オブジェクト・クロスロード   作:TeamOCR

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※これは本編が始まる4月よりも前の話です。


前日譚2:事故に遭った少年の話。

 よっ、ストローだ。今ヴェータの中から発信しているが、何でもこの世界には擬人化度を変える道具があるらしい。何でそんなものを学園で作ったかっていうとそうしないと現実世界の人から見えなくなってしまうから、というのが一番だが見た目を変えて楽しむ事にも使われている。

①人語理解…感情描写

②感情表現…顔面パーツの獲得

③言葉の発信…一方のみか両方か

④動作…無機物・無生物なら自ら動作しているかどうか

⑤人間パーツの獲得…手足などの四肢パーツ、四足歩行動物が原型なら二足歩行化しているかなど

⑥衣装・装飾…着衣、アクセサリーなどの装飾品

⑦人間化…耳や尾などの原型パーツが残留していない

 具体的にはこういう事だ。それを思えば俺が事故で足を無くしたのがどれだけ辛いことか、分かってくるはずだ。俺が入学するまではそんな事無かったんだが・・・。「もっと気の毒な事を言えば、この事故が原因でSRS(生徒用リカバリーシステム)にも足がない状態で登録されてしまったのよね。」シャーベットお前・・・そうだな。この学園にはリカバリーシステムが生徒用と先生用で別々に存在するが、寮に入ってからリカバリーシステムに登録するまでの間に事故が起こってしまった。後はシャーベットの言った通りだ。「リカバリーで記憶がリセットされる事はないし、後で登録し直す事もできるから、足が戻ったら登録し直そうね!」あー・・・そうだな。

 そう言えばシャーベットの事言ってなかったな。あいつの両親はシャーベットキューブとダイス・・・いわゆるサイコロだ。溶けたり割れたりしてちょっとアレな体質だが、頭の賽の目は賽の目だけでなく矢印も出せるようになったんだ。一応俺やヴェータとは同年度といった所か。性別・・・多分女だと思うけどな・・・寮は・・・寮はどこだ?「・・・だよ。」ああ、そうか。言われてみればそこだったな。

 ちなみに、4つの寮それぞれにちょっとした日課がある。FL寮は植物を育てる事、大きい物だと寮の壁を覆う程なんだ。優しさと葉っぱを冠した寮だけあって植物に力を入れている。アメスティのいる寮は食いしん坊?のホストのために料理を作る事、おかげでその寮の人達のほとんどは料理が上手いそうだ。もちろんホスト以外の住人の食事もその寮の住人による自作。腕が無い奴でも料理を作れるというから俺は驚いてる。EC寮は寮のホールに集まる事、但しその先は作戦会議や動画撮影などさまざまだ。流石何かを楽しんでいる寮。で、俺達OJはセキュリティーチェック。能力事故のカバーのために他の寮の人達・・・とこの寮の赤青アシスタントはその間この寮を掃除させられる事もある。

 「それと、今ストローがヴェータって呼んでた僕は本当はヴェウタだけど、多分言いづらいからヴェータでも構わない。」とりあえず、このカメラは次の人に回そうか。じゃあな。




*ストロー(Straw)
事故で足を無くしたままリカバリーシステムに登録された。
そのせいでヴェウタ等何かに捕まってないと動けない。
フルスペルは
*ヴェウタ(Beuta/Veuta)
三角フラスコで、中にストローを差している。
本人曰わく「ヴェータでもいい」との事。
名前はイタリア語より。
*シャーベット(SharbetDice)
シャーベットキューブとダイスの間の子。
頭の賽の目は矢印も出せる。
この世界ではキメラオブジェクトは当たり前である。

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