二回死んだ俺は閻魔の部下になった   作:鬱ケロ

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こんにちは、鬱ケロです。

皆さん、この作品のお気に入りの所に数字が付いてたんです!
始めた時不安だったので凄い嬉しかったです!
お気に入りにしてくれた方、ありがとうございます!

それでは3話目です、どうぞ!


部下として働く前に

「では、今日のところはこちらでお休みください」

「あ、はい。わかりました」

 

 はぁ、何やってんだ俺?

 結局あの後すぐに、あの閻魔が仕事に戻っちまったもんだからまともに話す事ができなかった。

 一応俺の案内役に閻魔の隣に立ってた男を選んだのは、他の奴だと俺を襲いに来るからだろうな。俺もあいつらが襲って来たら、加減間違えて殺しちまいそうだからあいつの配慮には感謝だな。

 それにしても、この人カッコ良いな。黒髪、黒目なのに、ここまでカッコよくなるものか?俺も黒髪、黒目だけどこんなにカッコよくないぞ。……止めよう。悲しくなってきた。

 

「おや?さきほど閻魔様と話していた時のように話してくれて構わないんですよ?」

「……いや、一応あいつの部下になったんで、先輩には敬語の方が良いかと思いまして」

「ほう。それは良い心掛けですね。それに部下になることを認めてくださいましたか。もう少し反発するかと思っていましたよ」

「まぁ自分の存在が消えて無くなるよりはマシなので」

 

 それになんだかあの閻魔の事、ほっとけないんだよな。

 

「ふふ、……それは良かった」

「ん?何か言いましたか?」

「いえ、何も」

 

 あれ?何か言ったような気がしたんだけどな。

 

「そんな事よりこれから少し話をしませんか?私もこの後特にやる事もないので」

「いやでも、貴方あいつの護衛じゃないんですか?だったらあいつの近くにいないとダメでしょう?」

「彼女から休んで良いと言われてしまったので。これで彼女の近くにいたら逆に怒られますよ。ですから、今の内に聞いておける事は聞いておこうと思いまして」

 

 それで良いなら別に良いけど。

 あ、でもさっきから気になってる事だけ言っておくか。

 

「それなら良いですけど、だったらその、わざと丁寧に話してる様な話し方、止めてもらえます?さっきの閻魔様も周りのうるさかった鬼たちもそうでしたけど、なんだかそうやって話す奴多いですよね?正直聞いてて気持ち悪いんで」

 

 魔王軍にいた最初の頃も、一回目の人生の時もそうだったけど、どこいってもこんな感じなんだな。どれだけ経ってもやっぱり慣れないわ。

 

「へぇ。じゃあ二人しかいない時だけは、こっちで話す事にするわ」

「……」

「?どうした?」

「いや、さっきまで丁寧な喋り方だったんで違和感が凄くて」

「……お前が言った事だろうが」

 

 いや、ギャップみたいなものが凄くて。

 でもやっぱりこっちのほうが良いな。本心で話しをしてるって感じがするし。

 

「だったらお前もさっきみたいに話せよ。お前がそれじゃあ、お前の思ってる本心で話してるって事になんねえだろ」

「それもそうですね。じゃなくて、それもそうだな。じゃあいつも通り話す事にするよ。……ん?」

 

 あれ?どうして心で思った事がばれてるんだ?声には出してないはずなんだけど。

 

「ああ、それは俺が相手の心を読めるからだよ」

「!!……あんた、もしかして覚なのか?」

「ああ、そうだ。驚いたか?」

「そりゃ、覚とか初めて見たし」

 

 覚って本当にいたんだな。いやー、一回覚と話してみたかったんだよな。願い叶って嬉しいわ。あれ?これもわかるのか?

 

「ああ。もちろん分かるぞ。そういえば、さっきはカッコ良いとか思ってくれてありがとよ。でもお前も中々良い方だと思うけどな」

「うわ、さっきのもかよ。恥ずかしいな、おい」

「そんなんでもないだろう。それよりお前は心を読まれるのが嫌じゃないのか?」

「ん?まぁ、俺も似たような事魔法で出来るし。昔はよくやられたからな。今はもう慣れたよ」

 

 魔王軍にいた頃に、相手の考えている事がわかるようになるっていう魔法使ってからかってきた奴いたから耐性ついたし。……あいつら元気かな?

