山の翁ガチャ回したらカムランの丘だった。凄く、悲しい。
「ハアアァァァァァァァァァ...」
「そんな大きい溜息付かないでよ」
合流時間の5分前。
俺はルーシィの横で容赦なく溜息をついた。
俺は来たくなかったのだ。
俺は某殺人鬼のように平穏な人生を望んでいただけなのに...あ、この世界来た時点で無理だわ。
「だってええぇぇぇぇぇ、超怠いしぃぃぃぃぃぃ、無理やりだしいぃぃぃぃ...」
駅のホームでわざとらしくいう。
情けないと思うがこれが俺なのだ。
「そういえばお弟子ちゃんは?」
「あぁ、サクラか。留守番させてるよ。番犬の如く」
「犬なのね...」
よくツッコミが入るが本当に犬なのだ。
テンションが高い時はアホ毛が揺れるし、何かがバレたらアホ毛がピーンと上に伸びる。
これを犬と呼ばず何というか。
「と言うか何故サクラは俺の部屋の前に住んでいるんだよ...ルーシィとか住んでる女子寮みたいなのあるだろォ!」
「懐いてるのよ。別にいいじゃない」
よくない。
色々と気まずいのだ。主に俺が。
「何でエルザみてーなバケモンがオレ達の力を借りテェんだよ」
「知らねーよ。つーか助けなら俺一人で充分だ」
「じゃあお前行けよ!俺は行きたくねぇ!」
「じゃあ来んなよ!後でエルザに殺されろ!」
ナイスタイミングかバットタイミングか、ナツとグレイが来た。
何でこいつら出会い頭から喧嘩してんだよ...。
喧嘩するほど仲がいい、というのはこの事なのか。
「だいたいエルザ一人で充分だろーが!」
「知るかそんなもん!」
うるせぇ...!
朝から元気過ぎるだろ。
「ほらルーシィ、お前の出番だぞ」
「えっ⁉︎私⁉︎えぇと...あ、エルザさん!」
「「俺たち超友達!!」」
よく効くなぁ...
「すまない、待たせたか?」
と思ったその時バカみたいな量の荷物を荷台で運んでいる妖精女王ことエルザ。
まだ初期の方なので鎧は着ている...が!超美人だ。
ルーシィがご丁寧に挨拶してるうちに何というか考えなければ...
そうだな...「結婚してください」とかどうかな?
アウトや。
あぁこんなことしてる間に俺の番がぁ!
「そして君が...」
「はいっ!ジョニィ・アルバードです!年齢17歳!独身です!」
しまったああぁぁ!!
独身ですって!そりゃ18にもなってねぇから結婚も出来ねぇだろ!俺の馬鹿!
「最後いる?」
「エルザへの求婚?」
「おい青猫!変なことは言わないでくれ!」
ズビシィ!と音がなるほどのスピードでハッピーに指をさした。
「ふむ...まぁ考えておこう」
「考えなくていいんですよ⁉︎」
何でナツといいグレイ、そしてエルザにまでツッコミを入れなきゃならないんだ。
ルーシィの気持ちがわかった気がする。
「ジョニィ・アルバード。お前の名前は聞いているぞ。丁度お前が出た大会を見ていたからな」
「こ、光栄です...」
「今回は危険な橋を渡るかもしれないから頼りにしてるぞ」
「え?危険な橋って聞こえたんだけど」
とまぁナツがエルザに帰ったら俺とデュエルしろ!といい汽車に揺られる。4人1組の席なので俺は1人別席で座っている。
悲しい。あ、ナツがエルザに無言の腹パンされた。きっとあのパンチはユー○よりも強力なはずだ。
ちなみに無言の腹パンが何なのか知らない人なWEBで!
「はぁ...」
しかし暇だ。
というわけで寝る。
原作あんまり覚えてないけど何とかなるだろ..
「キーック」
ボコっという音と共に俺は目覚めた。
変な体勢で寝てたせいか妙に首が痛い。
首の骨をパキパキと鳴らして、隣を見てみるとナツが蹴りを喰らっていた。
・・・なぁにこれぇ?
何で起きたらこんな事になってんだよ!
エルザは⁉︎グレイは⁉︎ルーシィは何処に行った⁉︎
まぁ蹴りいれてる時点で敵だよな...
「おいおいシカトは闇ギルド差別だよ?」
「──おい」
あ?と言って振り返った男の腹に強化した拳を叩きつけた。
拳を捻りながら当てて、すぐ引く。これが殴る時のポイントだ。
「ってめぇ!お前もハエの──」
「ナツ、やるよ」
名前も知らない男の服の袖を掴みナツの方に投げる。
地面をバウンドした先にいるのは鬼のような顔をしたナツ。
今は汽車は止まっている。なら──
「さっきのお返しだァ!!!」
火炎を纏った拳が男に直撃した。
再びバウンドして俺とナツの間で転がる男。
「なぁ、ナツ。これはどういうことなんだ?」
「知らん!けどこいつはギルドを馬鹿にしやがった!」
「なるほどな...」
『先程の急停車は誤報によるものだと確認出来ました。間も無く発車します」
「マズ...ジョニィ!後は任せたぞ!」
「何が起きてるかよく知らんが任された」
汽車から飛び降りたナツ。
異常なまでの乗り物酔いだから仕方ないのだろう。
「ハエがぁ...!」
「取り敢えずこの状況を何とかしないとな...」
写輪眼を発動させる。
汽車の中は非常に狭い...神様からもらった刀を使うには流石に狭すぎるし...となると
「拳、一択だな」
まぁ刀身変化で籠手にするけども。
換装で刀を取り出し刀身変化を発動させ両腕に擬似的な籠手を取り付ける。
籠手になろうとも異常な硬さを保つため攻撃、防御においてもかなり便利である。
「さぁ来い。お前が馬鹿にしているハエが今からボッコボコにしてやるからよ」
「ほざけハエがぁ!!」
男の影が鋭利な刃として伸びてきた。
写輪眼で影に魔力の変化がすでに見えたのでそれを難なく回避し一度距離を取る。
「影を操る魔法か...何だかシカ○ルっぽいな」
「誰だよ○カマルって!」
シカマ○はシカマルだって。
と言っても影縛りや影真似ではないが...どうやって戦ったものか。
「ん?いや待てよ...」
よくよく考えれば幻術にかけてしまえばお終いだよな...?
