罪の王がダンジョンに居るのは間違っているだろうか   作:ユーリ・クラウディア

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今回短いです


カフェでの一時

(どうしようか…)

 

 

集は今とてつもなく困っている。

と言うのも件の植物モンスターとの戦闘が終了した後の静寂から少し立って我に返った三人に質問攻めに合っているのだ…。

しかもわざわざ場所をこじゃれたカフェに連こ…コホン、カフェに案内されて落ち着いた所でじっくりと話せと、そう言う事らしい…。

昔からの悪い癖である押しに弱く流されやすい性格がが未だ治りきっていなかったのが悔やまれる…

 

(ハァ…)

 

目の前の三人、特にティオナと言う子は目を爛々に輝かせて興味津々なのが痛いほどよく分かる…

もう一人の何処かいのりと似た雰囲気を持つ金髪の子も表情や雰囲気では分かりずらいが僕の戦闘能力に興味を示している。

残るもう一人は、なんと言うか若干警戒している?のかな?多分得体のしれない僕を信用もしてなければ興味も無い様だが何やら周りに合わせて此処にいるようだ…。

 

他人の感情に敏感な集はそれを最大限に活用して現在の状況を出来るだけ冷静に分析していく。

 

(落ち着け…この程度の事、涯なら余裕の笑みを浮かべながら軽くあしらうだろ!僕だって涯みたいになるって言ったんだ!これくらいの事どうにかして見せる!)

 

「それで?僕の何を聞きたいんでしたっけ?」

 

「貴方の戦い方は凄く歪…どうして?」

 

アイズは集の問いかけに対して首をかしげながらそう聞いて来た。

 

 

「どうして、ですか…。まあ僕が使っていた剣を見て分かったと思いますけど、率直に言ってアレは普通であれば僕位の実力では普通買う事が出来ないよなとんでもない業物です。ですが少々縁がありまして、あのような業物を手に入れてしまいましたので使ってるんですけど…どうも剣の威力に頼り切りな感じになってしまって…技量そのままにステータスだけ上がってしまって、最近何とか修正出来て来てますけど未だ一撃必殺してた時代の動きが直りきってませんし駆け引きなんかもまだまだで…。お恥ずかしい限りです。」

 

集は無難な答えで説明する。

 

「あ~、確かにあの剣は凄い業物だったね~」

 

「なるほど、確かに未熟は時からアレで戦って来たのなら納得がいきますね。」

 

(ふう、何とか納得してくれたみたいだ。)

 

この状態で最も恐れるべき事は集がLv1であるという事が露見する事だ。

素手とは言えLv5が窮地に立たされる程のモンスターを討伐したのだ。最低でもLv3上位であると考えるのが自然だ。それが蓋を開ければLv1だと言うのだ。確実に騒ぎになる。

だから集はLvが上がったとは言わずにステータスが上がったという事で嘘をつかずに相手にLvとしての情報を与えず誤認させたのだ。

 

これで、何とか切り抜けられそうかな?

っと考えていた集だがそれが甘い考えだったという事を直ぐに思い知らされる。

 

 

 

 

 

「ねえねえ!ちょっと模擬戦してみない?」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……は?」

 

 

 

 

 

そんな事を言い出したのはティオナだ。

 

予測不能な提案に名抜けな反応をしてしまう集。

 

「だってあんなの見せられたら滾っちゃってうずうずしちゃうんだもん!」

 

「い…いえ、ですから技術的にまだまだでLv5の皆さんには全くと言って良い程満足できるものを提供できませんよ…」

 

 

「そんな事はどうだっていいの!私はすっごく戦いたいと思ったから言ってるんだよ!!」

 

ティオナはアマゾネスとしての強者を求める特性が抑えきれない様だ。

 

「で…ですが…」

 

「諦めた方が良いは…この子がこうなったら是が非でも殺るから…」

 

「ヤるの処がなんか可笑しな感じで聞こえたんですけど!?」

 

 

「それじゃあ早速行きましょう!」

 

ティオナは集の首根っこを掴み引きずって行った。Lv5の力を最大限に生かしたティオナの力技に素の状態で抗えるわけもなく集はそのままなされるがままに引きずられていった。

 

「やるならギルドホームが良いと思う。」

 

「私達も行きましょうか。面白そうだしね。」

 

残りの二人も止める事はせずにこの状態を楽しんでいる様だ。

 

「如何してこうなった…」

 

集はそう嘆いたそうだ。

 

 

 

 

 

 

 

「皆何処に行ったんですかぁーーーーー!!!」

 

その頃広場では一人忘れ去られた少女が叫んでいたとかいないとか…




アイディアは有るのにそこまで辿り着かないから全然進まない…

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