どうやら英雄が逆行した模様です   作:もこりん

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読者の皆様、ありがとうございます。


第2話

ナルトは今、家路についていた。

 

 

あの組手の後、歩くのさえやっとであったナルトを見かねて、イルカ先生がナルトを木の葉病院まで運んだのだ。

その後の診察で異常が見つからなかったため、軽い脳震盪でも起こしたのだろうと判断され、入院もしなかった。

その頃になると、すでにナルトも持ち前の勘で問題なく歩けるようになっていた。

もっとも、まだ激しい動きや細かい動きはおぼつかないのだが。

 

ナルトは手詰まりを悟っていた。

無限月読が見せる幻術は対象者の望む世界になる。

さらに、幻術にかかった本人でさえそのことに気が付かないのだ。

このことは、実際に無限月読にかかった何万人もの証言で明らかにされている。

唯一、テンテンだけが始めのうちに違和感を覚えていたというが、その違和感もすぐに無くなったらしい。

 

限定月読にしても、ある程度は自らの望みが反映されていた。

これはナルト自身が体験したのだから間違いはない。

 

だが、この世界はどうだろう。

果たして自らの望みが反映されているだろうか。

今の所、自らの過去となんら変わりがない。

里の皆の反応からして、恐らく両親は生きていないだろう。

バタフライエフェクトなんていう言葉があるが、ほんの小さな歪みで未来など大きく変わるものだ。

限定月読ではカバーしきれないほどに複雑なのだ。

無限月読だって歪みに耐えられるだけで、歪みは存在していただろう。

 

現状ではそんな歪みが未だに全く見て取れない。

それは、無限月読を超える所業である。

それこそ、本当に過去に戻ってしまったと考えた方が納得がいく。

 

ナルトはそんなことを考えながら歩いていた。

現状何もできない以上、出来る限り自然な状態を保つことが最優先だ。

そして、この場合の自然な状態とは自らの過去と全く同じということだ。

 

あるいは歪みを大きくすればこの世界は破れるかもしれないが、いきなりそんな賭けに出るほど今のナルトは能無しではなかった。

 

 

家にたどり着くと、ナルトは急に感慨を覚えた。

たとえ紛い物だとしても、記憶と同じこの部屋は懐かしいものであった。

火影になってからは、さすがにあのぼろアパートに住むわけにはいかなかったのだ。

 

そんな感情もひとまず脇に置いておき、九喇嘛との意思疎通を図る。

少なくとも限定月読では九喇嘛も一緒についてきていた。

しかし、この異常事態の中で全く音沙汰のない九喇嘛が一緒についてきているとは考えにくかった。

案の定、九喇嘛の応答はない。

 

仕方なく、ナルトは自らの精神世界に入っていった。




ひとまず1000文字投稿します。
本格的な更新はもう少し先になりそうです。

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