俺の朝は早い。
というか早くさせられている。
と言うのもアホ弟子のサクラのせいである。
何時もなら寝るだけ寝て、起きて、飯食べて、軽く運動して、ギルドに顔を出し、たまにクエストに行くというデブまっしぐらな生活を送りたかったのに真面目な弟子は毎日毎日修行の一言である。バーサーカーかよ。
「もっと早く、無駄を省け」
「了解です!」
今朝もメルを頭に刺され叩き起こされた俺は9時から修行に付き合わされる。
まぁいい運動にはなるけど...
因みに今日は俺とエルザが戦った日から大体1ヶ月経っている。
ガルナ島のクエスト始まらねぇなと思う日々ではあるが俺には関係ない。
「やぁ!」
木の棒がシュッと伸びてきたのを、首を軽く捻り躱すと同時に、手に持つ木の棒を手放しサクラの手首を掴みもう片方の肘でサクラの手に衝撃を与える。
不意な攻撃だったためかサクラの手から木の棒が落ちた。
「あっ」
「武器を落としても目を離すな。これが試合だったら掴んだ手首の関節極められるからな」
「...なんと言うか...本当に実戦向きな戦い方ですね」
「俺は体術ばっかで魔法があんまり使えないからな...こんな手段取るしかない」
余談だが手首の関節は一度極められると順に肘、肩の関節も極めることが出来る。
良い子のみんなは決して真似しないようにしよう。
「十分強いじゃないですか」
「いやいや...お前、俺とエルザの戦い見ただろ?一方的な展開だった」
「でも最後に──」
「あんなのマグレだ。次はない」
某何故エロげにしたか意味不明の聖杯戦争ゲームに登場する筋肉マッチョなバーサーカーのような筋力、そして技術。
エルザがfate出演決定したなら無窮の試練のスキルは絶対についてると思う。
「それより今はお前の方だ。ほら続きやるぞ」
「やりたくないだとか言って起きながらやっぱりやってくれるんですね」
小悪魔じみた笑みを浮かべるサクラ。
く、くそっ...可愛いじゃないか...
いや、抑えるんだ俺の精神。
「アホ言え。やらなきゃお前またメル突き刺すだろ?」
「まぁそうですけど」
やるのかよ。
「そう言えば私魔法とか教えてもらってないですけど大丈夫ですかね?」
「あー・・・あー」
魔法。この世界で生きて行くためには必需品のようなものだ。
妖精の尻尾に入っている以上これから先困難にぶち当たることは必須。
「そうだな...教えておくとするか」
「本当ですか⁉︎やったー!」
ピョンピョンとうさぎみたいに跳ねるアホ弟子。
しかし何から教えるべきか...というか魔力とかも見なきゃいけないしな。
「サクラ、ちょっとこっち来い」
「へ?どうしたんですか?」
「魔法を教えるに当たってまずお前の魔力を見る」
写輪眼発動すればいい話だろと思う方がいるかもしれないので言っておくと写輪眼で魔力は見えても大雑把にしか見えない。
強いか弱いかの二つだけ。詳しく見るためにはその手の魔法に詳しくならなくてはならない。
その手の魔法に詳しいのが俺である。
何故かと言われるとネタバレになってしまうが話してしまおう。
妖精の尻尾の30巻ぐらいから34巻ぐらいまであるエドラス編。
エドラスという場所に性格は反対だが全く自分と同じ人間がいる。ようはパラレルワールドと呼ばれるものだ。
俺は幼い頃この世界で生き抜くためにどうしようかと考えた結果エドラスの俺の力を借りようと考えた。
その結果覚えたのは憑依魔法である。
説明が下手なのでアニメで例えさせてもらう。
Fate U◯Wにて最終話近くに主人公と、その主人公の未来の姿が戦うシーンがあるのだが勝ち目がない未来の主人公にどう対抗したかというと前世の自分を降霊、憑依させることでかつての技術を習得する魔術がある。
その魔術によって未来の主人公の技術を真似し、対抗したわけである。
俺はこれに良く似た魔法を使ってエドラスでの俺の技術を得るわけである。
ここでサクラの魔力を見ることが関わってくるのだが、上記の魔法を覚えるために自分の構造を知る魔法を覚えなければならなかったため使えるようになったわけだ。
分かりにくかったらごめんね。
意味ワカンねぇよ作者○ね、と思う方はFate UB◯を見よう!
「んじゃちょっと手ェだせ」
ズイと伸びてきた手に指を置く...こいつ肌スベスベじゃねぇか...!
潤いたっぷりだよ!
「どうしたんですか?」
「えっ⁉︎いや、なんでもないってばよ!」
思わず某忍者口調になってしまった。
気を取り直して...
「──構造解析」
俺の手から電波じみたものがサクラに流れる。
これによって身体を解析することが出来るのだ!
