Lv.0の魔道士   作:蓮根畑

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RAVE面白いので是非オススメします!
みんな見てね!


17 剣を作ろう 2

 

 

 

 

パンクストリート。

原作のRAVEでも見た通り街中には悪党みたいなやつから武器大好きみたいなやつまで勢揃い。

まさに武器による武器のための街である。

 

「うわぁー・・・凄いですね」

「だな。さて、取り敢えず昼飯まだだから先食いに行ってからエルザの鎧を預けに行くか」

 

9時発の汽車に乗り現在の時刻は12:30分。

丁度お昼時なのである。

観光街でもあるパンクストリートは料理店も多い。ふと視線を左右するだけですぐに見つかる。

 

「よし、美味いか不味いか知らんがあの店にしよう」

「うわ、大丈夫ですよね?」

「大丈夫だ、問題ない」

 

フラグではない...と信じたい。

ちょっとドキドキしながら店に入ると俺の不安とは予想外に結構人が入っていた。

ウェイトレスに席を案内され俺はグラタンを、サクラはランチセット、そしてメルはいつものアメを食べる。

 

「む、美味しいですね」

「プーン」

 

確かに美味しい。

グラタンなんてそう食べる頻度が高くないので尚更美味しく感じるのは俺の気のせいだろうか...グラタン作るのはいいけど片付けが怠いよね。

 

「プーン」

「メル、お前はいつもと同じやつだろ」

 

バリバリとアメを噛み砕くメル。

飽きないのかと思った時だった。

店の中で何かを蹴るような音が響いた。

 

「かぁっ──!何でこの店には酒が置いてない!」

 

振り返ってみてみると俺の2つほど後ろの席で80歳ぐらいの爺さんが自分で持って来たと思われる酒をグビグビと直飲みしていた。

よほど飲んでいたのか顔は真っ赤に染めあがっていた。

 

「昼間っから何してんだあの爺さんは...」

 

いい迷惑だ。

飲むなら夜にしてくれと思って前に向いた時だ。

何かが足りない。

 

「あれ...なんか足りなくないか?」

「え?何がですか?」

「いや分からないんだけど何かが...」

 

財布とか重要なものではない。

身近にあった何かが...

 

 

 

 

 

「おぉお主!よく飲むのぉー!!」

「プーン」ゴクゴク

「お前かよ!!」

 

持ってたお手拭きを思わず地面に叩きつけてしまった。

何かとはメルだった。

机の端に座っていたせいか目に入りにくかったのだろう。

いつの間にか移動して酔っ払い爺さんの席まで移動し、爺さんの酒をゴクゴクと飲んでいた。

 

「おいメル!何してんだよ⁉︎」

「プーン」

「おぉ、お主も飲むか?」

「飲むか!」

 

俺は酒は飲まない人間なのだ。

未成年、飲酒、ダメ!

ただしこの世界では俺は酒を飲んでも大丈夫な年齢である!

 

「全く最近の若い奴ときたらやれ酒はマズイじゃ何じゃ...飲まんか!」

「いやしらねぇよ」

「ププーン」グビグビ

「お前は飲むな!犬だろ⁉︎」

「犬⁉︎」

 

爺さんがコロコロコミックのギャグ漫画みたいに目を飛び出させて驚きを露わにした。

 

「カッパじゃないのか...?」

「んなわけないだろ!!」

 

そこでようやく俺は爺さんの顔を直視することになった。

長い髭を一つに結わえ、髪の毛を一本にまとめ、左手には8部音符に十字架を足したかのようなタトゥー。

 

「爺さん...もしかしてムジカか?」

 

これには爺さんもびっくり。

ポリポリと頬をかき、面倒くさそうな目で俺をみてきた。

 

「誰から知ったかは聴かんが...何用じゃ」

「率直に言おう。剣を作って欲しい。あいつの...そしてメル、お前はいい加減に飲むのやめろ」

 

俺は最初にサクラに指をさしたあと、メルに指を指す。行儀が悪いが許してください。

メルはプーンと言いながら空になった瓶をコトンと置いた。

...全部飲んでやがったのか。

 

「あの嬢ちゃんか...確かに見込みはある」

「なら──」

「だが作らん」

「・・・」

 

RAVEではハルのために作り直したテン・コマンドメンツが最後の仕事と言っていたからこうなることは予測していた。

 

「ちなみに理由を聞いても?」

「・・・」

 

ムジカはずっと膝の上に置いていた右手を机の上に出した。

 

その親指には包帯でグルグル巻きに──

 

 

「・・・」

「釘打ってたら金槌で逝っちゃった☆」

「☆じゃねえええぇぇぇぇぇ!!ええぇぇ!!??まさかのそんな理由⁉︎もっとカッコつけようや⁉︎」

 

俺の予想してたやつと正反対じゃん。

ただのギャグであった。

何だか一気に冷めた...

