正直年が明けるまでには投稿したかったです。
年は明けましたが、これからも頑張って投稿しようと思うので見てもらえると嬉しいです。
それでは後編です!
どうぞ見ていってください!
「よし、頑張りますか!」
と、頑張ろうとしてた時期が俺にもありました。
いや、一時間くらい前なんだけどね。
でもさ、
「量が多すぎません!?」
今俺は、死んだ人たちをそれぞれ罪の重い者と罪の軽い者とに分ける仕事をやっている。
地獄では罪の大きさを一から十の大きさで分けているらしく、
五より上に行くと確実に地獄行きで、上に行くほど地獄での罰は重くなっていくそうだ。
しかし、そんな地獄行きの奴らでも生きている間にした善行によっては、罰は軽くなるんだと。
それで、判決を出すのをスムーズにする為にこうやって罪の大きさによってわけているらしいのだが、その量が多すぎる!
一時間やって二割終わらないとかバカじゃねぇの!?
「心先輩、この量おかしくないですかね!?俺、分けてるだけなのに二割終わらないんですけど!?」
「今日はまだ少ないほうですよ?まぁ、いつもは閻魔様と私で手分けしてやってるので、一人だと大変かもしれませんが頑張って下さい」
「ふざけんなよ!この量一人は流石にきついぞ!」
「敬語を使えって言ってんだろ!……おほん。それより、そろそろ一時間経つので閻魔様を起こしてきましょうかね」
「……」
そういえば一時間経ったら起こしてくれってあいつ言ってたな。
「……心先輩、そっちあとどの位で終わります?」
「ん?そうですね。あと三十分位でしょうか。それがどうか......あぁ、そういう事ですか。分かりました」
こんな時心読めると時間無駄にしないで済むから良いな。
「それじゃあ早く終わらせてこっち、手伝ってくださいね?」
「えぇ、それでは集中してやるので時計なんて見ている場合ではありませんね」
「はい。これで一時間じゃなくて二時間経っていても、仕事を真面目にやってただけなんで仕方ないですよね」
そう、仕方ない。仕方ないったら仕方ない。だって真面目にやってただけなんだからね。
「悪そうな笑み浮かべてますね」
「……先輩も似たような顔してますよ、多分」
「おっと、それはいけない。それよりも、さっさとやってしまいましょう」
「そうですね」
さてと、あと一時間で半分は終わらせたいな。そろそろ慣れるし、ちょっと本気でやろう。
「あとちょっとだけ、頑張りますか」
あれからどれだけ経ったのか、俺にもよく分からない。
途中で心先輩も手伝ってくれて意外にもあと二十分ほど残して終わってしまった。
そんなわけで、残りの時間で他の仕事に手をつけたりしてたんだが、
「それでいつの間にか私を起こす事も、昼食を食べる事も忘れるほどに仕事に集中してしまっていたと?へぇ。ほぉ。ふーん」
そんなわけで今、絶賛正座中です。もちろん心先輩も一緒です。
「いや、わざとじゃないんですよ?いつの間にか午後の二時になってて、閻魔……様が執務室の扉を思いっきり開けて入ってきた時は本当にびっくりしましたもん」
「しましたもん、じゃないんですよ!私だって起きたら昼過ぎで、しかももう午後の二時になるって分かった時はびっくりしましたよ!?どうするんですか!?仕事終わりませんよ!?」
あぁ、だからこいつこんなに焦ってるのか。
同じ事を思ったのか心先輩は閻魔に残りの仕事について話し始めた。
「それならば大丈夫ですよ。あとは閻魔様が見れば良い仕事が少しと、昨日時間がなくて判決を言い渡す事のできなかった者数人に判決を言い渡すのみです。それにその数人は皆地獄行きなので、一緒に終わらせれば良いでしょう」
「……え?あとの仕事は?」
「私と空で終わらせましたよ」
「……嘘でしょう?」
おいおい、すごい驚いた顔してるな。ここまでとは正直思ってなかったぞ。
まぁ普段閻魔と心先輩の二人でやって、なんとか一日で終わるかどうかって心先輩仕事中に言ってたからな。それが半日と少しで終わっちまってるんだからそりゃあ驚くか。
ちょっと嬉しかったからドヤ顔をしてみる。
あ、ちょっとイラっとした顔した。
「……へぇ、そうですか。なら明日からもっと仕事を増やしても大丈夫そうですね。それは良かった」
「えっ!」
待って!それはちょっとしんどいぞ!ただでさえ今日結構頑張ってやって半日かかってるんですけど!?
