Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第十一話

F-3 心神、JIVESを使った演習が開始されようとしていた。編成は、F-3、F-15ACTV、F-15E×2だ。メンバーは、ユウヤ、タリサ、VG、ステラだ。司令室では、イブラヒムや唯依、上総達がモニター越しから見物していた。その中に伊藤の姿はなかった。

 

2日前、夜

 

伊藤は、唯依から呼び出されていた。部屋に入ると唯依から今すぐに本国に戻れと言われた。本国から伊藤の部隊に対し、出撃命令が下されたようだった。伊藤は、斯衛の他に自分が指揮を執っている部隊がある。それは、"VF-171"だけで構成された部隊だ。命令内容は、佐渡島ハイブのBETAに不穏な動きがあるとして、警戒にあたれということだった。伊藤は、すぐに発つ準備をし機体は、スーパーパックに換装、その日の内にユーコン基地を発った。

 

話しは戻り、演習区域

 

ユウヤ「演習開始まで、まだ時間があるな。そういえば誰か伊藤を知らないか?昨日の夜から見ていないんだが?」

 

ユウヤは、小隊メンバーに話し掛けたが、皆が首を横にふる。その時、司令室から通信が入り上総が言ってきた。

 

上総「伊藤は、2日前の夜に日本に行ったわ」

 

ユウヤ「なぜ?」

 

上総「伊藤の部隊に対して、緊急出撃命令が下されたの。その為伊藤は、一時日本に帰国したわ」

 

ユウヤ「そうなのか」

 

通信将校「アルゴス小隊へ、演習開始10秒前です。準備して下さい」

 

イブラヒム「全員、準備はいいな。これより演習を始める」

 

通信将校「JIVES機動」

 

JIVESが機動し、辺り一面にBETAが現れた。

 

ユウヤ「何なんだ!この数、故障じゃないのか?」

 

タリサ「こんなのアジアじゃ、普通だよ」

 

VG「ヨーロッパもな」

 

ユウヤ「(こいつら流石に場慣れしてやがる)」

 

ステラから通信が入った。

 

ステラ「アルゴス1、どうするの?」

 

ユウヤ「フォーメーション、アローヘッドワン。索敵前進。BETAを各個に撃破しろ」

 

全員「了解!」

 

ユウヤは、正面の突撃級に対し突撃し、左に避け正面にいる要撃級を倒した。だが、機体がふらついていた。

 

ユウヤ「5割でこの反応速度か(いくら、伊藤との訓練である程度は、慣れたといえ流石にきついな)」

 

演習は、夕暮れまで続いた。

 

ユウヤ「全機、集結してくれ」

 

小隊メンバーが全員集まった。レーダー状には、BETAの姿はもうなかったので司令室に通信を繋げようとした時、レーダーにunknownを示す光点が出た。

 

ユウヤ「アルゴス1からCPへ、unknownが接近している。ライブラリーに照合データなし」

 

通信将校「こちらCP、現在確認している。これは⁉︎ちょっと中尉(ガサ、ガサ)」

 

通信が切れた。

 

タリサ「おいおい、どうしたんだよ?」

 

ユウヤ「全機、警戒態勢」

 

こちらに向かってくるのが見えた。

 

ステラ「アルゴス1、そちらの機体にデータがあったわ」

 

ユウヤ「F-3にか」

 

機体データを見てみる。ユウヤは声を荒あげた。

 

ユウヤ「機体名、武御雷。所属、日本帝国斯衛軍‼︎」

 

タリサ「TYPE-00だと⁉︎」

 

VG「篁中尉だってのか?」

 

武御雷は、74式長刀を手にとり、構えた。

 

ユウヤ「あの長刀、実戦用じゃないのか?」

 

ユウヤが戦うべきかと悩んでいるとタリサが

 

タリサ「なめられてるぞ、アルゴス1」

 

ユウヤ「まて!タリサ‼︎」

 

タリサは、武御雷に突撃していく。右手に持っていた近接ナイフが弾き飛ばされ、地面に投げられる。武御雷は、タリサのコックピット付近を踏んだ。その時、VGとステラが突撃砲を撃ちながら突撃した。近くに来ると近接ナイフを取り出し2機同時に襲いかかったがあっけ無く倒されてしまう。

