Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第六十一話

艦長「第2部隊は降下を開始しろ。続けて全艦降下準備!」

 

「降下許可はまだ出ていません!」

 

艦長「そんなことは言ってられん。それに直ぐ要請がくる」

 

「ランサー1より第2部隊に対し降下命令!」

 

「続けて、統合軍司令部並びにランサー1よりアクロススカイに対し降下命令を確認!」

 

「降下地点確認。到着後、周囲の部隊を搭載したのち迎撃地点に移動とのことです」

 

「第2部隊、当艦との分離を確認。降下に入りました」

 

艦長「よし当艦も降下を開始する。降下後、第4部隊は出撃、BETAの迎撃に迎え!」

 

アクロススカイは降下を開始した。

 

地上では、ナイトメア隊が空母からの発艦準備をしていた。稼働できる機体は全体で半分程しか残っていなかった。イージス隊からの報告で光線級は確認出来ないということで全機が爆装していた。

 

坂井「ナイトメア1-1から各機へ、手を動かしながら聞け。現在BETA群は新潟沿岸部に上陸し横浜方面へと侵攻中、防衛部隊としては帝国軍の一部の部隊が防衛線を敷いている。最悪の場合、僅か30分程で突破されるだろう、その前に防衛線に到着し帝国軍を援護する。それと現在デルタ大隊第2部隊が降下中だ。ミサイルによる味方撃ちだけはするなよ」

 

「「「了解」」」

 

坂井「白月中尉、第3小隊の新人を頼む。最悪、後方に待機させといて構わん」

 

白月「いえ、こういう時こそ前線に出すべきです。少しでも前線の空気を吸った方がいいですね。そうすれば次の戦闘からは余裕を持って戦えるでしょう」

 

坂井「了解した。任せるぞ」

 

整備員が坂井に通信を入れた。

 

「坂井大尉、全機爆装完了しました。発艦出来ます」

 

坂井「了解。全機発艦開始」

 

2機ずつ発艦し防衛線へと向かった。

 

 

 

 

一方、防衛戦では帝国軍が熾烈な戦闘を行っていた。殆どの帝国軍部隊はクーデターの為に帝都に集結していた為、防衛戦に残っていたのはたった一個中隊程だった。序盤は光線級がいなかったため上空からの攻撃などで優勢だったが迫りくる物量に弾薬や推進剤は半分をきっていた。

 

「隊長、弾薬が底をつきそうです。このままでは……」

 

「諦めるな!援軍が向かっている、それまで一匹も通すな!」

 

「いつになったら来るんですか⁉︎大体、殆どの部隊が帝都にいる中、どんなに急いでも2時間はかかりますよ」

 

「無駄口言ってないで撃ち続けろ!」

 

突如、通信が入る。

 

進藤「こちら統合軍の進藤だ。そこの帝国軍、今すぐ後方に5キロ移動移動し補給を受けろ。それまで俺たちが防衛戦を預かる」

 

「お前たちはどこだ。レーダーに反応がないぞ!」

 

進藤「現在高度五千メートル。お前たちの真上を降下している」

 

「確認した。貴軍達が到着しだい補給地点まで移動する」

 

進藤「了解した」

 

葛木「たった一個中隊か……。これはきついな」

 

進藤「そうだな。まあ装備も新しくなったんだ何とかやりきるしかない。全機分離開始!接地後、各個に攻撃開始!この隊での地球での初の戦闘だ。重力があることを忘れるな!」

 

「「「了解」」」

 

降下カプセルの外壁が外れ、搭載されていたジェスタが現れ空中に投げ出されると自重で落下した。ジェスタのバックパックは別の物に変わっていた大型のブースターが装備され補助スラスターも加えられていた。この新装備により降下の際は必ずバリュードシステム搭載のバックパックを装備する必要があったがこの装備は大型ブースターを使った減速や回避を行うことが可能になった。

 

