とある神様に転生させられた青年の物語   作:あさ霧

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前回のあらすじ

なんとか誤解が解け釈放出来た霧神、今度は月読命に会いに例の建物に行くのでした

前回の投稿から間が空いてしまいすいませんでした

次からはまた週一で投稿できると思いますので、できれば待っていって下さい

では、お楽しみに〜


第5話 まさかの神様からの頼みごと

霧神視点

 

俺は今桜に案内してもらった建物に来ている

 

(それにしてもでかいな、他の建物と比べて頭一個分出てる)

 

流石神様のいるところか、と思いながら中の受付の人に最上階まで案内してもらった

 

受付の人「そこの扉の向こうに月読命様がいらっしゃいます。では私はこの辺で」

 

霧神「あぁ、案内ありがとう」

 

受付の人「あと1つ、気をつけてくださいね」

 

霧神「ん?それはどうゆう・・・」

 

受付の人「ふふっ、私はこの辺で」

 

霧神「?」

 

たしかに気をつけてと言われたけど、その時俺はどうゆう意味かまだわからなかった

 

(改めて思うとあいつ神様なんだよな、なんか緊張してきた)

 

俺は少し気を引き締めてから月読命のいる部屋に入って行った

 

霧神「・・・失礼します」ガチャ

 

 

 

 

 

 

 

月読命視点

 

[時は戻って昨日の朝]

 

あの時不思議な気配を感じました

 

それはいきなりこの世界に現れたように、しかしそれは一瞬で消えたのです

 

月読命「今のはなんだったのでしょうか」

 

その時私はただの気のせいかと思っていました

 

警衛隊A「失礼します!」バンッ

 

月読命「どうしたのですか?そんなに慌てて」

 

急に開く扉に少し驚きましたが、その警衛隊の人の話でさらに驚きました

 

警衛隊A「この都市に住んでる大原家の子供、大原桜さんが行方不明、門付近に足跡を確認したため1人で外に出てしまった可能性があります!」

 

この都市は警衛隊の人と軍の人たちで守られていますが、都市の外は多くの危険な動物や妖怪などが生息しているため、子供はおろか戦闘経験のない大人でさえ半日で命を落とします。

 

月読命「今すぐその子供の行方を捜索して下さい!最近都市に侵入してくる人影は後回しで、捜索を最優先に」

 

警衛隊A「はっ!」

 

今この都市には不審な人影が侵入しているとの報告が何度も来ている。でも、

 

(そんなことよりも1人の命の方が大事、お願い見つかって)

 

その日大人数での捜索が開始しましたが、結局子供が見つかった報告がなく眠れぬ夜が過ぎ1日が終わってしまった。

 

 

 

次の日・・・

 

警衛隊B「失礼します」

 

月読命「また何かあったのですか?」

 

昨日のことがあったので、朝からあまり気分が優れていなかった。

 

警衛隊B「昨日行方不明の子供を捜索した部隊が、捜索中妖怪の死体を確認しました。これを」

 

私は渡された写真を見てみた。そこには片腕が無くなり左胸に穴が空いてる妖怪と、頭だけが無くなっている妖怪が写されていた。

 

月読命「別の妖怪の仕業なんですか?」

 

警衛隊B「まだわかりませんが、今のところ妖怪の仕業だとみています」

 

月読命「でもなぜ・・・」

 

その答えは直ぐに出てきた。

 

月読命「まさか!」

 

警衛隊B「はい、恐らく・・・」

 

その時点で察した。妖怪のほとんどは人を喰べる。しかしなかなか手に入らない獲物を取り合うのが妖怪、だからその子供はもう・・・

 

月読命「すみません。少し休みます」

 

結局助けることができなかった。その悔しい気持ちで部屋をあとにしようとした時、

 

警衛隊C「失礼します!」

 

また何かの報告がきた。しかし、さっきのことで疲れがドッと来てしまい、正直聞く気になれなかった

 

月読命「申し訳ないですが、後ででよろしいですか、今はあまり気分が・・・」

 

警衛隊C「昨日行方不明だった大原桜さんが見つかりました!」

 

その瞬間耳を疑った。もうダメだと思っていた子供が見つかったと、

 

月読命「ほ、本当ですか!」

 

警衛隊C「はい、それと桜さんを誘拐したと思われる男を捕らえました。最近都市に侵入している者と思われるためそのまま捜査を続けていきます。」

 

(え?誘拐?確か1人で出てしまったと昨日の報告で・・・)

月読命「わ、わかりました。報告ありがとうございます」

 