 

ユウヤ「あんたなんだろう⁉︎篁中尉‼︎そこまで俺が気にくわないなら相手になってやるぜ‼︎」

 

ユウヤは、背中に装備してあった74式長刀を手に取り、突撃した。だが振っても振っても避けられてばかりだった。そこから両機とも格闘戦に入り、剣どうしが当たり火花を散らす。ユウヤの剣が弾かれ、剣を戻した時には受けることしか出来なかった。

 

ユウヤ「なぶり殺しにするつもりかよ。殺ろうと思えば一撃でやれるくせに」

 

武御雷の剣を受け続ける。

 

ユウヤ「(こんなとこで俺は、終わる訳にはいかないんだ。日本機すら乗りこなせないまま。日本人にやられて終わる訳には」

 

防御の構えをしていたのが弾かれ、急所が空いてしまう。武御雷が剣を振り下ろした瞬間、ユウヤの手が反射的に操縦桿を動かした。降ろしていた剣が上に上がりとどめを刺されそうになっていたのを受け止めた。

 

ユウヤ「今の動き、まさか、俺がやったのか⁉︎」

 

ユウヤは、唯依に言われた「人馬一体」という言葉を思い出し、今それがどういう意味であるか理解した。

そして、これが最後の一振りだと感じ、武御雷に向かった。

 

ユウヤ「行くぞ、F-3‼︎」

 

両機とも最後の一振りが決まった瞬間、どちらかの長刀が飛び地面に刺さった。それは、武御雷のだった。

勝負が決まった。

その時、CPから通信が入った。

 

イブラヒム「CPから各機、そこまでだ。ホワイト・ファング1目的は、達成したか?状況終了」

 

ユウヤ達、アルゴス小隊は基地に帰投した。

基地に着き、ユウヤは、F-3を見て思った。

 

ユウヤ「(あの時の感覚、あれをものに出来れば、俺とお前はもっと強く慣れる)」

 

 

 

一方、伊藤の方

 

新潟沿岸上空で警戒任務にあたっていた。佐渡島からレーザー照射の可能性があるため、あまり高い高度で飛べなかった。

編成としては、イージスパックを付けたナイトメア2機と護衛の4機を上空待機とし、即応部隊としては2機で1小隊の4小隊、8機が即応として地上で待機している。

それから数時間後、朝日が昇る前、HQから通信が入った。

 

HQ「こちらHQからセイバー01へ」

 

伊藤「こちらセイバー01何ですか?」

 

HQ「今日、午前7時を持って警戒態勢を解除、帰投して下さい。伊藤少尉は、そのまま帝都にある技術開発局に向かって下さい」

 

伊藤「了解した」

 

伊藤は、部隊の皆と別れ1人帝都に向かった。そこにスーパーパックを装備していたVF-171があった。研究員が機体の脇で待機していた。伊藤は、機体を降りた。

 

研究員「任務ご苦労さまです。伊藤少尉これからは、こちらの機体に乗ってもらいます」

 

伊藤「わかった。何か追加の装備でもあるのか?」

 

研究員「はい。新たにエネルギー変化装甲を装備しました。あとは出力を少し強くしました

 

伊藤「やっと装備出来たか」

 

研究員「はい、時間は掛かりましたが。あと伊藤少尉に対して新たな任務が入っています」

 

伊藤「内容は?」

 

研究員「はい。ユーコン基地に戻るさい、輸送機の護衛任務をせよということでした」

 

伊藤「新たな機体でもあるのか?」

 

研究員「いいえ、武器と人ですね。"試製99型電磁投射砲"と人員は、VF-171Jαを改修する人たちですね」

 

伊藤「わかった。そういえばあの機体の名を教えてもらえないか?」

 

研究員「VF-171Jα1型です。出発に関しては、午後1時だそうです」

 

伊藤「了解した。機体には、スーパーパックを装備で頼む」

 

研究員「わかりました」

 

伊藤は、休憩室に入っていった。椅子に座り目を瞑った。

 

伊藤「(試験は、どうなったかな?まあ、大丈夫だろう)」

 

伊藤は、寝た。




後で、機体設定に追加します

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