最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
名前まで付けてしまいました(;゚∇゚)
「何よもう……うるさいわね」
長めの絶叫が終わると、青子さんが鬱陶しそうな顔をして起き上がった。
「唐突に起こさないでよ」
「叫ばせるようなことをした人に言われたくありませんねぇ!?」
「何よ、ちょっと寝てただけじゃない」
「そこじゃないですよ!?何でここにいるんですか!?」
寝てたことは百本譲っていいとしよう。
いや、よくないけどね!?
起きたら俺の脚に寄りかかって美人が寝てるとか、心臓に悪すぎる。
けど、それよりもここに青子さんがいることの方が問題だ。
「ここにはキャスターの結界に、それをベースとした外敵排除用の結界、おまけにうちの家系に代々伝わる嫌らしい罠だらけなんですよ?どうやって入ったんですか」
「そんなもの決まってるじゃない」
不敵に笑い、青子さんは答える。
「魔法使いだからよ」
「……納得です」
第五魔法『青』がどんな効果なのかは知らないが、それでもそれくらいは出来るんだろう。
そうでもないと、魔法使いは名乗れないということなんだろうな。
「さてと。それじゃあ、薫も納得したところで」
「いや、別に納得したわけではないんですが」
「私もここで過ごさせてもらうから」
「…………………は」
いきなりとんでもないことを言い出した青子さんに、俺はしばしフリーズしてしまった。
───────────────────────
「……というわけで、今日からお世話になります。蒼崎青子です」
「お兄ちゃん!いつの間にこんな美人の彼女が居たの!?」
「そうよ、キャスターちゃんと香というものがありながら!」
「そうだよ!アタシというものがありながら!」
「何このカオスな状況!?ツッコミきれねぇ!?」
結局青子さんに押し切られ、とりあえず母さんと香に報告することに。
というわけで一部始終を包み隠さず話したわけだが。
どういうわけかこんな感じになっている。
ちなみに、キャスターはまだ傷が癒えていないのか、未だに寝たままだ。
「さっき言っただろ!?青子さんは、キャスターの力を目覚めさせるために戦ってくれたんだよ!それがなんでそうなる!?」
夢の中での戦闘の理由を青子さんに聞くと、意外にもあっさり答えてくれた。
キャスター、もとい久遠寺有珠がこの冬木に現れた。
青子さんはそれを検知して、様子を見に来たら、噂の聖杯戦争が行われていた。
最初のうちは傍観するつもりだったらしいが、キャスターを見ていて違和感があったらしい。
それを探っているうちに、『
それを目覚めさせるため、ついでに俺のマスターとしての能力を測るために、戦闘を仕掛けたらしい。
「そんなわけ無いでしょ!?うら若き男女が二人で一晩部屋にいて、何も起きないわけないでしょ!?」
「俺とキャスターの間に何も……うん。何も起きてないんだから、大丈夫に決まってんだろ!?」
佐伯さんによる治療のことを思い出したが、あれは違う。
あれはノーカンだ。
「………言われてみればそうか」
「そういえばそうだね。アタシが一緒に寝てても何もしないし」
「いや、そこでしたら大問題だからな?」
「アタシはwelcome!」
「ふざけんなぁぁぁぁぁぁぁぁっ!」
ちなみに、『welcome』だけやたらと発音がいい。
海外を回っていたため、何気に6ヶ国語話せる。
「で、そろそろ真面目に話そうか」
「今までふざけてたのか……」
ため息をつく。
ただ、切り替えがハッキリしてるのが我が家の良いところだ。
「まあ、真面目なこと言うと、どう?香」
「いいんじゃない?戦力になるのは間違いないし。なんたって、あの蒼崎青子だし」
「それはたしかに……うん」
二人で相談し、やがて母さんが頷く。
「蒼崎青子さん」
「なに?」
「協力して、もらえるんですね?」
「さっきからそう言ってるじゃない」
あっけらかんと答える青子さん。
「それじゃ、よろしくお願いします」
「よろしくお願いします!」
それに対し、母さんと香は揃って頭を下げた。
……俺、なんにも言ってないんだけどなー。
お読みいただきありがとうございました
充電切れたせいでちょっとだけ時間過ぎてしまいました(;゚∇゚)
なんで8パーセントで充電切れるんですかね
それでは、また来週お会いしましょう