最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た   作:雪希絵

36 / 49
なんだかハードな一週間でした(´口`)ハア-

とはいえ、社会人の方はもっともっと忙しいんでしょうし、こんな事でへこたれてはいけませんね

それでは、ごゆっくりどうぞ!


頂上魔術決戦

重厚な音を響かせ、『薔薇の猟犬(ワンダースナッチ)』が大きな足を踏み込む。

 

まるで身体の感触を確かめるように、あちらこちらを駆動させる。

 

久しぶりの出番に、動きやすさを確認しているかのようだ。

 

「これが……最後のグレートスリーか……」

 

こう言ってはなんだが、他のグレートスリーに比べて、随分と規模が小さい。

 

月の油(フラットスナーク)』は指定範囲の固有結界内、『橋の巨人(テムズトロル)』は長大な体躯で顕現する。

 

誰がどう見ても大規模なものだと分かる。

 

しかし、薔薇の猟犬はそこまでのサイズではない。

 

大きくはあるが、その二つ程ではない。

 

だが、その迫力は他の二つに引けを取らない。

 

その一回りも二回りも小さな体躯に、内包された莫大過ぎる魔力。

 

魔術師ならひと目でわかる、桁違いの神秘の力。

 

味方でいることに、これ程感謝したものはない。

 

これを、元はただの一魔術師が扱っていたのだ。

 

(英霊ってのは……本当にとんでもないな……!)

 

「……久しぶりに見たわ。いや、ほとんど霧みたいな状態で出てきてたから、まともな姿を見たのは初めてか」

「真の姿を見せるのは好ましくないもの」

「ってか、心臓弱いやつなら卒倒しそうだけど!?」

「こんなもんで驚いてたら、心臓もたないわよ?」

「もっと凶悪な見た目のがあるんですか……!?」

「私のクソ姉貴のもんだけどね」

 

思い出したくない事でも思い出したのか、青子さんは苦虫を噛み潰したような顔をする。

 

どうやら、お姉さんのことが本気で嫌いらしい。

 

「で、それちゃんと動くんでしょうね?有珠?」

「………試してみる?」

「………上等!」

 

直後、二人の魔力が溢れ出る。

 

あまりの迫力に、近付く余地がないと早々に悟る。

 

ここから先は、人外の領域。

 

英霊と魔法使い、第一級魔術師同士の戦いだ。

 

「マスター。下がっていて。……あと、ファランクスは切って」

「え、でも……」

 

反論しようとしたら、すごい目で見られた。

 

睨まれているわけじゃないのに、ものすごく怒りの空気を感じる。

 

はい、ごめんなさい。

 

「……切ります」

 

再び銃をリロードするような音が響き、両脚の光が弱くなる。

 

「ぐっ……っ……!」

 

唐突に押し寄せる疲労感。

 

全身が倦怠感で急激に重くなり、指先を動かすのすら嫌になる。

 

ずっと酷使し続けていた両脚など、力を加えようとすら思わない程だ。

 

「あとは、頼んだ。キャスター」

「……ええ」

「行くわよ……リベンジ、させてもらうわ!」

 

両者共に腕を振り上げ、

 

「『薔薇の猟犬』」

「行使二層、直流数紋!」

 

同時に魔術を放った。




お読みいただきありがとうございました!

薔薇の猟犬は個人的にかなり好きなプロイです

濃霧の怪物って感じからしてもうカッコイイです

それでは、また来週お会いしましょう!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。