 

月読命「・・・・・」

 

(んー、昨日の出来事といい、このタイミングといい何か引っかかりますね。・・・実際に会ってみましょうか。)

 

私はその引っかかってる原因を解くため捕まった者のところに向かった

 

 

 

〈神様お話中・・・〉

 

 

 

さて、私は今勝手に外出していたところを見られたせいで説教を受けています

 

受付の人「なぜ何も言わずに外出されるんですか!何かあったらどうするんですか?!」

 

月読命「うー、す、すいません」

 

受付の人「今後外出される時は一度私に言ってからにしてください」

 

月読命「わかりました〜」

 

受付の人「はー、それでどこに言ってたのですか?」

 

月読命「ちょっと会ってみたい者がいたので、それと後で訪問者が来ますので案内してあげてください」

 

受付の人「訪問者?もしかしてその会ってきた人ですか?」

 

月読命「ええ、まだ人かどうかは〜〜〜ですが、その人です」

 

受付の人「?承知しました。」

 

月読命「あと・・・と、・・・さんを呼んできてください」

 

受付の人「少しお時間がかかりますがよろしいですか?」

 

月読命「大丈夫です。お願いしますね」フフッ♪

 

受付の人「はい、では失礼します」

(やけに機嫌がいいですね。何かいいことでもあったのかな?)

 

月読命「よし、あとは待つだけです」

 

 

〈神様待機中・・・〉

 

 

月読命「・・・来ない」

 

理事長「来ませんね」

 

月読命「なぜこんなに遅いのですか」

 

理事長「何か事情があるのではないですか?」

 

月読命「だからと言ってここまで待たせるのはどうなのですか」

 

理事長「まあまあ、あと少し待ちましょう。月読命様」

 

今話していたのはとある学園の理事長。年は20代ほど、とても若いが霊力の知識はかなりのもの

 

理事長「あと少しですよ」

 

総隊長「それにしてもその方の実力は確かなのですかな?」

 

次に話をしているのはこの都市を守っている軍隊の総隊長、こっちの年は50代と年はとっているがまだまだ現役、警衛隊とは違い妖怪を専門に戦う部隊に所属している

 

月読命「それについては彼が来てからです」

 

総隊長「わしも楽しみになってきましたよ」

 

 

それから1時間・・・

 

 

月読命「グス・・・もう私のことを忘れてしまったのでしょうか」

 

理事長「そんなことはないですよ月読命様、きっと外せない用事があったに決まってますよ」

 

総隊長「ほーう、だからと言ってこのわしまで待たせるとはなかなかのやつだな」

 

理事長「総隊長さんも落ち着いてください」

 

総隊長「なーにわしは常に冷静だぞ」

 

理事長「それじゃあその殺気を抑えてください。普通の人なら軽く気絶してますよ。」

 

総隊長「これからくるやつは中々の実力者だろう。この位で倒れるなら期待はずれだ」

 

理事長(ダメだこの人、完全に怒ってる)

 

月読命「む、2人とも私のことを無視するのですか〜。泣きますよ。泣いちゃいますよ」

 

理事長「月読命様は泣こうとしないでください」

 

総隊長「さてあやつをどうしてやろうか」

 

理事長「あーもういい加減にしてください!」

 

 

 

 

 

 

 

 

霧神「失礼します」

 

ガチャ・・・

 

「あ」「え?」「ん?」「は?」

 

 

 

霧神視点

 

 

さてさて、今の状況を整理してみましょうか

 

入った部屋には20代ぐらいの女性が疲れ切った顔をして、50代の男性が俺に殺気を放って、月読命にいたっては今にも泣きそうな顔をしていた

 

(さっきの気をつけてはこのことだったのか?)

 

来るときに言われた受付の人の言葉、ようやく意味がわかった

 

しかもあの時月読命は「もし出てきましたらこの建物まで来て下さい」そう言って去って行った。恐らく来るのを待っていたのだろう

 

俺は出たあと桜のお母さんにお礼がしたいと言われ食事をいただいていた。その間も待っていたとしたらそれは不機嫌にはなるな

 

霧神「あの〜」

 

俺はひとまず声をかけようとしたら、いきなり何かが飛んで来た

 

ヒュン!

