優しい力を持った少年と現代入りした吹雪と金剛の奇妙な話し 作:剣崎 誠
「ふむ……ゼウスの言ってた事は本当だったようだな。ここまで大きい門だったとは思わなかったな」
時刻は深夜1時を回っていたため辺りは真っ暗闇だ。しかしそれに反して目の前には30㍍ほどの巨大な白黒の門があった。
「翔太坊ちゃま……これが…
「ああ、そうだ。ゼウスが言っていた通りなら今日から
そしてついに奴らは現れた。その姿は美しくも儚い、そう思わせる美貌、美しさだった。がその反面背や腕には物騒な銃器や砲台があり目は怨念や殺意で満ちていた。そう彼女らの名は深海棲艦。戦艦、ル級タ級。
「セバス、幽波紋を出せ、深夜を回っているが時間が時間だ直ぐ終わらせるぞ」
「言われずとも………キングクリムゾンッ!」
「フ、そうか。スタープラチナッ!」
2人は同時に駆け出したと思えば翔太のスタープラチナの拳は既に3㍍は離れているタ級の顔面を捉えておりセバスと呼ばれた黒スーツの執事の幽波紋、キングクリムゾンの拳もル級の腹を捉えていた。
「「沈め」」
次の瞬間ボンッ!!となにかに穴が開いたような音が鳴り響き同時にバキッ!!と骨が折れるような音が鳴り響いた。
「脆いですね?」
「ああ、戦艦の割に脆いな」
そしてル級、タ級は光となり消えた。2人は幽波紋を引っ込めると電話の音があたりに鳴り響き翔太は険しい顔になる。
「坊ちゃま……電話ですよ?」
「………分かっている。……もしもし……ああ、分かっている今○○町の一つ目の人創門を見つけた所だ。ああ二つ目はこれから探し出す……なんだと?…………が?……なるほど分かった」
そこは街の端にある海岸。そして海岸には露出の高いセーターのようなものを着た女性、いや
「あれは……
「いや、たしかに見た目、つのはそうだが正しくは
と議論していると少しグロテスクな白い玉のような生物が数十体現れた。
「まぁどっちでもいいですけどね。キングクリムゾンッ!!」
「だな。スタープラチナッ!!」
2人は議論をやめそれぞれ幽波紋を出し構える。構えた2人はそれぞれの幽波紋の脚力を利用し空中に居る白い玉を次々にそして一瞬にして幽波紋の拳で破壊した。しかし倒しても次々湧いてくるため切りがない。
「………フ…」
とうとう白い玉は数十体で攻撃をセバスにしかけたが
「!?」
そこにはセバスに攻撃が当たらなかったという
「流石姫と言った所か、セバスにキングクリムゾンの能力を使わせるとはな」
「とは言っても私は何時も能力を使ってますがね?それにエピタフで先のことはだいたい分かりますし」
「だが数秒先の事だけだろう?」
「坊ちゃまはたまに意地悪ですよね」
「そうか?」
2人は話しながらも迫り来る白い玉達を破壊していく。だがしかし港湾棲姫はキングクリムゾンの能力に一瞬驚きつつも一切焦りはしていなかった。
「フム……これでは拉致が開かないのでこいつらの始末は私がやります。ので…」
「スタープラチナ・ザワールドッ!!」
セバスの言葉を遮り翔太はそう叫び……
「時は動き出す」
時は動き出した。
「!?………」ニヤリ
港湾棲姫は一瞬驚きを見せた…が直後ニヤリと笑った。だがそんなこと関係なく翔太はスタープラチナの拳を港湾棲姫に浴びせた。
「オラァ!!」
しかし……
「……なるほど、たかが艦載機やル級、タ級の戦艦達とは硬さ、強さは桁が違いという訳か」
スタープラチナの拳は港湾棲姫の拳に止められ鍔迫り合いのような状態になっていた。スタープラチナの拳は基本まるで時が止まっているかと錯覚させるほどのスピードとパワーなためやりあうならよほどの硬さと同等なパワーとスピードがいる。つまり港湾棲姫本体もスタープラチナと同等のパワーとスピードがあると言うことだ。だが
「まさかこれがスタープラチナの全力だとでも?」
先ほどのスタープラチナのスピード、パワーとは打って変わって
「オラァ!!」
スタープラチナの本気の拳にガードを完全に崩された港湾棲姫はもうニヤリとは笑っておらず反対に絶望的な表情が浮かび上がっていた。スタープラチナの、翔太、侮っていた。動揺した。
「フ、動揺しているな?」
翔太が港湾棲姫にそう呟いた瞬間スタープラチナのラッシュが勢いよく当たる。
「オォオオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラオラ」
スタープラチナの光速の拳に当たる度骨は砕け散り歪み血が吹き出す。そして
「オオオオォオラァァァアアアアッ!!」
最後の重い一撃を喰らった港湾棲姫は血を流しながら吹っ飛んでいった。
「終わりましたか…坊ちゃま」
「あぁ」
セバスの後ろには大量な死骸があった。恐らく100機を超えるだろ数の白い玉達の死骸があった。
「それにしても流石姫級と言ったところか、かなり苦戦したな」
「苦戦というより手間が掛かったと言ったほうが正しいでしょう?」
「ふむ……さて一旦帰るとするぞ。明日は学校だ」
「今更じゃあないですか?今は既に深夜2時を回っていますよ?」
「………とにかく帰るぞ」
「えぇ承知いたしました」
そういって彼らは夜闇に紛れ消えっていった。
END