Muv-Luv〜wing of white steel〜   作:lancer008

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第九話

F-3墜落現場から、伊藤はユウヤを乗せ帰投した。その前に機密保持の為、高圧電流を流しシステムを破壊した。

 

帰投中

 

ユウヤ「破壊してよかったのか?」

 

伊藤「良いんだ」

 

ユウヤ「その前にあの機体はなんだ?反応速度がおかしいんじゃないのか?」

 

伊藤「F-3の元となった戦術機は、94式不知火と今、俺たちが乗っている機体だ。不知火は扱いづらくてな、運動性が非常に高い機体となっている。んで、この機体は機動性並びに空中格闘戦を重視した機体だ。俺の言っていることがわかるな?」

 

ユウヤ「まあ、だいたいわ」

 

伊藤「あの機体は、良いところだけを取って開発された。その為どうしても使いづらくなる。まあ、日本とアメリカでは、設計や運用、戦術は別物だからな。だがそこをどうにかするのがお前らテストパイロットだろう」

 

ユウヤ「だが………」

 

ユウヤは、黙った。

 

伊藤「後のことは、唯依に言ってくれ」

 

ユウヤ「伊藤より中尉の方が階級上なのになぜ名前で呼べるんだ?」

 

伊藤「訓練兵の頃から一緒だったからな。ただ、報告の時とかは、別だ」

 

基地に到着し、ユウヤは唯依の方に行き報告を行なっていた。伊藤は機体を一時駐機させ、アルゴスメンバーと共に機体を回収に行こうとした時、怒鳴り声が聞こえてきた。振り返って見ると唯依とユウヤが口喧嘩をしていた。

 

唯依「一体どんな操縦をすれば落ちるんだ⁉︎」

 

ユウヤ「俺のせいだとでも言うのか?」

 

唯依「お前以外に誰が操縦してたんだ?」

 

ユウヤ「俺からも言わせてもらう。機体にあっていないあの機動性はなんだ?出力を落とし過ぎたんじゃないのか?」

 

遠くから見ていたアルゴスメンバーは、「はぁ〜〜」と思いながら見ていた。誰も止めずにそれを見ていた。

 

ジアコーザ「どうするんだあれ?」

 

伊藤「いいんじゃねえの。開発責任者との意見交換て事で。あ、報告してねえ」

 

伊藤は走って唯依の方に向かった。唯依はまだユウヤと口喧嘩をしていたがそれを無視して伊藤は報告をした。

 

伊藤「報告します。F-3は墜落した衝撃で関節部のなんらかの部分がやられ機体が動きませんでした。現状で、自分の機体では、回収は不可能と判断しました。その為、機密保持の為、システム部分に高圧電流を流し、使用不能にしましため、別タイプへのコックピット換装並びに本国への補給要請をお願いします」

 

唯依「わかった。そのことについては後で報告書を提出せよ」

 

伊藤「了解しました」

 

伊藤は回れ右をし直ぐにその場から立ち去った。唯依は今後の事についてユウヤに話しをしていた。

 

唯依「伊藤少尉の報告にあった通り現在使用していた操縦席は使用出来なくなった。そこで別タイプの操縦席を使う。それに伴い強化装備を着用せず、専用のパイロットスーツが有るのでそれを着てもらう。調整もあるので明日から試験を再開する、以上だ。何な質問は?」

 

ユウヤ「ありません。中尉。それでは失礼します」

 

 

伊藤は、その日のうちに報告書を書き終え夜に提出しにいった。唯依の部屋に入る前にノックをした。返事が返ってきたので入室した。中に入ると上総もいた。

 

伊藤「報告書を持ってきたぞ」

 

唯依「ご苦労様」

 

伊藤「明日、ユウヤを借りてもいいか?」

 

唯依「何故?」

 

伊藤「テストパイロットだけあって筋は良いがあれでは時間がかかるぞ」

 

唯依「わかっている」

 

伊藤「少し、ナイトメアに乗せて感じを掴めさせたいんだ」

 

唯依「わかったわ。但し午前中だけよ」

 

伊藤「ありがとう……後、もう1つ報告することがある」

 

唯依「何?」

 

伊藤「今年中には、あいつが戻ってくる予定だ」

 

唯依「え⁉︎」

上総「え⁉︎」

 

伊藤「この間、連絡があってな。今年中に戻るだそうだ」

 

あの時、姿を消した戦士がまた戦場に戻ってくるということだった。




二、三話くらい戦闘シーンはないですかね
もしかしたら、少し入れますかね

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