崎千棘です」

 

 キョーコ先生は、うんうんと頷いた。

 それから、編入先の教室へ向かう。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 所変わって一年C組の教壇の上。

 ここに並んで、俺と姉貴は立っている。あれだ、転校生がクラスに来る特有の騒ぎが起こってるわ。

 

「初めまして、桐崎蓮です。気軽に蓮でいいですよ。……好きな食べ物は肉で。以上です」

 

 まあうん。一方的に終わらせました。

 

「初めまして、アメリカから転校してきた桐崎千棘です。母が日本人で、父がアメリカのハーフですが、日本語はバッチリなので気軽に話しかけて下さいね」

 

 ニッコリと微笑む姉貴。

 掴みは上々って所か。なんでお前がそんなこと言ってんだよ。って感じだけどさ。

 

『はいはーい!桐崎さんたちは姉弟なんですか?』

 

 テンションが高いクラスメイトにそう聞かれた。

 これは聞かれると思った。俺は口を開く。

 

「義理だけどな。まあでも、俺にとってはいい姉貴だ」

 

 『……蓮~。お義姉ちゃん嬉しいよ』って小声で言いながら、姉貴は泣きそうだ。てか、転校初日から泣くとか止めてくれよ。

 まあ、無事に自己紹介が終わると思ったのだが――、

 

「「あ――――――ッッ!!」」

 

 姉貴と……もやし?(俺命名)が痴話喧嘩?を始めた。つーか、登校中に跳び膝蹴りって……。

 

「(……姉貴。なにやってんだ、あんたは)」

 

 こう思いながら溜息を吐く俺。

 で、『猿女』が決定打になり、もやしは姉貴の右手で殴られてたが。……姉貴、女なのに力がハンパないからなぁ。

 ともあれ、俺は空いてる席に腰を下ろしました。席は、真ん中の列の最後尾って所だ。てか、転校初日だから、教科書類とかないんだよね。

 “あれか!今日一日は寝てていいのか!”……とまあ、そんなことを思いながら机にうつ伏せになっていたのだが、茶髪で左側のサイドの髪が長い、アシンメトリーな髪型が特徴の女の子に話しかけられた。

 

「は、初めまして。わ、わたし、小野寺小咲。ええと、き、桐崎君」

 

 俺は上体を起こし、

 

「蓮でいいよ。姉貴も桐崎だろ。呼び方だけど。小野寺、それとも小咲。どっちがいい?」

 

「ど、どっちでもいいよ」

 

「そか。じゃあ、小野寺で」

 

 いや、何。シュンとしないでくれませんかねぇ、小野寺さん。

 あれか、名前呼びの方が良かったとか。……いや、ないか。

 

「蓮君。教科書とかないの?」

 

「ない。だから、今日は寝る」

 

 そう言って、机にうつ伏せになろうとする俺。てか、高校一年の学問は習得してるんだよね。俺、勉強しなくてもいいんじゃね。的な感じでもある。

 だが、小野寺は焦ったように、

 

「だ、ダメだよ。ちゃんと授業を受けないと」

 

「いや、だから教科書がないから」

 

「わ、わたしが見せてあげる。だから、ちゃんと授業受けよう」

 

「……わかったよ」

 

 あれだわ。小野寺って優しくて包容力があると思う。まあ、俺の予想だけど。

 で、教科書を見せてもらい一限目の授業を受けました。

 

 

♦♦♦♦♦♦♦♦♦♦

 

 時は経過し昼休み。

 俺が大きく伸びをしてると、男子生徒が二人近づいて来る。俺のモットはー、来るものは拒まずだ。

 

「これからよろぴく、蓮さんや。オレは、舞子集ね」

 

「オレは、一条楽だ。一年間よろしくな」

 

「自己紹介で聞いたと思うが、桐崎蓮だ。よろしくな」

 

 自己紹介が終わり、集が俺の肩に手を回してきた。てか、ニヤニヤすんな。

 

「それはそうと、蓮さんや。いつの間に小野寺と仲良くなったんだ」

 

「いや、ただ教科書を見せてもらっただけだから。これと言って何もないし。てか、楽。姉貴の面倒を頼んだわ」

 

 楽は、げっ、という顔になった。

 

「お、オレに暴力女と仲良くなれと……」

 

「まあそういうことだな。だからまぁ、頼んだ」

 

「お、おう……」

 

 がっくりと肩を落とす楽に、この光景を見てニヤニヤと笑ってる集。何というか、高校生活が楽しくなりそうな予感。いやまあ、たぶんだけど。




続くかな?

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