Lv.0の魔道士   作:蓮根畑

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ぐだぐだ本能寺イベが来てるので低クオリティ。
皆さんは沖田当たりましたか?

私は...






石129個の果てに来ました(ドヤ顔)




30 妖精の尻尾 VS 幽鬼の支配者 6

 

 

 

 

 

 

 

「プーン」

「外れなかったら無理はしなくていいのよ?」

 

仔犬座のニコラ、サクラが契約しているメルはルーシィに取り付けられた金具を取ろうと頑張るが、手の形的にだいぶ苦戦している。

 

「プーン!」

「あ!抜けた!」

 

スポーンといい音を出しながら引き抜けたが勢いがつき過ぎたせいか後頭部を鉄の地面に叩きつけてしまった。

クルクルと回るメルの目。

ルーシィは自由になった片腕で逆の手の金具を取り外し、続いて両足の金具を外してようやく自由に動けるようになった。

足元で気絶しているメルを抱え上げて目の前の戦況を見る。

 

「何これ...」

 

必死に金具を取り外そうとしているメルに目を向けていたせいか気づかなかった。

部屋のあちこちに傷が入り、鉄の部屋というのに鋭利なもので両断された形跡がある。

 

「ハァァァァ!」

 

裂帛の声と共に繰り出される斬撃。

あまりの威力で砂埃が舞い上がる。

 

「効かねェんだよ!」

「ガッ...」

 

拳が直撃し、大きく後ろに飛んだ。

空中で体制を整え地面に刀を突き刺して後退を防ぐ。

サクラは頭から血を流しながらも、格上の滅竜魔道士であるガジルに奮闘していた。

 

「けっ、大口叩いていた割には弱ェな」

「これからです...」

 

戦いが始まって既に20分が経過していた。

普通戦いではこんな長引くことはない。

ガジルはゆっくり痛ぶるせいか、それともサクラのバカみたいな根性なのか。

 

「まだ...!」

 

教わった魔法で自身の速さを上げる。

一歩でガジルの目の前に接近し、刀を水平に構える。鉄の鱗を持つガジルに斬撃はあまり効かない。ならば一点集中の突きを──

 

「遅いんだよ!」

 

鉄の拳が腹に突き刺さる。

内臓が逆流してくるような感覚をこらえる。

 

「──鉄竜槍!」

 

そのまま腕が鉄柱と化し数十メートル程伸び壁に叩きつけられる。

さらに追い討ちと言わんばかりに体に杭が突き刺さった。

 

「ァ...ぐぅ...!」

 

戦いでの痛みはこれが初めてだった。

修行の時とは比べ物にならないほどの痛み。

修行の時にどれだけ手加減されていたかがよくわかる。

 

「ぐっ、アアァ!」

 

身体強化を施し気合いで杭を引き抜く。

血がドクドクと溢れ出したが気にする暇はない。

 

「何で倒れねェんだよ」

 

面倒くさげにガジルが聞いた。

サクラは血まみれの体を動かし顔を正面に向ける。

何で倒れないか?答えは簡単だ。

 

「貴方を倒すためです」

「勝手に言ってろ」

 

刀はサクラの心を表したかのように微かに桜色が混じった銀に輝く。

ガジルは女相手でも容赦はしない。

顔に笑みを浮かべゆっくりとサクラに近づく。

一方的な戦いだった。

ガジルの拳が面白いぐらいサクラに当たる。

その度にサクラは起き上がるがまた叩き潰される。

その繰り返しだ。

 

「いい加減倒れやがれッ!」

 

鉄の剣を刀で塞ぐ。

 

「まだ...まだ...貴方に勝つまでは倒れません...!」

 

 

 

 

──アガートラム の 神域 解放

 

 

 

脳内に響くアナウンス。

それと同時に肘から手首にかけて桜色の紋様が現れた。

 

「これで、終わりだ!」

 

鉄の剣が迫る。

サクラは刀を鉄の剣を受け流し、その力を自身の刃へと乗せた。

 

「桜花七閃、一ノ型──」

 

