すみません!ゲームのイベントや、学校でいろいろあって投稿が一週間くらい空いてしまいました。
次はもう少し早く投稿したいです。
今回は前編、後編に分かれてます。
それでは、どうぞ。見ていって下さい。
夢を見た。
まだ魔王軍にいなかった頃、一回目の人生の夢を。
あの忌まわしい人生の夢を。
『……うわ、またあいつ来てるよ』
……来てちゃ悪いのか?
『……さっさといなくなんねぇかな、あいつ』
……なんで俺がいなくならないといけないんだよ?
『……よく平気な顔して学校これるよね。何も感じないのかな?』
……平気な顔だと?……何も感じないだと?
……俺がどれだけ
『お前らが!お前らのせいであいつは、ーーは!!お前らこそなんで!?なんでそんな普通に生活できんだよ!?』
俺がそう言うとあいつらは悲しそうな顔を作り、気持ち悪い嘘をつく。
『私達だって悲しいよ!悲しく無いわけ無いじゃん!』
……ふざけるな。
本当に悲しいと思ってる奴がその事をネタに話をするか?
次の日から平然としていられるのか?
そんな作られたような悲しそうな顔をするのか?
そんな顔でその言葉を言うのかよ?
気持ち悪い。気持ち悪い。気持ち悪い。
……だから俺は、嘘が嫌いだ。
……だから俺は、平気で嘘をつく人が、大嫌いだ。
そこで目が覚める。
はぁ、嫌な夢見たな。最近は見なかったのに、なんでまた突然?
俺がそう思っていると部屋の扉が叩かれた。
「起きていますか?心です。入りますよ?」
「ああ、起きてます。入っていいですよ」
心が丁寧に話してきたので俺も一応敬語で話す。
……やっぱりギャップがあるな。あいつの本当の喋り方があれなもんだから。
「今日から私、正式に仕事の上司なんですけど?何早速失礼なこと考えてるんですか、あなた?」
すみません。謝りますから笑顔で言わないでください。
目が笑ってないし、丁寧に話してるのがより怖く感じますから。
「はぁ。まぁいいです。それよりも、これから仕事なのでついてきてください」
今日から仕事か。頑張らないとな。
「はい、分かりました」
そう言って俺は心の後をついて行く。
「そういえばこれからどこに行くんですか?」
「閻魔様の所に。これからは閻魔様がいる執務室が私達の仕事場です。 ですのであなたの部屋から執務室までの道は覚えておいてくださいね」
まぁ、護衛兼秘書官だとか言ってたからそうなるよな。
「それなら大丈夫です。記憶力には自信あるので」
「そうですか。それと、仕事中は閻魔様にも敬語を使って下さいね。昨日のような喋り方ではダメですからね?お願いしますよ?」
「分かってますよ。俺もそこまで馬鹿じゃありません。大丈夫です」
うん、大丈夫なはず。おそらく、多分。
「なんかすごい不安なんですが、まぁいいです。それと、私にも仕事中は二人だけの時でも敬語で話して下さい。そこはしっかりするべきなので」
「そこは絶対大丈夫です」
「お、おう。即答ですか。閻魔様の事でもそうだと良かったんですが」
いや、あいつはなんだか上司と思えないんですよ。
「はぁ。まったく。おっと、着きましたよ」
そうこうしている間に執務室の前に着いたらしい。まぁ、できるだけ敬語にするように心掛けるようにしよう。
「閻魔様、心です。空を連れてきました。入りますよ」
そう言って心はドアの取っ手に手をかける。
よし、今日から頑張るぞ。
そう心に決めて執務室に入っていく。
そこに居たのは……
目の下に隈を作り、生気の抜けた顔をした
正直、見た目十七歳くらいの女がして良い顔ではない。
もっと言うとゾンビみたいでちょっと怖い。
「……何これ?どうなってんの?上司が早速死にそうなんだけど?」
「……ちょっと、来て早速その態度は何よ?じゃなくて、何ですか?」
「……早速、自分の作ったキャラすら維持出来てねぇじゃねぇかよ」
キャラも維持出来てないって相当やばいんじゃないか?
どうなってるのか心に聞こうと目を向けると、心は頭を抱えていた。
「閻魔様、また寝ずに、今日判決を下す事になっている魂たちの人生を見ていたんですか?そんな事をしていればあなたの体がもちませんよ?」
「……ですが、間違って落としてはいけないですし、その人の人生の中には刑を軽くできる事があるかもしれませんし」
はぁ、それでお前が動けなくなってちゃ意味ねぇだろ。
「それで?心先輩、どうするんです?見た所、閻魔様は休ませないとまずいレベルでやばそうですけど?」
「そうですね……閻魔様は少しお休みになって下さい。仕事は私たちがやっておくので」
「……え?だ、だめです!私しか出来ないことだってあるのに休んでいられません!」
「……それじゃあ俺はどうします?」
「最初に、やってもらいたい事を簡単に教えるので、その後は教えた事を守って仕事に当たってください」
「……ま、待って!私もやります!まだ出来ますから!」
……まだ言うか、このバカ。
仕方ない。ここは正直に言って下がらせるか。
「閻魔様、正直に言って今のあなたは、多分今日から仕事を始める俺よりも使えないです」
「……なっ!あなた、私に向かってなんて口を!」
「だったら、一時間でも、二時間でもしっかり寝てから仕事に入ってください。そっちの方が仕事が終わるのも早くなるので」
「……そ、それは。確かにそうかもしれませんが」
「はぁ、閻魔様は俺たちを苦しませたいんですか?俺たちは早く仕事を終わらせたいんです。その為にあなたは寝てきてください」
「……はい。そういう事なら、分かりました。心、少し寝てくるので、一時間ほどしたら起こしてください」
「はい、分かりました。ゆっくりお休みください」
「……それでは、少し、寝て、来ます」
そう言って閻魔は少しふらつきながら執務室を出て行った。
「ありがとうございます、空。ああ言ってくれなかったら閻魔様は、そのまま仕事をしていたかもしれません。いや、してましたね」
「確定ですか。別に良いですよ、あれも俺の本心ですし」
「……そうですか」
「そうですよ」
実際、早く終わらせたいし。
「それより、早く仕事を始めましょうよ。俺は何します?」
そうですね、ではーー」
そんなわけで、俺の初仕事はいきなり大変な事になってきちまったんだが、まぁあの閻魔が起きるまでに、半分くらい終わらせる事ができれば良いんだけどな。
「よし、頑張りますか!」
誤字・脱字や、感想・アドバイス待ってます。
それではまた次回です!