 

「仕方ねぇ...サクラ、別の店に探しに行くか」

「そうじゃ。一つ聞いた話なのだが聞いていかんか?」

「...内容次第」

「1人の鍛冶職人の話じゃ。そう長くはかからん。お嬢ちゃんもこっちに来なさい」

「あっ、はい」

 

俺が奥に座り、その手前にサクラ。

メルは定位置の机の上。

 

「このパンクストリートを南から出て真っ直ぐ行ったところに大きめの山があるのは知ってるかね?」

「確か...来るとき見ましたよね?」

「あぁ、平地の中に一個だけドーンってあったな」

 

パンクストリートまでに来る道は基本的に荒野みたいになっており、気が非常に少ない。

その来る途中に大きな山がポツンと立っていたのだ。

 

「そこに腕の立つ鍛冶職人がおるらしいのだが...ワシはあったことがないからのう」

「・・・行ってみるだけの価値はあるのか?」

「知らん。それにその鍛冶職人は冷たい、と噂に聞いた」

「うわぁ...難易度高そうですね...」

 

どうしたもんかと考えてしまう。

市販の店で買い、ハズレを引いたら戦闘面でキツくなるし、更に腕の立つ鍛冶職人を探してる暇はない。

更に問題なのが早く帰れなければならないということだ。

ナツ達がガルナ島から帰った瞬間に幽鬼の支配者編が始まる。

別に幽鬼の支配者編が終わるまでここにいてもいいのだが罪悪感がある。

 

「賭けで行ってみるか...」

「ほう行くのか」

「あぁ、悩んだってしかたないし」

 

早速荷物を持ち机の上に金を置く。

 

「情報代ということでお金は払っとくよ。あと爺さん、酒飲みすぎんなよ」

「これが年寄りの娯楽なんじゃが...」

 

 

 

 

 

 

 

 

エルザの鎧をハートクロイツに預けた後だ。

ムジカの爺さんが言っていたデッカい山の正式名称は「星振りの山」というらしい。

昔流れ星が落ちてここに山が出来たと伝説があるらしいのだが流れ星が落ちて山が出来るっておかしくね?というのが俺の考えである。

パンクストリートを出て真っ直ぐ行くこと約15分。最近魔導四輪の免許を取ったのでレンタルして山まで来たのはいいが魔力が少ない俺は15分走らせただけでも結構疲れたりしている。

 

「アルさーん!こっちですよー!」

「ププーン!」

「ちょっ、まっ...ゼェ...疲れ、が...」

 

散々走らされようやく終わったと思ったらもう一周走らされるような感覚に近い。

人間というやつは希望の後の絶望が一番辛いものなのだ。

俺は生まれたての子鹿のように震えた足で山を登る。

死にそう。

 

「あいつら...ヒデェ...」

 

こちとら死にかけというのにドンドン先行くなよ。

 

「む、ここっぽいですね」

「あの...頼むからもうちょっとゆっくり行こうぜ...?」

「善は急げ、です!行きますよメル!」

「プーン!」

 

M☆A☆T☆T☆E!

某カードゲームのキング(笑)みたいに言ってみるが無駄だった。

サクラとメルは山にある洞窟っぽいところにズンズン先に入って行った。

 

「あいつ自由すぎだろ...」

 

天真爛漫な女の子は好きだがアレは天真爛漫すぎる。

一様何かあってもいいように神様から貰った剣を片手に俺も洞窟内に入った。

洞窟内は水晶のようなものが所々に散りばめられており、幻想的という言葉が似合っていた。

先に行ったサクラを見つけるために写輪眼で魔力の後を追いかける。多分写輪眼がなかったら洞窟内で彷徨ってた自信がある。

 

「あいつらどんだけ先行ってんだよ...」

 

やれやれとため息をつきながら歩くこと2分。

やっと外の光のようなものが見え、洞窟を抜けた先には小さな穴倉の中に一つだけランプが置いてあるRPGゲームのセーブポイント感が出ている所についた。

世界観だけで言えばダ○クソウルっぽいかも。

 

「──誰だ」

 

光が一つだけの世界。

そこに聞こえたのは凛と響く声。

それと同時に風をきる音が聞こえた。

瞬時に背後を向き伸びて来た拳を逸らし、裏拳を叩き込む。

しかし俺の拳は見事に逸らされ、姿が見えないが距離を取られた。

 

「誰だって聞いて攻撃するのはずるいぞ」

「聞いただけマシと思え」

 

再び戦闘が始まる。

簡易魔法術を発動させ、岩の因子を地面に送り込み、少しの間だけ地面を操作する。

走ってくる人影向けて岩を拳のように丸め突き飛ばす。

これで何か技を使ってくれたらありがたい所ではあるが...

