二回死んだ俺は閻魔の部下になった   作:鬱ケロ

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初めまして。鬱ケロです。
初投稿なので上手く書けてるかわかりませんが、読んでもらえると嬉しいです。
では、どうぞ。


火曜の閻魔
誰かの独白


  ーー俺は死んだ。

 十七歳の時だったよ。別にそこは良いんだ。いや、良くは無いんだろうけど。

 その後が酷かった。目を開く事ができたと思ったら、何故か化け物が周りにたくさんいたんだ。

 いや何言ってんのかわかんないと思うけど俺も良くわからん。でも何故かそうなってたんだよ。

 でも、見た目人っぽい奴が結構いたからまだよかったんだ。

 それで、その中で一番強そうな奴がさ、

 

  「貴様何者だ。この魔王の目の前に転移して来るとは、よほど死にたいらしいな」

 

 そう言ったんだよ。

 もうね、怖かった。凄い怖かった。雰囲気がもうヤバすぎて、恥とか全部捨てて命乞いをしたよ。

  それでさ、気付いたらここにいたこと話したら、周りの奴が凄い可哀想な奴を見るような目を向けてきたんだよ。

 中には近づいてきて、

 

「まだ若いんだしさ、良いことあるって。な?」

「大丈夫?どこか痛いところとか無い?」

「お腹空いてないか?飯食べようぜ。話はその後でも良いからさ」

 

  魔王って名乗った奴に関しては、

 

「こんな何も知らない子供を此処に送るとは、どれだけ神はふざけているのだ!!君、一緒に神を倒さないか!?」

 

 とか良くわかんないこと言ってきたんだよ。

 

  詳しく聞いてみるとなんでも、その世界には転生者っていうのが沢山いてそいつらと魔王の率いている魔王軍が日々戦っているらしい。

  でも魔王軍が倒したいのは傲慢な神で、人とは友好的でいたいんだとか。でも神が転生者に適当な事吹き込んで戦わせに来るからなかなか上手くいかないんだと。

  うん、どっちが神でどっちが悪魔だか分からなくなるわ。

  そんな事を教えてもらって、何もくれないし、話を聞かせもしない神に腹が立ったから魔王たちの手伝いをする事にした。

 

  最初は本当かどうか怪しかったけど、掲げてる目標が『人はひとりも殺さない』だったりして本当に一人も殺して無いし。(最初俺を脅したのは、そのまま逃げてくれる事を期待したそうだ)

  たまに死んだ奴も自分で勝手に自爆して死んでるだけだし。

  兵士たちは人間である俺にも魔法とか武器の使い方とか教えてくれたりしてさ。そんなこんなで一年くらいで皆と仲良くなってたよ。

  それで俺も頑張ってたら、いつの間にか魔王軍最強になってた。

  魔王の奴に模擬戦で勝った時の皆の喜びように涙が出てきたわ。

 

  そんなわけで楽しく日々を過ごしてたんだけど、今日でそれも終わりだ。何故かって?寿命だよ。この世界は不老にさせる魔法とか薬とかはあるけど、不死にさせるものは何も無かった。まぁ、なる気も無かったけどな。

  そんなわけで今俺の周りには魔王軍の仲間たちがいる。

 

  「隊長!死なないでくださいよ!」

  「貴方が死んでしまったら私達はどうすればいいんですか!?」

 

  どうすればって、魔王と一緒に神を倒せよ。お前達のリーダーはあいつだろうが。

  そう思っていると魔王が話しかけてきた。

 

  「我が友よ。最初はただの人間だったお前は、今では私達の大切な仲間だ。お前が死んだ後、絶対に神を倒す事を誓おう」

 

  こういう時だけ真面目に喋りやがって。

 俺にはもったい無い言葉だよ。ありがとな、親友。

  だんだん意識が薄れていく。あいつらの声が遠くなる。

  最初は散々だと思ったが、悪くない人生だったな。

  そこで俺の人生は終わった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  「罪人、空。貴方には地獄での一億年の労働を命じます。なお、その罰を終えたとしても貴方は輪廻天性の輪に入る事は出来ません。よろしいですね?では、以上です」

 

 ……ん?

 

「はぁ!?」

 

 なんでこうなった!?

 

 

 




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