今回はまぁ、タイトル通りです。
いつもより駄文ですが見てもらえると嬉しいです。
見ていってください!
それは宴会が始まって少し経った時だった。
「ねぇ、空。貴方の居た魔王軍はどんな所だったの?」
それまでは、他の鬼達と酒を飲みながら楽しそうに話をしていた焔だったが、桜の木の下で酒を飲んでいた俺の方を見るとふらっとこちらに来て突然そんなことを聞いてきた。
焔は普段そのような質問をしないので不思議に思ったが、焔の顔を見てその理由が分かった。
「……お前酔ってるだろ?」
「え〜?酔ってないよぉ。だって私お酒強いもん」
「……酔ってる奴は皆そう言うんだよ。それより離れろ、近い」
いつもより顔が赤くて、普段より笑っている奴が酔ってないなんて事はないだろう。
……それに、何だか妙に距離が近いし。俺だから良いけど他の奴だったらまずいことになる距離だ。
流石にまずいので俺は、焔に離れるように言った。
すると焔は、ムスッとした顔をした後、さらに近づいてきた。
「やだ。それよりも、どんな所だったの?」
そう言って俺を上目遣いで見てくる焔は、少し幼く見えた。
……何だろう。遠ざけようとするのが悪いことのように感じる。
俺は一度溜息を吐いた後、焔の質問に答えることにした。
「そうだな。正直あそこは想像と全然違う場所だったなぁ」
「どういうこと?」
俺の言葉に焔は首を傾げる。その様子を見て俺は苦笑する。
まぁ、確かにこんな説明じゃあ意味分かんないよな。
「あそこでは『人は一人も殺さない』が目標だったんだ。ほら、魔王軍らしくないだろ?」
「……確かに。それはらしくないね」
そう言って焔は苦笑いを浮かべる。
「あいつらは人に優しかったんだよ。でも、それまでのイメージが最悪だからさ、人にどうしても避けられちまうんだ。それで避けられた奴は悲しそうな顔して帰ってくんの。これがまた可哀想でさ」
その時のことを思い出し、俺は少し笑いそうになった。
その時、俺はある少女のことを思い出した。
「そういえば、少し珍しい子供がいたな」
「珍しい子供?」
「あぁ、魔王城の前で寝ていたところを保護したんだが、あいつらのことをあんまり怖がらなくてな。むしろ自分から俺たちと仲良くなろうとしてたみたいなんだ」
「へぇ、そんな子がいたんだ。確かに珍しいね。
ねぇその子のこと、もっと詳しく教えてよ」
そう言って焔は俺の話を聞く体制になる。
「はぁ?何でだよ?」
「その子のことが気になるのよ。
それに、空の昔の話とか聞きたかったし」
「……俺の昔の話聞いてどうすんだよ?」
そんな意味の無い事に時間を使うよりも、他の鬼と話をして親睦を深めた方がいいだろ?
そんなことを思っていると、話を近くで聞いていたらしく、心や桃花も近づいて来た。
「俺も気になるな、聞かせてくれよ」
「私も、少し気になる。さっさと聞かせて」
「聞くやつの態度じゃねぇ……」
桃花のやつ俺に対してだけ当たりが強いんだけど、俺何かしたっけ?
それより、この状況どうするかな?別に話すのは構わないんだが、つまらないと思うんだがな。
「別に話すのは構わないけど、面白い話でもないぞ?
何か特別なことをしたわけでもないし、俺は他の奴と違ってあんまりそいつと話さなかったしな」
実際、俺がそいつと話したのは、そいつの住んでる村に送りに行った時ぐらいだったしな。
「それでも良いよ。その時の事が気になるだけだし」
そう言って焔は聞く体制を崩さない。
……これはもう何を言ってもダメだな。そのことが分かった俺はもう一度溜息を吐いた。
「分かったよ。でもつまらなくても勘弁してくれよ?俺、そこまで話すのが得意ってわけじゃ無いからな」
俺のその言葉に三人は頷いた。
「それじゃあどこから話すかな。あれは確か、俺が魔王軍に入ってだいぶ経った頃だったかな?」
そう言って俺は、あの時のことを話し始めた。
続きもすぐ出そうと思います。
どうか次も見てください。
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