最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た   作:雪希絵

31 / 49
最近、27祖のORTについて調べてみました

あれはダメですね

型月最強生物ですね

誰が勝てるんでしょうか


規格外の魔術師

青子さんの右腕の魔術回路がさらに輝く。

 

強烈な閃光に思わず目を細める。

 

あれだけの出力の魔術回路を回したら、普通は悶絶する程痛いはずだ。

 

しかし、青子さんは顔を顰めるだけで、それを飲み込んだらしい。

 

澄んだ高い音が鳴り響き、右腕に猛烈な魔力が満ちる。

 

橋の巨人(テムズトロル)はそんな青子さんの行動もお構い無しに、その巨大過ぎる拳を振り下ろす。

 

少なくとも俺には、こんな馬鹿でかい上に硬いゴーレムをどうにかすることはできない。

 

だが、青子さんは舌打ちをしながら、

 

「あんたは、お呼びじゃないんだっての!!!」

 

叫び、右手を振るう。

 

直後、空間が爆ぜた。

 

そう思わせる程の熱量と大気の振動。

 

先程までとは比べ物にならないサイズの魔弾が、橋の巨人に向かって放たれる。

 

その威力を感じ取ったのか、橋の巨人は拳を振り下ろす対象を変更。

 

魔弾を正面から迎撃する。

 

青く輝く魔弾と、石が密集した巨大な腕が衝突。

 

キイィィィィィィィ────!!!!

 

「───っ!なん……だよ……これ!?」

 

衝突位置は離れているはずなのに、吹き飛ばされそうな衝撃が起こる。

 

涼しい顔で棒立ちしているキャスターの方が異常だ。

 

「くそっ、橋の巨人は!?」

 

少し時間が経ち、土煙と閃光が晴れる。

 

顔を上げ、ゴーレムの方を見る。

 

そこに居たのは、

 

「────嘘だろ」

 

片腕が吹き飛んだ、橋の巨人の姿だった。

 

俺の魔弾どころか、自分の魔力全て注いだ蹴りでも、出来るかどうかわからない所業。

 

そもそも、やったらやったで片脚が千切れそうな気がする。

 

それを、魔弾一発で簡単にやってのけた。

 

「これが……魔法使い……次元が違い過ぎるだろ……!?」

 

それでも橋の巨人は揺るがない。

 

残った左腕を握り込み、その拳を真っ直ぐに振り下ろす。

 

「邪魔邪魔邪魔あぁぁぁぁ───!」

 

それに対し、青子さんは叫びながら右腕を振りかぶり続ける。

 

至る所に魔法陣が現れ、魔弾を作り出す。

 

さっきまでよりも小さな魔弾だが、数が異常だ。

 

機関銃とでも言えるような連弾が、次々と橋の巨人に着弾していく。

 

その度に身体が抉れ、ひび割れる。

 

時折放たれるレーザーのような魔弾は、ゴーレムの身体を貫く。

 

ゴーレムも負けじと残った身体で応戦する。

 

その巨大さと迫力は、片腕を失ってもなお力強い。

 

「大怪獣戦争かよ────!」

 

戦艦VS怪獣を思わせる戦いに、率直にそんな感想が出てしまう。

 

「キャスター……!」

 

何か手はないかと、キャスターの方を見る。

 

「……………なに?」

 

しかし、キャスターの反応がやけに鈍い。

 

心なしか、表情も余裕がないように見える。

 

(そうか……流石に宝具となると、維持に魔力を食われるのか……)

 

童話の織り手(フェアリーテイル・リーヴァー)』の弱点だ。

 

魔力でプロイキッシャーなら何でも作れる代わりに、召喚にも維持にも莫大な魔力がいる。

 

「だったら俺が!」

 

何が出来るかはわからないが、気づかれないように接近。

 

「あんたも邪魔!」

 

しかし、もはや後ろに目がついているのかというレベルで反応し、

 

「しっ────!」

 

右腕を一度だけこちらに向け、魔弾を放つ。

 

その一瞬で放たれたものとは思えない巨大さの。

 

「これは無理────!」

 

急ブレーキし、足裏に魔弾を炸裂。

 

右側に飛び込むように魔弾を回避する。

 

地面に着弾し、弾が爆発。

 

思わず閉じた目を開いた時には、軽くクレーターが出来ていた。

 

しかも、ついでに放ったような魔弾でこれだ。

 

今も、青子さんは橋の巨人との大怪獣戦争を続けている。

 

キャスターも、プロイの維持に手一杯だ。

 

………いやもう、勝ちの目なくね?




お読み頂きありがとうございました!

それでは、また来週お会いしましょう!

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。