「んんー・・・」
どうするか...俺としては幻術かけて終わらせたいところだがそんな事をすればララバイ編が即終了してしまう。
やっぱり2,3話はしなければな...という事で。
「よし、直接相手にしてやろう。無の極みとかいう結構厨二な二つ名の俺の拳は痛いぞ?」
「調子に乗るな!」
影が伸び汽車の天井や座席を伝って俺の元に伸びてくる。
伸びてきた影を籠手をつけた手で殴りつけ弾く。
弾けないものは体をそらし躱す。
気づかれないように後ろから来ていた影も難なく躱す。
「クソッ!何で当たらない⁉︎」
「目が特別製でな!」
汽車の中での影の攻撃は非常に見えづらくなる。座席の下や、天井、影を細く先行させれば捉えにくい。
が、こちらは写輪眼。影に魔力が通っているため難なく分かる。
「こんな!魔法使えるならさ!正規のギルドに入ればよかったのにな!」
「正規のゴミギルドになんか入れるか!」
それが男の琴線だったのか、青筋を立てて影を密集させた。
よって集まり絡まって作られたのは8体の蛇。八岐大蛇というやつだろう。
「死ねぇ!!」
8体の大蛇が同時に攻めて来る。
「刀身変化──双剣」
籠手がグニャリと曲がり手のひらに二本の刀が収まった。
激突まで残り0.5秒。
「──ラビットステップ」
シュルリと腕全体に風の力を宿らせ、身体強化でさらに腕を強化。
全ての工程が終了し、刀を振るう。
空中に8つの斬撃を残し、大蛇の首は全て落ちた。
何席か破壊をしてしまったがこれは仕方がないと納得する。
「馬鹿な...いつの間に...!」
「さぁどうする?もう一度向かってくるか?」
「クソッ...!」
男の視線がふと右下に動いた。
それにつられて俺も見てみると鞄の中にドクロが先端についた楽器。
つまりゼレフが生み出した呪殺魔法ララバイであった。
「う、おぇ...!」
それを見て吐き気がする。
ゼレフが生み出した呪いのせいなのか、見るだけで吐き気がする。写輪眼のせいでララバイの呪いがハッキリと見えてしまうのだ。
思わず床に手をついてしまう。
その隙を狙ってか男が鞄を抱えて前の車両に移った。
「待てっ!──おrrrr」
俺の胃からキラキラした何かが溢れ出した。
ララバイヤバい。今の絵面だとかのお祭り男の牛乳祭りの再現ではないか。
ゲロを吐いてしまった俺は立ち上がり追いかけようとしたがガコン!と言う音と共に俺の乗ってる車両が失速し始めた。
「あいつ車両を切り離しやがった...!」
既に身体強化して、ラビットステップを発動してのジャンプでは追いつかない程の距離。
どうするか迷っていた時クラクションの音が響いた。
「ジョニィー!!こっちだー!」
魔導四輪をエンジン全開で運転するエルザ。
その後部座席ではグレイが俺に大きく手を振っているが...
──それ4人乗りだろ!
「あぁ!クソッ!着地任せたぞ!」
身体強化した足で大空に飛び上がる。
軌道よし、角度よし、風向よし。
「おりゃぁ!」
スポンッ!と音がなってもいいほど綺麗にシュートインした。流石俺。
というか着地任せたぞとか言ってたけど必要なかったな。
「んで、何処に向かっているんだ?」
「駅よ!あいつら駅でララバイを放送するつもりよ!あっ、ララバイって言うのは──」
「知ってる知ってる。あれだろ?ピーピー吹いたら人殺すやつ」
「めちゃくちゃ雑な説明だな」
でもあってるだろ⁉︎とツッコミを入れルーシィの説明を聞いた。
簡単にまとめると
1.ララバイ盗んだのは闇ギルドである鉄の森
2.駅でララバイ流して大量殺人
だ、そうだ。原作があやふやなので言い切れないが何か他の目的があったようななかったような...
「どうしたんだそんな深刻そうな顔してよ」
「いや...奴等の目的を考えたんだが...あいつらって何のために大量殺人するんだ?」
「それは...流した後にお宝を盗んだりするんじゃない?」
「闇ギルドだったらそんな面倒な事はせず直に盗むと思うんだが...」
何だったかなぁ...ま、原作54巻まで出てるから特に俺が何もしなくてもクエストクリアだろう!多分!
影使うやつの八岐大蛇みたいなやつの必殺技が全くわからない件。
ならばいっそ必殺技名を出さないという作者の奥義。
友人から2冊ずつ借りているけど毎日二冊だから小説の方が全く追いつかねぇ!