最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
徹夜も徹夜でしんどいですが、これもなかなか堪えますね
今日こそしっかり休みます
屋敷に辿り着き、キャスターをベッドに寝かせ、俺もその場で眠る。
さすがに、キャスターと同じように添い寝するわけにはいかないため、ソファに座って寝ることにした。
まだ怪我も治りきってないから、出来るだけ傍にいた方がいいだろうと判断した結果だ。
(いやまあ、めちゃくちゃ恥ずかしいけど。ぶっちゃけキスまでしてしまった後だと、近くで眠るくらいだったら、どうにかなる気がしてきた)
なんだか感覚が鈍っているような気もするが、今は全身の疲労感と睡魔に身を任せる。
大きめのソファに寝そべり、早々に瞼を閉じる。
魔力の消耗、怪我、治療で削られた精神力。
あらゆる要素により、俺はすぐに眠りについた。
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そこは、見たこともない場所だった。
場所は恐らく、どこかの街中。
冬木に似たような雰囲気で、少なめの街灯が建造物を照らしている。
「……ああ、夢か」
なんとなく、それだけはわかった。
俗に言う、明晰夢ってやつだ。
見たこともない街だしな。
けど、どうしてこんなに急に見たことない場所の夢を……。
「……考えても仕方ないな」
元より、考えるのは苦手なのだ。
なら、とりあえずこの辺りを歩いてみよう。
やたらスムーズに歩けることに違和感を感じながらも、俺は夢の中の街を歩き始めた。
街中には人っ子一人おらず、明かりがついている家なども一切ない。
というかそもそも人の気配がない。
「まあ、元からいるとは思えなかったけど……」
夢の中の住人がどういうものなのかは気になるけどな。
しばらく歩き続けると、どんどん街灯が少なくなり、建造物も目に見えて減っていく。
進行方向が山だからなのか、それとも他に理由があるのかはわからない。
やがて、やたらと長い坂の前に来た。
山に沿った先が見えないほどの長さで、舗装はされているもののあまり使われている形跡はない。
「なんかすごいデジャヴ」
今現在の拠点を思い出しながら、俺はそう呟いた。
そして、躊躇いなく足を踏み入れる。
あまりにも定番かもしれないが、何かに呼ばれている気がする。
坂を登ること、体感だが数十分。
大きな、本当に大きな屋敷の前に来た。
壁には草木が生い茂る、おおよそ人が住んでいるとは思えない。
バルコニーのようなものが屋外にせり出すように作らているのが特徴的だ。
間違いなく、俺たちが拠点にしている屋敷では、決してない。
そもそも、俺たちの拠点は全面木造ではないし、こんなにボロくもない。
どこだ……?ここ……?
お読みいただきありがとうございました!
かなり短いですが、お願いですから寝させてください
次回を代わりに長くしたいと思います
それでは、また来週お会いしましょう