 

「……そうか。それより、いきなりしんみりした空気出すなよ。こっちも悲しくなってきちゃうじゃねえか」

「あ、悪い」

「まあいい。それより、時間も無いんだ。話をしよう」

「覚だったら話す必要も無いだろ?」

「いや、心の中で思う事と実際に言葉にする事は重みが違うんだよ」

 

 重みが違う?

 

「ああ。例えば、心の中でどれだけ相手を想っていても、言葉にしないと相手にはその想いの大きさ、強さは分からない、みたいな感じだ」

「うーん?なんとなく分かるような気はする」

「今はそれで良い。勿論、話してる間は心を読まない。というか、俺自身普段は相手の心は読まないようにしてるんだよ。相手の心を読んでて良い気持ちはあまり無いしな」

「そっか、分かった。じゃあ何から話す?」

 

 とは言っても特に話す事は無いと思うけど、何を話したいんだこの人?

 

「お前は彼女の、閻魔の事をどう思う?」

「?いや、可愛いと思うぞ?白くて長い髪とか、紅色の瞳とか綺麗だと思うし。スタイルだってだいぶ良いと思うけど。正直俺の好みどストレートなんだけど。え?なに?聞きたいのって俺の好みなの?」

「違うわ!お前の好みとか心底どうでもいいわ!そうじゃなくて、彼女が閻魔をやっている事をどう思うって事だよ」

「ああ、そういう事ね」

 

 どう思う、ねぇ。

 

「正直言って、なんであんな若い奴が閻魔やってんだって思ったよ。女って事はまぁ置いておくとしても、あんな若い奴に普通やらせる事か?辛すぎるだろ、人の死んだ後を決めるこの仕事。あいつは頑張ってんだと思うけど、悪いがあいつには早すぎると思った」

「……そうだよな。早すぎるよな」

「まぁ、何か訳があるんだとは思うけどな」

 

 そうじゃなかったらあいつにこんな仕事をやらせてる奴を一発殴る。

 

「……今は、詳しい事を言う事は出来ない。でも、彼女しかこの仕事をやることができなかったんだ」

 

 ……まぁよくわからんが、そういうもんだと今は割り切るしかなさそうだな。

 

「だから、お前に頼みがあるんだ。あの時、彼女が辛そうにしていた事が分かったお前にしか頼めない事なんだよ」

「?俺にしかできない頼みってなんだよ?」

「彼女を支えてやってほしい。彼女はなんでも一人で抱え込んでしまう。こっちが大丈夫か聞くと、彼女はいつも笑顔で大丈夫と言うんだ。そんな彼女を見るのはもう嫌なんだ。だから、あいつを支えてやってくれ。頼む」

「……俺じゃなくて、あんたが支えてやればいいだろ」

「……俺じゃあ彼女の辛さを全て理解してやる事は出来ないんだ。だから、頼むよ」

 

 ……そんな真剣な顔で、頭まで下げて頼まれたら断れねえだろうがよ。

 

「分かった。俺にできる事だったらやってやるよ。でも、あんまり期待しないでくれよ?」

「それでも十分だ。……ありがとう」

「ああ、もう。この話はもう終わり!湿っぽいのは嫌いなんだよ。他に聞きたい事は!?」

「いや、今の言葉を聞ければ十分だ。そろそろ時間だし仕事に戻るとするよ」

「あっそ。じゃあ仕事、頑張ってな。明日からよろしく、……えっと」

「?ああ、そうか。俺の名前は、心。心と書いてシンだよ」

「そうか。じゃあよろしく、心先輩?」

「……ああ、よろしくな。空」

 

 そして彼、心は仕事に戻っていった

 ……なんだか仕事始める前に結構大切な約束しちまったな。

 まぁ約束しちまったし、できる事だけでもやっていくとするかな。

 なんかこの短時間で凄い疲れたな。もう寝よう。

 それでは、皆さんお休みなさい。

 

 

 

 

 

 ……誰に言ってんだろ、俺?

 




うまく書けるように頑張っていきたいです。

誤字・脱字、
感想など待ってます。
それでは、また次回も読んでもらえると嬉しいです。
ありがとうございました。

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