Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第三十二話

アクロススカイ艦内士官室。そこでは全部隊長並びに分隊長、各科の長が集まり会議をしていた。予定では、09:00時より訓練をする予定だったが、帝国からの任務要請と転属の連絡がきていたためだ。

 

艦長「今日の08:00時に帝国から通知が届いた。内容は艦全体への転属と我々での正規任務だ。マクロス・クォーター級ステルス攻撃宇宙空母アクロススカイは本日、午前08:00時をもって日本帝国陸海空統合軍所属、デルタ大隊への転属を命ずるという事だ」

 

1人の士官が手を挙げ

 

士官「艦長、陸海空統合軍とは?」

 

艦長「元々は、新設された帝国空軍バルキリー部隊がもとになっているようだ。簡単に言うと特殊な部隊どうしで一緒にしてしまえというお偉いさん方の命令でつくられた部隊だ。話しを戻そう任務の事だが地上のバルキリー部隊隊長からだ。黒鉄少佐が作ったとされる製造プラントに行き機体のエンジンを回収してきて欲しいという事だ。そのエンジンには我々が現在運用しているジェスタのエンジンもあるというだ。問題はここからだそのプラントがある場所なのだが木星だそうだ」

 

全員から声が出る。

それもそのはずだ地球から木星まで普通に行けば7億5000万kmもあるからだ。

 

士官「任務日数は?」

 

艦長「3日だ」

 

士官「へ⁉︎」

 

他の士官からも同じ声が聞こえてきた。

 

艦長「航海長!」

 

航海長「はい。この艦には特別な能力があります。それは"フォールド"と呼ばれる航法です。簡単に言いますとワープです。身体への影響はないのでご心配なく。念のためフォールド開始前には資材などの物資は固定をお願いします。では10:00にフォールドを行います。艦長いいですか?」

 

艦長は首を縦に振った。

 

艦長「では、これにて会議を終了する。MS部隊の訓練に関しては到着後に行う。以上解散」

 

艦長の言葉のあと、全員が退出した。

上総に向けて、第1部隊長と第4部隊長が話しかけてきた。

 

第1部隊長「山城中尉」

 

上総「何?」

 

第1部隊長「機体をお見せするのでついてきて下さい」

 

上総「わかったわ」

 

上総は第1部隊長について行った。場所は第3格納庫だった。そこには白く塗られた1機のMSが立っていた。

 

第1部隊長「機体名、MSN-001A1 デルタプラスと言います。機体性能は申し分ないようです。操作マニュアルは部屋に届けてありますので」

 

第4部隊長「もし飛行訓練をする時は教えて下さい。我々、第4部隊がお手伝いをします。この部隊で唯一、黒鉄少佐の機体や中尉の機体についていける部隊なので」

 

上総「わかったわ。ありがとう」

 

第1、第4部隊長は敬礼をし、離れていった。

 

上総は部屋に行き、ノーマルスーツに着替え機体へと向かった。整備員に出力などを調整してもらいシミュレーターをした。ナイトメアを乗っていただけあって機体特性を掴むのがはやかった。

それを見ていた第4部隊長は流石だという顔をして見ていた。

艦内放送がなり、フォールドをする時間となったようだ。整備員などは所定の場所へ行き身体を固定した。フォールド中は何事もなく目的地に着くことができた。目標の製造プラントは艦を係留できるだけの大きさがあった。艦をプラントとドッキングさせ整備員や他の人員で物資の運搬を始めた。

MS部隊はすぐに訓練を始めるため部隊ごとに出撃を始めた。ほとんどの訓練内容は射撃が主だが今回は人対人の対人戦闘をする為、第1、2、3部隊は半分に分かれ訓練を開始した。まだ機体に不慣れな部分もあるので対人戦闘をし操作技術の向上を図ったのだ。

第4部隊に関しては、上総のデルタプラスとともに慣熟飛行や連携の確認をするため飛行を行っていた。途中、的などを置き射撃の確認をした。

訓練を行っている時、通信が入り上総や各部隊長はプラントに来るようにと連絡が入り上総たちはプラントへと向かった。

プラントへ行くと機体を置く場所があり、そこへ自分の機体を置き指示された場所へ行った。そこには機体のエンジンと2つの機体があった。

 

第2部隊長「こいつはジェスタですかね?」

 

そこにあった機体はジェスタであったが黒鉄が改良を施した機体ではなく原型のジェスタであった。

 

「さあ、頭の形はジェスタなんですが他の部位が全然違うんですよね」

 

皆は、原型のジェスタを見たことがないためこれがオリジナルの機体であるとわからなかった。エンジンの方も現在機体に使われているものでもなかった。

 

艦長「あの機体は持ち帰るべきと思うか?」

 

全員が艦長に対して敬礼を行った。

 

第2部隊長「持って帰るべきでしょう。見た所、汎用性も高そうですし」

 

艦長「わかった。管制室に行ってこい。全員分の作戦指令書があったから確認するように」

 

全員「了解」

 

管制室に行こうとした時、通信が入った。

内容は、飛行訓練を行っていた第4部隊第3分隊が他の機体と接触、1機は周辺にいた分隊が確保したがもう1機が行方不明状態になっていた。周辺には多数のデブリがあるため捜索が難航していた。

 

上総「全機出撃‼︎、第4部隊長、第2分隊借りるわよ」

 

第4部隊長「どうぞ」

 

上総「第1、第2部隊長、第2部隊全機に増槽をつけて再出撃」

 

第1、第2部隊長「了解」

 

上総「第3部隊は、狙撃仕様に換装、遠くに目を向けなさい。不審なものは直ぐに第4部隊に連絡」

 

第3部隊長「了解」

 

一斉に捜索を開始した。換装のために艦に戻っていた部隊も続々と出撃した。

 

上総「どの方向に飛んだ⁉︎」

 

「2時の方向です」

 

上総「わかったわ。全機続け!」

 

上総は現場に近づくにつれて何かを感じとっていた。

まるで黒鉄や伊藤がもつニュータイプと同じだった。するとその方向を見ていた第3部隊から連絡が入った。

 

「機影確認!その方向から約500m地点です」

 

上総は、機体を目視にて確認した。機体は大破寸前でバランサーがいかれていたようだった。通信を繋げるとパイロットは無事だった。機体とパイロットを回収し帰途についた。

 

 

地球

国連軍横浜基地

 

伊藤「さあて、ここにはどんなパイロットがいるかな」

 


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