 

それをかわすがその何かが当たった後の扉は無残な木片とかしていた

 

総隊長「ほーう、今のをかわすか」

 

今のは殺気を放っていた男の仕業らしい

 

理事長「な、何してんですか、当たったらどうするつもりだったんですか」

 

そう、もし当たったらひとたまりもない攻撃だった

 

総隊長「別にどうもしない、当たったら所詮その程度のやつだと思うだけだ」

 

霧神(この人危ない人だ)

 

俺は一瞬でこの人が嫌いになった

 

 

霧神「それで月読命・・・様?俺を呼んだのはなぜですか?」

 

月読命「・・・・・」

 

霧神「おーい?」

 

月読命「その前に言うことはないのですか?私はずっと待っていたのですよ」

 

霧神(あ、やっぱり気にしていたのか)

 

今にも泣きそうな月読命は俺に何かを言わせたいみたいだ。と言っても言うのは1つしか浮かばないけど

 

霧神「・・・遅れてすいませんでした」

 

月読命「ふん、特別に許してあげます」

 

(上から目線かよ・・・あ、神様だから当たり前か)

 

月読命「それと私のことはさん付けでもいいですよ、なんならちゃんでもいいです」

 

霧神「・・・月読命さんで」

 

月読命「ぶーー」

 

霧神(一体何がしたいんだこの神様は)

 

急に機嫌がよくなった月読命の変なやりとりのせいで質問を忘れるところだった

 

霧神「それで改めて聞きますが、なぜ俺を呼んだんですか?」

 

月読命「それは簡単なことです。あなたに頼みごとがしたかったからです」

 

霧神(頼みごと?会って数時間しか経ってないのに何を頼まれるんだ?)

 

不思議に思った俺は今後の生活を揺るがす頼みごとだとはまだ知らない

 

 

 

総隊長視点

 

(こいつわしの不意打ちを見破ったのか)

 

わしは今長い時間待たされたためそいつに不意打ちの斬撃を放った

 

(しかしこうも簡単に躱されるとは)

 

まさか躱されるとは思わなかった。はっ、少し興味が出てきたぞ

 

月読命「その辺にしてください、総隊長」

 

総隊長「わかりました」

 

ここは落ち着いて月読命様の言葉を聞くことにするか

 

月読命「この人は霧神という名前で、まだあまり素性は知らないですが、最近都市の近くの森で妖怪の死体を発見しましたが、ここにいる霧神がやったものみたいです。」

 

総隊長「ほーう、それは確かなのですか?」

 

言葉ではそっけないが内心驚いていた。こんなひよっこか妖怪を倒したのかと

 

月読命「ええ、疑わしければ後で手合わせをしてみてはいかがですか?」

 

総隊長「ほほう、それは楽しみですな」

 

久しぶりに体を動かせると思うと居ても立っても居られなかなったが、ここで月読命様の頼みごとが出てきた

 

月読命「霧神さん、あなたにはこの都市の妖怪専門の部隊に入ってもらいます。」

 

それは急な頼みごとだった

 

総隊長「月読命様、意見よろしいですかな?」

 

月読命「ええ、いいですよ」

 

総隊長「恐らく月読命様はその部隊が人手不足ですからこの者を入れようと考えてるのですか?」

 

月読命「そうですが?」

 

今のわしの部隊は少数なため全ての妖怪事案は対応出来ない。増えるのはいいが、1つ問題があった

 

総隊長「まだ実力もわからないこの者を入れるなど少しおかしいのではないですか」

 

そう、実力のわからないやつが入ってもそいつが危険な目に合ってしまったら、それは

 

月読命「総隊長の言いたいことはわかります。そのための先ほどの手合わせをお願いしたのですよ」

 

霧神「えっとーさっきから何を話してるんですか?部隊とか手合わせとか」

 

総隊長「あぁ、自己紹介がまだだったな、わしはこの都市の軍隊の総隊長だ」

 

霧神「は?」

 

総隊長「それと手合わせとはわしと霧神殿の手合わせのことですぞ」

 

霧神「ちょっと待ってください、なぜこんなことに・・」

 

月読命「散々人(神)を待たせといて何を言ってるのですか?霧神さん」

 

霧神「・・・・・」

 

総隊長(月読命様も中々の性格をしていらっしゃる)

 

総隊長「わかりました。実力が確かなら快く向かい入れますが、実力がなければこの話は無しということで」

 

月読命「いいですよ。霧神さんもわかりましたね?」

 

霧神「俺に拒否権がないことだけわかった」

 

月読命「よし、両者同意の上ということでこの件はまた後で」

 

これでわしの用件は以上かな。それじゃあ、わしは一足先に行きますか

 

月読命「どこに行くのですか?」

 

総隊長「先に手合わせの場所に行ってますぞ。では霧神殿またあとで」

 

