最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
特に肩の辺りが酷くて、寝てないと痛いくらいです
それでも投稿はやめませんけどね!
「久しぶりに有珠の気配がしたから、覗きに来てみたんだけど。何だか面白いことになってるじゃない」
蒼崎青子はそう言い、俺の方を凝視する。
「安心しなさい。これでも魔法使いだもの。何が起きてるかぐらい知ってるわ」
「だったら、あまりちょっかいを出さないで欲しいのだけれど」
そんな彼女に対し、キャスターは批難するような目でそう言った。
なんだ?仲悪いのか?この二人。
「貴女は昔からそう。興味のあることに首を突っ込んで、引っ掻き回して、飽きたら去っていく」
「いや、それはむしろ、私の姉に言って欲しいんだけど?」
「そうね。なら、貴女もあの姉に似てきたということね」
「うわ、冗談でもやめてよ。あんなのと一緒にされるとか死んでも嫌なんだけど」
そんなふうに、俺には全くわからない話を進める二人。
蒼崎青子は、ころころと表情を変えて。
キャスターは相変わらずの無表情ながら、少しだけ懐かしそうな表情で。
正直置いてけぼりだけど、キャスターのこんな顔が見られるなら、もう少しこのままでもいいかなとも思った。
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「で、何をしに来たの?青子」
もはや最後の方は口喧嘩みたいになっていた会話も一区切りし、キャスターがそう切り出した。
ちなみに俺は、ずっとその辺の石ころを魔力で弾く遊びをしていた。
夢の中だというのに、随分と上手く魔力が使えるものだ。
「だから言ったでしょ?覗きに来たって」
「貴女が首を突っ込まずに立ち去るわけないでしょう」
ため息をつきながらキャスターがそう言うと、蒼崎青子はニヤリと笑って、
「よくわかってるじゃない」
と楽しそうに答える。
そうして、再び俺の方を凝視しだした。
「……な、なんでしょう」
というか、よく見るとこの人もすごい美人だな……。
なんだなんだ。
キャスターといい、母さんといい、香といい、蒼崎青子といい。
俺の関わる女性全員美人ばかりじゃないか。
何?俺死ぬの?
この聖杯戦争で死んじゃうの?
「───ふーん。これが有珠のマスターねぇ」
俺の質問には答えず、あくまでもマイペースにそう言う。
というか、さっきタメ口使っちゃったよ、どうしよ。
「そこそこ魔力量はあるみたいね。魔術回路の形からして近接特化……私と同じ戦争屋っぽいわね」
「よ、よくご存知で……」
「ああ、そんなに固くならなくていいわよ。あと、呼ぶなら名前で読んでちょうだい」
「は、はあ……。青子……さん?」
躊躇いながらそう呼ぶと、青子さんは満足そうに頷く。
キャスターは、何故かちょっと不機嫌そうだ。
「さて、んじゃあ、始めますか」
「──────はっ?」
突如として飛来する、青色の光弾。
「─────くそっ!」
幸い起動したままだった魔術回路を全力で回し、渾身の直蹴りを放つ。
鉄塊がぶつかってきたかのような衝撃と、耳を割く轟音。
「ぐっ……おぉ!」
歯を食いしばって力を込め、どうにか魔弾を相殺する。
「ぜぇ……ぜぇ……」
夢の中だというのに、息が切れる。
いや、そんなことより、
「どういうつもり?青子」
そう、それだ。
「どういうつもりも何も、とりあえず戦ってみないとわからないこともあるでしょう?サーヴァントになった有珠の実力も知りたいし」
言いながら、右腕をヒラヒラと振る。
「あ、ちなみにさっきの威嚇射撃だから。次のやつはもうちょい痛いから、死なないでよね?」
いや、どう考えても死ぬだろこれ!?
お読みいただきありがとうございました!
とりあえずお風呂でマッサージして寝ます……
それでは、また来週お会いしましょう!