進藤「各小隊ごとに攻撃を開始しろ」

 

葛木「こちら第3小隊、攻撃を開始しする」

 

「第4も同じく」

 

「ファング2-1から1-1へ、戦車級多数接近!援護射撃求む」

 

進藤「了解した。ファング1-3、4援護射撃を開始しろ。ファング1-2、3と4を援護する」

 

「了解」

 

「デルタ1よりファング1-1へ、現状を報告せよ」

 

進藤「現在BETAと交戦中、数としてはレーダーで確認する限り数万に達するもよう。ただし、光線級は確認出来ず繰り返す確認出来ず。弾薬の消費が激しいため補給コンテナの投下を要請します」

 

「了解した。もう3分後にナイトメア隊が到達予定。爆撃に注意して下さい」

 

進藤「了解。全機、3分後にナイトメア隊の爆撃が始まる衝撃に備えろ」

 

後方より轟音を鳴らしながら接近してくる機体があった。

 

坂井「ナイトメア1-1からファング1-1へ、これより爆撃を開始する。爆撃範囲から退避を求む」

 

進藤「既に退避している盛大に頼むぞ。あのクソ野郎どもを黙らせろ」

 

坂井「ナイトメア1-1から各機へ、目標地点到達まで10秒前…………。投下開始!」

 

15機のナイトメアから爆撃が開始された。1機あたり6本積まれているため地表に90発もの爆撃の雨が降り着弾すると轟音が鳴り響いた。

続けて旋回し突入するとマイクロミサイルを発射し多くの戦車級を木っ端微塵にした。

 

坂井「第1は格闘戦を開始!第2はファング隊と共に迎撃しろ」

 

白月「了解」

 

ジェスタとともにナイトメアもバトロイド形態になり射撃を開始した。後方から補給を終えた帝国軍も駆けつけ攻撃を行った。

爆撃により一時は優位にたったもののやはり数の差は歴然だった。少しずつではあるが後方に下がり始めた。

 

「デルタ1より全機へ、約15分程で到着します」

 

進藤「聞いたな!全機へ踏ん張りどころだ。一匹も通すな!」

 

倉間「戦闘中の部隊へ緊急連絡、直ぐに防衛線中央部より離れて下さい砲撃がきます。繰り返します………」

 

すると後方から高エネルギー反応が検出された。直後、何本もの光の線がBETA群に殺到した。進藤はレーダーを確認した。

 

進藤「馬鹿野郎!俺たちまで殺す気か!」

 

攻撃を行ったのはアクロススカイが降下直後に出撃させたバイパー隊だった。

 

山谷「だいぶおされている様だったんでな。援護射撃を行ったんだが、ここが重力圏内ということを忘れていたよ」

 

山谷は少し笑いながら答えた。

 

進藤「笑い事じゃねえよ!」

 

だが今の攻撃で突撃級の約半数を消滅させ、その後方にいた要撃級も殲滅した。続けざまにアーチャー隊からの攻撃もありBETAの侵攻が弱まった。

 

上総「アーチャー1からバイパー1へ、あとで大隊長室へ。ファング1-1、よく持ち堪えたわね」

 

進藤「このぐらい止められないで降下兵なんてやっていけませんよ」

 

上総「それにしても凄い量ね。ナイトメア1-1、左側にマイクロミサイルで集中攻撃。突撃級を止めなさい」

 

坂井「了解。ナイトメア全機、左側のBETAに対しマイクロミサイルでの面制圧を開始。撃て!」

 

面制圧が成功し突撃級を殲滅した。

近くに補給コンテナが次々降り交代で補給をしていた。

 

「こちらデルタ1、到着しました。これより殲滅戦を開始します」

 

進藤はやっと来たかとアクロススカイを見た。そこには信じられないものが甲板上に立っていた。

 

 




明日か明後日くらいにもう一話出す予定です。
それでクーデター編は完結です

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