オブジェクト・クロスロード   作:TeamOCR

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※これは本編が始まる4月よりも前の話です。


前日譚
前日譚1:私のきっかけは、いつだってルビーにある。


 遠い過去のような未来のような、みんなとは別次元のような時間軸、そこでは人でない物が人のように生活しています。植物を育てたり、山に登って景色を眺めたり、ペットを飼ったり、それから、学校に通ったり。私アメスティは通う学校をどっちにしようかまよっていたけど、この話は、私がオブジェクトセントラルに入るきっかけになった話。

 私は元々英語圏生まれの住人だったけど、片親が日本語圏だったから日本語圏にあって寮も完備のオブジェクトセントラルに推薦可能だったの。でももう片方の親はそれを許そうとしなくて、私をGem Schoolに入れようとしたの。そんな時、私を気にしていたルビーさんが私の事を思って家に電話をくれたのよ。でもすぐに切れたから親の居ない間に電話をかけかえして、何か有力な情報がないか聞いてみた。もちろんこの時はまだ英語圏だったから英語でね。「Ruby, Object Central and Gem School are in the recommended area, but I think if I could possibly have a school with you I thought it would be nice to call and I'm calling. Did you go to Ge...(ルビーさん、オブジェクトセントラルとGem Schoolが推薦可能領域に入っているけど、私はできれば貴方と一緒の学校がいいと思って電話してるの。ルビーさんはGem Schoolに通・・・)」「I didn't go to Gem School!」「Uh...okay.(あ・・・うん。)」結構有力な情報を手に入れた。ルビーさん、Gem Schoolに通ってなかったみたい。私の相談相手のローレンさんはオブジェクトセントラルを卒業しているから、やっぱり私に似合うのはそっちみたい。

 そして入寮当日。「・・・寮だな。うん、そこしかありえない。ローレンが卒業するまでBOTO寮と呼ばれていた所だし、本人の素質的にもそこが一番だからな。」私が入る事になったその寮は店のような形をしていて、雪玉のようなホストがもう待っていたの。「ふごふご・・・(確かにここだったよ、ローレンがいたのは。君の部屋はかつてローレンが入っていた所だから、鍵を受け取って。)」受け取った鍵は持ち手がスカーフの形をしていたの。もしかしなくてもこれはローレンさんね。「ローレンさん、わざわざ鍵を作り直したのね。」「ふごふご・・・(ああ、そうだよ。扉の鍵が錆びてしまったから、部活の一環として作り直してくれたんだ。)」「私もその部活に入ってみようかしら。ありがと、雪玉さん・・・じゃなくてスノードーさん」スノードーさんはこくりと頷いたわ。




*アメスティ(Amesty)
アメジストの女の子。紫外線を浴びると白くなる。
入学のきっかけはルビーの意外な?一言だった。
名前はAmethystを短くしたもの。
*スノードー(SnowDough)
ローレンが卒業するまでBOTO寮と呼ばれていた寮のホスト。
アメスティの入学時にはもうこの寮も勝者の名前を冠していた。
雪玉のようなDoughだからSnowDough。
*ローレン(Loren)
スカーフの有名ObjectTuber。偽者を見破る事が得意。
学園の卒業生でありアメスティの相談相手。
フルスペルはScarf=Loren=Tzel。

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