「……いやぁ、それはちょっときついですよ?」
「大丈夫ですよ!あなたならやれます!私は信じてます!」
だったらそんな笑い隠したような顔で言ってんじゃねぇよ!
「嘘つけ!そんな嘘丸出しの顔で言っても説得力皆無だわ!」
「なによ!別に多少辛くなるだけでしょ!?それ位で文句言ってんじゃないわよ!」
「これ以上増やされたらたまったもんじゃねぇんだよ!こっちの事も考えろ!過労死するぞ!?」
「はっ、残念でした!もうあなたは死んでるから過労死なんてしませーん!もう一度言ってあげる!ざーんーねーんーでーしーたー!」
「上等だ、その喧嘩買ってやるよぉ!表出ろ、クソチビ!」
「やってやろうじゃない!このボケナス!」
そして俺と閻魔が本当に喧嘩をしようとした時、その声は突然響いた。
「お前ら良い加減にしろ!!」
「「!?」」
声のする方を見てみると、心先輩が顔に青筋を浮かべていた。
「なんでいつの間にかお前らの喧嘩になってんだ!どうでも良いことで喧嘩してんじゃねぇよ!」
「いや、でもこいつが……」
「お前は閻魔だろ!いちいちそんな事で喧嘩ふっかけてんじゃねぇよ!」
「……はい」
うわぁ、凄え。心先輩、閻魔を黙らせちゃったよ。
「空、お前は何か言うことあるか?」
「……いえ、今回は俺が少し悪かったです。すみません」
あっても怖くて言えません。
まぁ俺が閻魔にドヤ顔をしたのが悪かったからな。
俺のその言葉を聞いて落ち着いたのか心先輩は、ため息を吐いた後いつもの喋り方で話し始めた。
「はぁ、空の方が多少は冷静なようですね。ですが閻魔様も悪いんですからね?反省してください」
「……まぁ確かに私も少し悪かったですね。すみませんでした」
「いや、こっちの方こそすみませんでした」
……こいつちゃんと謝れるんだな。ちょっと見直したわ。
互いに謝った後閻魔が時計を見ながらこう言った。
「それじゃあ、あなたの今日の仕事は終わりです。もう部屋に戻って良いですよ。後は私がやる事だけなので」
「そうですか。分かりました。明日はどのくらいにくれば良いですか?」
「……それなら明日も心が迎えに行くので待っていてください。良いですね、心?」
「……はい、分かりました。では明日も今日と同じ頃に迎えに行きますね」
?道ならもう覚えたんだけどな。まぁ向こうがそう言ってるんだしお言葉に甘えるとするか。
「そういう事なら分かりました。それじゃあお疲れ様でした」
「はい、お疲れ様でした」
「お疲れ様でした。明日もお願いしますね」
そう言って俺は執務室を出て行った。
そして自分の部屋に帰ってくると、仕事の疲れからか眠くなったのでベットに横になった。
それにしても初めての仕事だったのに相当辛かったな。こんな感じでこれからもやるってなると俺、体もつのかな?
いや、それより寝よう。もう疲れた。
はぁ、仕事辛い。
誤字・脱字、感想・アドバイスなど待ってます。
今回も読んでいただき、ありがとうございました!