オブジェクト・クロスロード   作:TeamOCR

7 / 15
※Chips回。


Acid cheat limbs moving tat then

 夜に解けるペンナの擬態、それは彼が隠していた事。悪魔の血統である彼は本来この学園に来てはいけない存在だった。しかし悪魔化が不完全であったため入学規制をすり抜け、結果としてフォーテルが名前を忘れた寮になったのである。他の兄弟は悪魔の血統を忌み嫌っているが、そのような個体は完全な悪魔になると意志が無くなり本能だけで動く怪物になってしまうと伝えられている。

 彼はそんな血統に誇りを持っていたが、生徒達にばれてはいけないと擬態魔法を使っている。しかしそれが夜に解けたとき、彼の姿は不完全な悪魔のそれに変わるのだ。それは彼も分かっていたのか、彼の日記にこういう記述があった。『俺は悪魔だが角のない系統だ。尻尾は有ったとしても悪魔のそれじゃない。その代わり、親が極度の廃人悪魔で高い個体値でない限り捨ててしまうんだ。幸い俺は捨てられなかった方だ、頼むから俺を夜に見ないでくれ』

 『悪魔になった半身の関節は急激に筋肉が発達して本来よりも太くなっている。爪と脚はドラゴンのようになり、背中には翼、腕には棘のように鋭いひれが生える。翼も小さい今の身体ではバランスを崩しかねない、早く悪魔の姿を完全な物にしてバランスを戻さなければ、でも悪魔化が進行するのは夜しかない・・・。』『俺が高い成績を出したのも血統によるもの。まだ完全体じゃないから公的に採用されてないが、ミドルネームを入れたらPenna=G=Lazloだ。ちなみに、俺の尊敬するリーク師はMeeter=AL=Treesterだ。』

 日記には学園での出来事も。『この学園では魔法も授業の1科目。特に対デーモンの魔法では俺が実験台になる事もしばしば。ただ彼らが真実を知らずに使っている魔法も中にはある。』『寮の日課になっている料理だが、夜はどうしてもあれのせいでうまく作れない。おまけに癖でブラインド使ったらその影のせいで皆が悲鳴を上げてしまうんだ。ひどい時には魔法を喰らってしまう。そういえば裏で悪魔の研究をしているという話もあったが、あれは本当か?』

 『なあ、悪魔がやるもっとも典型的で、それでいて現状もっとも成功している人間への最大の攻撃って何か、わかるか?・・・悪魔なんて、霊なんていない。そう思わせることだ。

ただこの世界に宗教概念はあるのかって言われたらそれは知らないけどな。だから大事なのは、霊の存在を否定することじゃない。いないから怖くない、じゃなくて、いるけど怖くない。悪魔に対する入学規制をなくしてほしい、それが俺の願いだ。』




 悪魔が何かを知らなかった先代が入学規制をかけ、二代目に引き継がれています。彼はそれを無くしたいようです。

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。