最強のキャスター呼んだら最強の人形師がやって来た 作:雪希絵
魔法使いの夜をプレイして、ネタを探しながらモチベーションを向上させて行きたいと思います
ランサーの目はなおも光続ける。
燃えるように輝いているのは、今まで髪で隠れていた片目だということが、今になってわかる。
魔弾の発動をキャンセルし、俺は飛び下がる。
直後、
「真の英雄は眼で殺す!」
その一言ともに、ランサーの目が一際強く輝く。
強烈なエネルギーが収束され、まるでレーザーのごとく発射。
燃えるビームとでも表現すればいいのか、それは強烈なエネルギーを持っている。
もちろん、セイバーはそれを回避する。
魔力放出を全力でかっ飛ばし、発射されたレーザーを紙一重で回避。
しかし、その熱量は凄まじいらしく、鎧の一部がえぐれる。
(まさか、視線に攻撃力があるってのか!?)
だが、事実この位置からでも熱を感じる。
ランサーの癖に遠距離攻撃がある上に、それが相当に強力と来た。
「セイバー!大丈夫か!?」
脚に力を込め、セイバーに駆け寄る。
「ああ、平気だ。多少、掠めはしたけどね」
「……無理すんなよ」
「大丈夫さ」
おそらくダメージはそれなりに受けているだろう。
今のセイバーには、防御宝具となるような逸話も道具もないのだから。
「隙を見て、母さんのポーションを渡す。調整してもらったやつだ」
「有難い」
「ひとまず、キャスターが『赤憐のマスケット』の準備をしている。あれは相当に強力なプロイキッシャーだから、まだ時間がかかる」
「わかった。手負い二人で、せいぜい時間を稼ごう」
「おうよ」
相談も終わり、俺たちは並んでランサーの方を向く。
赤い靴はランサーの炎を受けたらしく、既に消滅していた。
「行くぞ!」
「はあっ!」
セイバーは床を蹴りながら魔力放出で急加速。
俺は魔力を両脚に集中し、セイバーの魔力放出に食らいつく。
「ふっ!」
目にも留まらぬ速度の斬撃。
それを槍で受け、はじき返すランサー。
半秒後、俺が左側から突撃し、力任せに蹴り込む。
しかし、案の定片手で受けられてしまう。
「くそっ!」
(やっぱり、接近戦じゃ分が悪い!)
そもそも、魔弾ですら多少仰け反らせただけで、ほとんど聞いていなかった。
っていうか、あの鎧にダメージ与えられるわけが無い。
セイバーの攻撃ですら通用していないのだから。
「はあぁぁぁ!!」
「…………」
気合いを発しながら、セイバーはランサーに切りかかる。
ランサーはそれを正面から受け止め、受け流すと、たまに反撃に転じる。
真横に振られる槍をしゃがんで避け、セイバーは大剣で突きを放つ。
最短ルートで槍を戻し、それを受ける。
弾かれた反動で仰け反る身体を無理やり魔力放出で正し、振り下ろす。
ランサーは特有の敏捷性を生かし、身体を半身にして回避しながら、セイバーの背後に回り込む。
そこへ俺は飛び込み、顔に向かって回し蹴り。
顔は流石に無視できないのか、無理な方向に首を捻って回避。
セイバーがその隙にバックステップして適切な距離を開け、改めて切り結ぶ。
そんなことの繰り返しだった。
セイバーが前に出れば、ランサーがそれを受ける。
ランサーが反撃すれば、セイバーはそれに大して全力で対処する。
時折出来た間に、俺が顔などの鎧で覆っていない部分を狙い、ランサーに攻撃する。
ひたすらそれを繰り返し、もはや魔力と体力が尽きるまで耐久戦になりそうだったころ。
「いらっしゃい、『赤憐のマスケット』」
涼やかなキャスターの声が響き渡る。
(来た!!)
「下がるぞ、セイバー!」
「了解だ!」
俺は魔弾を炸裂、セイバーは魔力放出を爆裂させ、ランサーから一気に距離を開ける。
一瞬何が起きたかわからない顔をするランサー。
だが、理由はすぐにわかる。
「穿て」
短い一言と同時、赤い閃光がランサーに迫る。
咄嗟に槍を構えるが、本能的に何かを悟ったか。
槍を引っ込めて、回避を始めた。
しかし、間に合うわけがなく、閃光がいくつか掠める。
それは鎧をすり抜けるように、ランサーにダメージを残す。
「!?」
(よしっ!ダメージは減るが、効き目はある!)
内心ほくそ笑みながら、俺たちは反撃を開始した。
いつも通りギリギリですね!
ネタを作って出直してきますーー!
また来週お会いしましょう!