サクラ・アガートラム
身長:161cm
体重:(ry
B:77
──
「お前胸77って結構あるな」
「なっ⁉︎この──」
しばらくの間綺麗な川を見ていてください
(ただし文字なので写すことは不可)
「
「・・・次やったら斬りますからね」
ぼっこぼこにされた。
ドラ○もんのジャイアンにやられた後ののび太みたいになってる。
この弟子怖い。ブッ○マーケットで買い取ってくれないかな...
「──
もう自分でも何言ってんのな分かんねぇな。
属性:風
総魔力数:397
筋力:89
俊敏:102
おぉ!総魔力数が俺より多い!
ちなみにこの世界の平均的な魔力は200ぐらいである。
俺?俺は...100だよ。
ヤメテェ!そんな哀れみの目で見ないでェ!
──アガートラムの神域に侵入者発見。
あれ?なんかおかしいぞ?
──反術式展開、消滅を開始します。
「うおおぉぉぉぉぉ!!??」
「ひぃ!!何ですか急に大声あげて⁉︎」
魔法が弾かれた。
パソコンで言うのならウイルスバスターのようなものだ。
サクラの体内構造を解析している時に何かに触れてしまったのだろう。
「サクラ...お前自分に対魔法の術式とかかけてあるか?」
「私魔法使えませんけど...」
「だよなぁ...それじゃおかしいよな...」
アガートラムの神域...聞いたことない単語だった。
「そ れ よ り、私の魔力はどうだったんですか?」
「あぁ...そうだな。分からないことを気にしても仕方がないな」
今度調べて見ようと、区切りをつけ座り直す。
サクラはその真正面に正座をしている。
「結果を言おう。魔力はかなり多い方。結構強めの魔法とかも使える」
「本当ですか⁉︎やったー!沖t「それ違う作品だからやめようねー」
こいつ桜セイバーだろと、同じツッコミを既に10回ぐらいした気がする...心の中で。
今の止めなきゃ沖○さん大勝利ー!ってなってたよね絶対。
「それでだ...ここからはお前の好みによるが...そうだな。例えるなら俺みたいな戦闘スタイルにするか、ナツやグレイみたいに大火力のスタイルでいくかどっちがいい?」
「・・・悩みますね」
魔力が多いイコール選択肢も増えるわけだ。
無駄に魔法の本を読んだ俺なら教えることも可能になる...はず。
困った時はギルドで聞けばいい話だしね!
「ちなみにお前の属性風な」
「...アルさんのようなタイプでお願いします」
「そうか。それじゃ身体強化系と攻撃系、どっちがいい?」
「攻撃系がいいです」
「なるほどね...」
攻撃系となるとかなり数が多くなる。
俺も風属性であるため他の属性よりも覚えているのだ。
「風属性の攻撃...色々あるからなぁ...」
カマイタチ、竜巻起こし、浮遊術、空中の酸素を集めたり無くしたりetc...
そんな事を考えているととあることを思いついた。
「なぁサクラ。無属性魔法って知ってるか?」
「何ですかそれ?」
──無属性魔法
光、風、海、水、闇、土、雷、火の8つの属性のどれにも満たさない属性。
Fairy tailの前作であるRAVEにて登場した「紲の銀」と同じ属性。
分かる人なら分かる例えをするならF◯Oのシールダーのようなものだ。
もっと分かりやすく例えるならポケ○ンのノーマルタイプ。
「8属性には弱点があったりするんだが無属性は別なんだ。有効な点もない代わり、弱点もない」
「へぇー・・・その無属性魔法ってやつを教えてくれるんですか?」
「ま、そう言うことになるわね。取り敢えず今から教えてもらう技を実践するからよく見とけよ」
その場に立ち上がり掌を上にする。
これからする魔法...というか忍術と呼ぶ方が正しいのかもしれない。
不器用な俺が10年かけて完成することが出来たこの世界では俺にしか出来ない魔法である。
掌に魔力を集中させ、乱回転、威力、留めるを極めた魔力による究極の形態変化。
「──螺旋丸」
掌の少し上では球の中に台風が封じ込まれているかのようだ。
そう某忍者漫画の主人公が使う技の代名詞と呼べる必殺。
「というわけでこれを覚えてもらう。俺がこれ覚えるのに10年かかったからな。頑張れよ」
「うへぇ...」
そう言うサクラの顔はいかにも「面倒なのが来た!」と言う顔をしていた。
NEW SKILL!
螺旋丸...ジャンプにて連載していたNARUTOにて登場した代名詞と呼べる必殺技。魔力(チャクラ)に属性を持たせず、魔力を回転、威力、留めるを極めた魔力による形態変化を留めた技である。
主人公は某忍者漫画の主人公より不器用なため習得に約10年かかった。
しれっと弟子のサクラちゃんに謎の伏線建てましたが回収は先です。
来週もまたオリ回です。