わしは手合わせの楽しみを抱え、その部屋を後にした。

 

 

 

 

理事長視点

 

まさか総隊長の不意打ちを躱すなんて、しかも妖怪を倒したのもこの人・・・

 

月読命「さて、次の頼みごとですが・・・」

 

霧神「まだあるんですか」

 

月読命「むしろこっちが本命ですよ」

 

理事長「あ、あの!」

 

思わず声を出してしまった

 

霧神「ん?」

 

理事長「あ、えっと、その、あのー」

 

思わず出してしまったため言いたいことが出てこなかった

 

霧神「どうしたんですか?」

 

理事長「あ、思い出しました。自己紹介いいですか」

 

霧神「いいですよ」フフッ

 

笑われた。恥ずかしい。そう思いながら私の自己紹介をした

 

理事長「んっんん、えー、私はこの都市にある学園の理事長をしています。恐らく月読命様の依頼に関係していると思いますので、もしご縁があればよろしくお願いします」

 

理事長(よし、変なことは言ってない流石私)

 

霧神「はい、よろしくお願いします」

 

なんとか噛まずに言えてよかった。その後軽く会釈してから月読命様の依頼へ

 

月読命「では次の頼みごとは、学園のとある生徒の護衛を任せたい」

 

霧神「護衛?」

 

月読命「もしその生徒に何かあれば助けてほしいというものです」

 

霧神「何かあればってそれほど重要な人なのか?」

 

月読命「その生徒の説明は後ほど理事長からお願いします」

 

理事長「わかりました」

 

(でもどうして護衛なんて・・)

 

私はそこが疑問でした。学園の防犯システムは完璧ですし、ただの護衛だけなんてわざわざ私が来ることもないはず・・・

 

月読命「あらあら、理事長さんはなぜ呼ばれたのか不思議に思っていますね、顔に書いてありますよ」

 

気づかれてしまった

 

月読命「それは理事長さんにもお願いがあるからですよ」

 

理事長「お願い?」

 

総隊長(月読命様のお願いならいいですが、このタイミングで何をお願いするのだろう)

 

そう思いながら月読命様の話を聞いてみたが、それはあまりにも急なことだった

 

 

月読命「ええ、それは霧神さんをあなたの学園に入学させることです!」

 

 

 

 

理事長「へ?」

 

霧神「は?」

 

まさか霧神さんを学園に入学させるなんてそんなこと全然思いもよらないお願いだった

 

私と霧神さんが呆然としてる間に月読命様は、

 

月読命「さて、続きは総隊長さんのいるところまで歩きながら説明しますか」

 

月読命様は勝手に話を進めて行く

 

霧神「ちょっと待て、俺はまだやるとも・・・」

 

月読命「どうしても、ダメですか?」ウルウル

 

理事長(うわー)

 

私は上目遣いで頼み込んでる月読命様を見て少し引いたけど、

 

霧神「くっ・・・・わかりましたから、そんな顔しないで下さい」

 

理事長(まさか通じるとは、それとも霧神さんがちょろいだけ?・・・今度試してみようかな?)

 

月読命「ありがとう霧神さん、あとでそれなりのお礼はさせていただきますね」

 

霧神「はいはい、はやく行きますよ」

 

そこで私と月読命様と霧神さんはさっきまでいた部屋を後にし、総隊長のいるところに向かい足を進めて行くのでした

 

 




最後まで読んでいただきありがとうございました

今回の月読命の回想は何度か見直しても違和感がありましたが皆さんはどうでしたか?
できればもうちょっと早めに出せばよかったのですけど、入る場所か無かったです

いや〜まさかこんなことになるなんて、霧神も思わなかったでしょうね

総隊長「はやく手合わせしてみたいぞ」

あさ霧「おっ、楽しそうですね」

総隊長「当たり前だろ、最近の奴はいつでも弱気になりおって」

あさ霧「ははは、それはそうですよ。総隊長さんに睨まれたら誰だって逃げたくなりますよ」

総隊長「それでお主はなぜここに?」

あさ霧「小さな頼みごとをしにきたんです」

総隊長「また頼みごとか?」

あさ霧「そんなこと言わないで下さいよ。これを自分と合わせて言ってくれるだけです」

総隊長「お、それなら簡単だな」

あさ霧「じゃあいきますよー、せーのっ」

「次回もよろしく」
「ん、次回もよろしく」

あさ霧「あはは、少しずれてるじゃないですか」

総隊長「しょうがないだろ、急だったんだから」

あさ霧「別に大丈夫ですよ、はいありがとうございました」




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