自分の学校は夏休みに入りました。やったね!
まぁ、自分は最初の数日間補習で潰れちゃうんですけどね!……はぁ。
それでは三週間ぶりの投稿ですが、よろしくお願いします!
あれから急いで村に向かった俺達。
どんどんと風が強くなっていく中、俺達は村まで頑張って走った。
……走ったんだよ?
でも濡れずに済むような事はなく、びしょ濡れになりました。
いやね、頑張って走ったんだよ?なんだったら、頑張りすぎて案内役の男を抜くまである。
でもさ、急いだ途端雨が降り始めて、しかもポツポツとじゃなくて、いきなりザァー!!だよ!?
なんなんだよ!?荷物濡れちまったよ!神はそんなに俺が嫌いか?嫌いなのか!?
ちょっと前に神に対して殺気出したのがまずかったのか!?
後悔はするけど反省はしないぞ!
「……えっと、空、大丈夫?」
「……ごめん。ちょっとイライラしてただけだから。
……お願い、忘れて」
羞恥心から俺は焔から顔を背けそう言った。
あの後、俺達がびしょ濡れになりながら村に着くと、それを見た村の人達は慌てた様子で急いで建物の中に入れてくれた。ちなみにその時はいきなりの雨により怒りは三十パーセントくらい。
そして建物の中で荷物を確認すると、まぁ当前だが荷物は濡れていた。……ここで七十パーセント。……俺の服が。
そしてダメ押し。
それはある村人が外を見ながら俺達に言ってきた言葉が原因だった。
「……うわー。この雨って天界にいる神様が気まぐれで降らせるやつだよ。
しかも今回は珍しく大雨で長いし、あなた達ついてないね」
だそうです。
…………百パーセント。はは、軽く殺意が湧きますね(笑)
そしてさっきのような事を言ってしまった。
それを聞いていた村人の何人かは何故か俺に頭を下げていたし、怯えている人も数人いた。……怯えているのは俺が軽く殺気を出していたからですね。すみません。
そして落ち着いてから軽く羞恥心と自己嫌悪に陥って今に至る訳だ。
「あの、本当にすみません。見苦しい所を見せてしまって」
俺は一度深呼吸をして落ち着くと、村の人達の方を見て謝った。
すると村人の中から一人の青年が前に出てきた。
「気にしないでください。あなた達には村の仲間を助けていただいた恩がありますから」
そう言って青年は此方に笑いかけた。
「ありがとうございます。あの、貴方は?」
「あぁ、すみません。僕はこの村で村長をしています、ソータと言います」
「えっ!?」
彼の言葉を聞いた俺は驚いてついそんな声を上げていた。
見た感じ彼はまだ若い。高校生と言われれば信じてしまうくらいに若い。いや、実際高校生くらいの年なのかもしれない。
そんな人が既に村長をしているなんて余程人が居ないのか、もしくは大人達が駄目人間すぎるかのどちらかだろう。
焔も驚いたような顔をしている。
そんちょうとなのった彼はそんな俺達を見て苦笑いを浮かべた。
「やっぱり驚いちゃいますよね。僕自身自覚はあるんです。あんまり村長らしくないって事は」
「そ、そんな事ないですよ!話していてすごくしっかりした方だなって思いますし!な!?お前もそう思うよな!?」
「そ、そうですよ!私より礼儀正しいですよ!……それに比べたら私なんて全然で……はは」
「なんでお前が暗くなってんだよ!?」
おい、村長の事をフォローしようとしたら焔が暗くなり始めたんだけど!?
村長も何故か暗くなってきたし、この空間空気が重すぎるよ!
この空気をどうにかしようと考えていると、村長の後ろにいた女の人が村長に声をかけた。
「ソータ君、そろそろ」
「あ、あぁ。悪い。
すみません。自分を卑下してしまうのは僕の悪い癖でして」
「あ、いえ。こちらこそすみません。ほら、焔も」
「ご、ごめんなさい」
そう言って俺達は互いに頭を下げた。……いや、全面的に俺たちが悪いんだけどな。
そう思っていると村長は真剣な顔でこちらを見てきた。
「改めて、村の者を救ってくださりありがとうございました。
ですが、僕達の村は魔獣などの被害により物資が乏しく、お二人に渡すことの出来る品があまり無いのです。本当に、申し訳ありません」
そう言って村長は俺達に頭を下げた。
その行為に焔は慌てて声を出した。
「あ、頭を上げてください。私達が好きでやった事ですし。お礼なんていりませんよ」
そう言うと村長は頭を上げてこちらを見た。
「で、ですが」
「そいつの言う通りです。こっちが勝手にやった事なので気にしないでください」
事実あれは俺達が、いや、俺が勝手にやってしまった事だ。その事で巻き込んでしまった焔が良いと言うのなら、俺がどうこう言う事じゃあない。
俺がそう言うと村長は納得してはいないようだが、渋々頷いた。
「……わかりました。お二人がそう言うのであればそうします。
ですがせめて、今日はこの村に泊まっていかれてはいかがでしょうか?外は生憎とあの様な天気ですし、僕達もほんの少しでも恩を返したいのです」
「え?いや、でも、私達もやる事があるので」
村長の突然の提案に焔は驚きながらそう言った。
「ですが外はあの雨です。明日雨が止んでから出ても良いのでは?」
「そ、それは……」
そう言われて焔は困った顔をする。
村長の言っている事は間違ってはいない。外を見てみると雨は先程よりも強くなっているし、雷の音も聞こえる。確かにここに泊まった方が良いのかもしれない。
しかし、俺は何故か嫌な予感がした。
「……村長さん。すみませんが俺達には大事な用があるんです。ここで足を止めるわけにはいきません」
「ほんの一晩だけです。それに
「ですが……」
それは、俺の言葉に尚も食い下がろうとする村長に、更に声をかけようとした時だった。
「……わかりました」
その声を聞き俺と村長は声のした方を、焔の事を見た。
「ですが、一晩だけです。明日には魔猪に襲われていた彼等が目覚めていようといなかろうとこの村を出ます。それで良いですか?」
「……え、えぇ。勿論です。ありがとうございます」
「お、おい、焔」
「一晩だけだから。明日は必ず出るから」
「……わかったよ」
焔の俺を見る目は、もうなにを言われても絶対に意見を変えようとしない目だった。その事に気づき俺は説得を諦めた。
「それでは早速お部屋に案内しますので、付いてきてください」
焔の言葉を聞いた村長は早速、俺達を部屋に案内すると言ってきたのでその案内についていこうとした時だった。
『……助けて』
「え?」
突然の声に俺は足を止める。
その事を怪訝に思ったのか焔も足を止めて俺を見てきた。
「どうしたの、空?」
「今なにか聞こえなかったか?」
「?なにも聞こえなかったけど」
「いや、でも、確かに声が」
確かに聞こえたはずなんだ。小さい声だったけど、助けて、って。
俺達が足を止め話していると村長もこちらにやってきた。
「どうしました?」
「いえ、なんか空が」
「なんでもないです。手間を取らせてしまってすみません」
焔が村長に事情を説明しようとしたが、俺が途中で遮った。
何故だか、この事は村長に言っては駄目な事のような気がしたからだ。
村長は俺の言葉を聞き、そうですか、と言うと俺達の案内に戻っていった。
俺のその行為に焔はまた怪訝そうな顔をするので、村長や村の人達にさっきの事を言わないように釘を刺してから、俺達は村長の後をついていった。
感想・アドバイスがあればください。
それでは次回もよろしくお願いします!