転生ショタ魔王はお好きですか?   作:kimito19

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遅くなりました


第4話 魔法訓練開始です!

俺は外に出て師匠と一緒にいつも魔法の練習をしている山中に向かった。

 

「師匠これから急な山道ですけど大丈夫ですか?」

「シャハハハ、年寄りだからってバカにするんじゃないよ。これでもわしは上級悪魔だよ」

 

そう言って師匠は服の下から蝙蝠の様な翼が出てきた。翼、それは上級悪魔特有の部位だもちろん翼を持っていない上級悪魔もいる。実際に現魔王も翼は持っていない、稀に平民や下級中級悪魔にも翼を持った者が生まれるという話を母様の書斎で読んだことがある。そして、翼を持つ者は必ず一つ以上は類稀な才能を持っており、それらを王に見込まれ上級悪魔に昇進するという話だ。つまり師匠は類稀な魔法の才を持っているということだ。

 

「それじゃあ僕が先に行くのでついて来て下さい」

「そうかい、それじゃあお願いしようかね」

 

俺は今日か魔法を使い木々を飛び移りながら移動した。この魔法は数日前にこの山の裏の村が襲われた時も移動に使っていた魔法だ。肉体強化の魔法、これは日々使えば使うほど練度は増すまあ基本は何でもそうだが…

ちなみに師匠は顎に手を当てながら低空飛行でついて来ていた。というか、ここら辺は木々が密集しているのにどうやって飛んでいるのやら……

そうこうしているうちにいつも魔法の練習をしている、山中の木々の無い場所に着いた。木々がない理由は察しの通り俺が原因なのだが…

 

「ここであんたはいつも魔法の練習をしているのかい?」

「はい、師匠。ここなら他の村の者たちにも迷惑がかからないので」

「そうかい、それにしてもさっきは驚いたよ。わしらみたいに翼を持っていない子供が、無詠唱で肉体強化の魔法が出来るなんて思いもよらなかったからね…もしかしたら、あんたの将来は大物になるかもね」

 

師匠はそう言って近くにあった岩に腰を下ろした。俺は汗をかいていたためミクルからタオルを貰い汗を拭った。

 

「それじゃあ取り敢えずあんたがいつもやっている通りの訓練を見せてもらえるかい?これからの教育の計画も立てなくちゃあならないからねぇ」

「わ、分かりました」

 

俺はいつも通りの訓練を始めた。まずは魔力で水を作り複雑怪奇な形を作り、それが終わると魔法の練習だ。まずは小さな炎を作った、赤色の炎が出来た。だが確か炎は赤色よりも青色の方が温度は上だったはずだ、昔小学校の理科の実験でガスバーナーを空気の調節で色が変わったんだっけか?俺はその時の炎の色を思い出しながら魔力の調節をしたり、炎内の空気を調節したり(あくまでもイメージです)すると炎は赤から青くなった。成功だ、俺はその炎を土壁で作った的に向かって放つと的は当たる前に温度で溶けてしまった。

次は水魔法の練習だ。的は土壁で作り直し、手の中で水球を作りそれを螺旋のように回転させながら的に投げると、想像通り土壁に穴が開いた。穴をチェックしてみるとそこにはきちんとねじ穴のような物が出来ていた。これも成功だ。

その次は風魔法の練習だ。次はもちろん土壁が標的だが、今度は弾丸のように飛ばすわけではない。土壁の周囲を球体が囲むようなイメージをし、そしてその風の球体の中を一気に圧縮。結果、土壁はまるでボロ雑巾の様にボロボロだった。まあ当たり前か、圧力で一気にただの土壁を押しつぶせばこうなるか。

魔法の練習ラストは土魔法だ。土魔法、俺も最初に思いついたのは岩を落ち上げそれを砲弾のように発射したり、地面を割ったりだがそれは何か違う様な気がした。何が違うかそれはさっきまで練習した魔法を見ればわかるだろう。魔法とは魔力で”一”を生み出しそれを魔力で十や百に強化し具現化させることだ。だが、土魔法はやっていることは元々そこら辺りにある土を固めてどうこうするくらいの事だ。ならば、土魔法の本質は土ではない。土を動かすための力、一言で言うならば"重力"だ。土を浮かせそれを固めそれを飛ばし固めた物で身を守ったりと、土魔法は他の魔法よりも外部からの圧力が必要な魔法だ。だから俺は大っぴらには土魔法と言っているが、俺個人の中では重力魔法と呼んでいる。