そのままガジルの剣とかした腕を受け流し一歩踏み込む。

ガジルの一撃をいなしたことで蓄えられた力に自身の力を加え下から上へと刀を跳ね上げた。

 

「──天空桜!」

 

回避不可の一撃はガジルの顎に直撃し、大きく跳ね上げた。

鉄の鱗を持つガジルでも流石に耐え切れなかったのか顎から血が漏れ出していた。

 

「この女ァ...!」

 

ガジルが鋭い目で見てくるがサクラはゆったりとした構えで刀を構えた。

 

「さぁ、ここからお返しです」

 

怪我など感じさせないほどの速さでガジルの元に迫った。

 

「調子に乗ってんじゃねェ!」

 

──拳が迫る。

 

 

 

″いいかサクラ?人間っていうのはパンチする時に力を込めるため大体後ろに手を引くんだ。そこがチャンスだ″

 

 

「分かってますよアルさん」

 

 

刀から片腕を外しガジルの引いた拳に手を伸ばし手首を握る。

こうすることで拳が打てない。

 

「──ハァ!」

 

 

片腕を使い左右からの袈裟斬り。

剣尖がクロスするように刻まれ大きくガジルを突き離した。

更に一歩踏み込み胴を横に一閃。

ガジルがノックバックするとまた更に踏み込み刃を当てる。

これが連続で何度も何度も繰り返され、空中には銀の光が流れ星のように瞬くようだった。

 

 

「──無限刃」

 

 

サクラの脳内にインプットされた新たな技。

ヒューズ・アガートラムが用いた終わりのない斬撃。その正体は超スピードで切りつけるだけだが凄まじいのは刀の振るう数だ。

僅か10秒で浴びせた刃は50を超えた。

あまりの速さに同時に切りつけたかのような光の斬撃だけが残る。

 

 

「──セヤァ!」

 

 

サクラの腕が消えると同時に銀閃が輝き50の太刀筋がガジルに突き刺さった。

大きく後ろに吹き飛び鉄の壁に衝突してようやく動きを止めた。動かないガジルの鉄の肌からは血が漏れ出し、ヒビも入っていた。

 

「ギヒッ、正直なめてたぜ」

 

ガジルは鉄の壁を抉りそのまま口に持ってきて勢いよく噛んだ。

 

「女だから手加減してた...だからここからは本気だ」

「何?」

 

ガジルは鉄をそのまま飲み込む。

鉄の滅竜魔道士であるガジルは鉄を食べることで体力、魔力の回復を行える。

そしてこの部屋全体は鉄で構成されている。

更にガジルとサクラの距離はおよそ10メートル。

 

 

「鉄竜の──」

 

 

ガジルは大きく息を吸い込む。

この時になってようやくサクラは思い出した。

 

 

″鉄竜の咆哮はナツのブレスより面倒だぞ...なんせ鉄くず交じりだからな。俺でも捌き切れん″

 

 

「やばっ──」

「──咆哮ッ!!」

 

ガジルの口から鉄交じりのブレスが放たれた。すぐさまサクラのいる距離まで届きろくな回避も取れずサクラは鉄くずに身を裂かれた。

 

「鉄竜剣!」

 

ガジルの腕が剣と──いや、チェーンソーの如く刃が高速回転していた。

いくら巨匠が作り上げた刀でもチェーンソー相手、しかも滅竜の力を持っているなら尚更折れるだろう。

 

「くっ...」

 

甲高い音を引き立てチェーンソーが頭上を通り過ぎる。

後退しようとして後ろに一歩下がると背中に何かが当たった。

 

「は?」

 

振り返ると鉄柱がそびえ立っていた。

サクラが気づかないうちにガジルが作っていたものだ。

 

「──終わりだ」

 

凶刀が振り下ろされ、鮮血が空を舞った。





NEW SKILL!

無限刃...ヒューズ・アガートラムが使用した絶技。目にも留まらぬ速さで切りつけるだけ。ただ速すぎるため空中に銀閃が残る。スゴクツヨイ。



沖田が当たったから僕死んでいい。
可愛過ぎィ!

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