 

「竜人奥義──黒竜三絶」

 

俺が飛ばした岩が剣も何も使われずに3つに切り裂かれた。

そこが驚いたのではない。

今こいつはなんで言った?

竜人奥義だと?

 

「あんたまさか...!」

「私の正体に気づいたのかい?」

 

かなり先に出てくるエルザの母のように竜の因子を体に移植したわけではない。

 

人の姿をしているが竜の因子を引き継いだ人非る者。

 

──その名は竜人

 

 

「っ!ヤバッ⁉︎」

「──遅い」

 

驚きで防御が一瞬遅れた瞬間、トンと拳が俺の腹に叩き込まれる。

決して重たい一撃ではないが俺はまるで金縛りにでもあったかのようにその場から一歩も動けなかった。

 

「...なんだったか...魔竜匪石(まりゅういしにあらず)だったか...」

「よく知ってるじゃないか」

「アルさーん...」

 

視線だけを動かし声の聞こえる方を見ると俺と同じく全く動くことができないサクラがいた。

つまり俺の来る数十秒の間に俺と同じように魔竜匪石を食らわせたのだろう。

 

「確かこの技って人間大には難しいんじゃなかったか?」

「ふん、難しいだけだ。出来ないというわけではない」

「なるほど...」

 

感じられる魔力から見て相当な実力者であることが分かった。

この様子だと恐らく3分は動けない。

 

「で、どうするんだ?煮て食うのか?」

「バカ言え。私は人なんか食べんよ」

 

そう言って未だに顔の見えない女の人は暗い洞窟の中にあるテントの近くにまで行き、金槌を握った。

まさか撲殺⁉︎と思ったがそんなことはせず、床に座り地面に置いていた剣を叩き始めた。

 

「アルさん...どうなってるんです?」

「職人の気持ちなんて俺には分からん...」

 

キィン、キィン、と鉄を打つ。

時おり口から炎を出して剣を温める。

そこは口なのかよとツッコンではいけない。

この作業を繰り返すことおよそ5分。

丁度麻痺が解除した時に謎の人影は立ち上がった。

 

「それで何の用だい?」

「言いたいことは山ほどあるが取り敢えず用件だけ言っておく。後ろにいるや「帰れ」エェ...」

 

最後まで言ってないのに!

 

「私は人のために働くのが嫌いでね。そういうわけで帰んな」

 

ここにナツがいるなら「ふざけんじゃねぇよゴラアアァァ!!」とかいうのだろうが俺はそんな面倒なことは嫌いなのだ。

無理だと分かったら無理、大丈夫なら大丈夫。これさえ分かればどうしたらいいのか分かるものだ。

 

「仕方ねぇか...サクラ、帰るぞ」

「えぇー・・・でも」

 

残念なのは俺も同じだ。

けどここで粘っていたら時間の無駄なのだ。

それにこんな○ークソウルの世界みたいな所で長居はしたくない。

 

「待て、サクラって言うのか?」

「えっ、そうですけど...」

 

この時ようやく謎の人影の全貌が見えた。

女性にしては高身長であり、猫のような鋭い目つき。全体的に赤の服を着込んでおり、その髪も真紅に染まる赤。

赤ではないと言えるのは金に近い黄色の目だけだ。

そして何より胸がデカい。胸がデカイのです(こ↑こ↓重要)

 

「そこの男。あんた名前は?」

「...ジョニィ・アルバーンだけど、それが何か?」

「決まりだ、やっぱり剣を作ってやる」

「「えっ?」」

 

 




??「どういうことだ⁉︎まるで意味がわからんぞ!」

??「ハルトオォォォォォォぉぉぉ!!」

??「大声で叫ぶ兄さんは嫌いだ」

勝○「何っ⁉︎レベルを持たないなら、レベル0ではないのか⁉︎」

最後のやつは一体何閧なんだ...
と言うわけで今回の話に出てきたムジカと竜人についての説明です。

ムジカ...RAVEで登場した鍛治職人。自分の作った剣で家族を自分以外皆殺しにされていたりする。テン・コマンドメンツを作った張本人であり、超有名であったりする。

竜人...人の姿をしているが人ではない。言ってしまえば亜人と呼ばれる存在になる。竜人は19歳の時に邪竜が取付き皮膚が鱗のようになり竜のような姿になり、20歳を過ぎた時に解竜の儀と呼ばれる心の中の邪竜を解放することによって元の人の姿に戻ることが出来、これが竜人の成人式のようなものである。失敗すれば竜となり意識がなくなり、考えることも不可能になる。


それじゃまた次回!
オルタx欲しいなぁ

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