いい加減、説明は終えるか…俺は今度は的を作らず、土壁があった場所を重力で名一杯押しつぶした。もちろんその場所には大きなクレーターが出来た。

その後、多少休息代わりにその場に座った。ちなみに俺が魔法の練習中基本的に暇なミクルには、そこらへんのてきとうな草花や枝を取ってこさせていた。俺はそれらの草花や枝を受け取ると俺は目に意識を集中させた。すると師匠から疑惑の視線を感じ、そちらを振り向くと座っている少年を睨みつけている老婆の図だった。

 

「あ、あの何でしょうか師匠?」

「ああ、済まないねぇ一つ気になってね、さっきまでは魔法の練習だろうけどそれは一体何だい?」

 

師匠がそれと指すのはもちろんミクルに持ってこさせた草花や枝の事だ。師匠の目にはどう見ても草花や枝にしか見えないだろう、だがこれらはもちろんただの草花や枝だ。魔法を使って強化魔法を使っていない。これから行うのは"魔眼"の練習だ。

 

「ま、魔眼の練習じゃと…マティ、じゃのうてお主の母からそのようなことは一切聞いておらんぞ!」

「そ、そうだったんですか……」

 

母様はちょいちょい天然でボケをかますが、今回のボケはかなりデカイな後で母様に言っておこう、うん必ず言っておこう。

 

「それで、お主のその眼はどんな力を持っておるんじゃ?」

「あ、はい。これは……」

 

俺は昨日父様に話した通りの力の説明をした。この力は物を見通すことが出来る眼、簡単に言えば透視能力だ。やろうと思えばそれこそ衣服だけを透かせて、いやらしい事に使えないわけではないがハッキリ言ってそんなバカげた事に魔力を使う気は無い。そう眼を使うにも魔力が必要なのだ、例えば一日中使っていれば疲れるし魔法だって使えなくなる。俺の魔力は多少はあるが馬鹿なことに使う余裕はない。

閑話休題

つまり何が言いたいのかというと、眼の精度を上げるには草花や枝などを見て細胞などを分析、細胞分裂の勉強を生でしてそれを魔法に応用するのが現状俺にできることだと思う。

 

「という訳です」

「なるほど透視の魔眼ねぇ、わしが知る限りは見たことのないタイプの魔眼じゃな、見してもらってもええか?」

 

俺は「はい」と答え魔眼の練習に入った。はっきり言って魔眼の練習は地味だ、魔力を目に集中させまずは葉の細胞とその内部を通る水分だとか、その細胞を形成している分子配列さらに水分だったらその水分は何で出来ているのかをじっくりと観察する。たったそれだけだ、後の花も枝も同じだ、そしてそれらの構造をミクルに持たせていた羊皮紙に配列やその他の詳しいことをここに記しおくのが練習の一環だが、もはやこれは習慣と言ってもいいだろう。時間があれば自分が着ている服の繊維からその繊維の分子、そして人間のこともキチンと把握するために自分の細胞や遺伝子配列だとかを観察してそれを羊皮紙に記す。それを日が暮れるまで永遠に繰り返す、それが俺の魔眼の練習方だ。もし、俺のやり方よりも効率のいい練習方があれば教えてもらいたいものだ。

その後、日が暮れるまで魔眼の練習を行った。で、練習後の俺はというと汗だくで地面にへたり込んでいた。練習中の俺を師匠は止めはしなかったが、まさかこの後からさらに師匠直伝の練習を始めるのだろうか、だとしたら師匠は鬼だな絶対に悪魔だいやもうすでに俺たちは魔族だったな…

 

「それじゃあ帰るとしようかね」

「え、帰るんですか?!」

「当たり前だろ、お前さんの魔力はもう限界寸前だ。そんな奴に無茶なんかさせられると思うかい?それに今日はお前さんの実力を知るための練習だからねぇ。明日からはわし流で行かせてもらうからね」

「は、はい!」

 

俺は意気込みながら大きな声で返事をするが、疲労で立つのが精一杯のようだ、師匠が出来たからと張り切り過ぎたようだ…魂は成人男性だというのに、身体は子供だからそっちに心も引っ張られやすいのだろうか?俺はミクルに肩を借りて下山したのだった。本日の感想は人間に貸しを作ったみたいで少し屈辱的だった。




次回からは本格的に魔法の訓練します

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